クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2016年11月

ドイツ系メーカーが急速充電で足並みをそろえて普及を目指すが…

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というわけで、BMW、ダイムラー、フォード、フォルクスワーゲン・グループ(アルファベット順)各社が協力して、欧州の高速道路400箇所に、350kWの急速充電インフラを整備するという宣言。
Joint Venture to deploy a high-powered DC charging network for battery electric vehicles (BEV) covering long-distance travel routes in Europe

Power levels up to 350 kW significantly reduce charging time compared to available systems

Build-up of about 400 ultra-fast charging sites planned in Europe

Network is based on the Combined Charging System (CCS) standard which uses a connector that is fully compatible with most current and next generations BEVs

Unprecedented collaboration of the automakers would form a brand-independent network for charging infrastructure
これまで税制メリットもあり、プラグインハイブリッドを次世代の中心においていたドイツ系メーカーですが、CO2排出の関連でいよいよ待ったなし。電気自動車(BEV)へシフトするにあたり、利便性を確保するインフラ整備に励むというわけです。

イメージ画像にもあるよう、そのインフラには欧州COMBO(北米と異なるタイプ)をメインに据えるのでしょうが、じつはフランス系メーカーでは日本発のCHAdeMOがデファクトをとっている印象もあり。本来は、そのあたりでも協力していかないと、ユーザーの利便性向上というよりは単なる国家間の標準化争いといった印象にもなりますが、さて?

それにしても、例の「ディーゼルゲート」が、ここまでドラスティックに次世代パワートレインのトレンドを変えてしまうとは、1年前に想像できていたでしょうか。

精進します。
  







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CR-Zラストドライブでのダラダラトーク「姿勢がスポーツカー」

ホンダCR-Z、エンジン始動時に燃費を教えてくれるスポーツ・クーペ と動画をアップしてきましたが、今度は青山通りでゆっくりと乗っているときのダラダラトークをノーカットで。久しぶりの再会、その第一印象といったところでしょうか。



EPBなどを採用した最終型に乗るのは初めてとはいえ、CR-Z自体は初めてというわけではありません。あらためて確認するといった要素もありつつの、感じたことがそのまま口をついているという恥ずかしながらな5分弱。

ハイブリッド=エコカーという時代のハイブリッドスポーツという提案。だからこそ納得できる部分と、いまになってしまうと、もっと尖っていてもよかったのではと思う部分がありますが、刺激に頼らずにスポーツ感覚を出そうとしてきたことがCR-Zのユニークネスであるとは何となく感じるのであります、ハイ。


精進します。
  







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税込1,922,400円、1.6リッターFWDインプレッサは非スバリストに刺さるか

個人的に新型インプレッサのポジショニングを変えるポテンシャルを秘めていると感じている「歩行者用エアバッグとEyeSightがついている1.6LのFWD」の発売日が公式発表されました。

すでにスバル以外のブランドからの乗り換えが半分を占めるという新型インプレッサ。その理由に新世代プラットフォームによる走りの面での進化はあるでしょうが、やはり先進安全装備の充実したCセグメントという、これまでのスバルから一歩踏み出した感のあるキャラクターが効いているのだと思う次第。

つまり、このグレードの登場により、さらに非スバリストに刺さるクルマになった、と思うわけです。

水平対向ボクサーエンジン、シンメトリカルAWDというスバルらしいテクノロジーを支持するのがスバリストかもしれませんが、「先進安全装備がすごいらしいじゃないか」という印象を持つ他銘からの乗り換え予備軍にとっては、走りのメカニズムは優先順位の低い話。とくにシンメトリカルAWDは、実際の価格やイメージ上の燃費などネガなイメージもありましょう。つまり、その抵抗感を減らす「FWDで排気量の小さな先進安全装備の充実したインプレッサ」というのは、乗り換え組をより引きつけるポテンシャルが大きいといえるのでは?

いきなりブランドイメージが変わることもないでしょうが、この「1.6LのFWDインプレッサ」の存在は、非スバリストを新世代スバリストにしてしまう期待が持てるという点で、中期的なセールス状況が気になる一台。、とくに「高齢ドライバーには自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)がマスト」的な市場マインドが強くなっていることも、最廉価の歩行者用エアバッグ&EyeSight装着車にとって追い風になっていくように感じられる今日このごろでありますし。
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精進します。
  







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リチウムイオンバッテリーの革新を予感させる11月第4週のふたつの発表

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11月の第4週は、リチウムイオンバッテリーにとって2つのビッグニュースがありました。

ひとつは、トヨタが発表した電解液中のリチウムイオンの挙動を大強度X線によって観察する手法。

もうひとつは、株式会社 安永が発表した『リチウムイオン電池の正極極板製造に独自の技術を導入し、リチウムイオンバッテリーの寿命を当社従来品比 12 倍以上に向上させました』という発表。こちらは『電極表面の規則正しい幾何学模様の微細溝』がポイントということであります。
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株式会社 安永 プレスリリース
http://www.fine-yasunaga.co.jp/ir/pdf/news/press20161122.pdf

豊田佐吉氏が懸賞金をかけたという、いわゆる『佐吉電池』を思わせる技術がタイミング的にリンクしているのは、偶然なのか、それともイベントを目前に控えているからなのか。
別件ばかりで、取材に行けないのが残念でありますが、電池討論会のあれこれは気になるばかり。

精進します。
  







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ホンダCR-Z、エンジン始動時に燃費を教えてくれるスポーツ・クーペ

ハイブリッドスポーツ・クーペという稀有なモデル「ホンダCR-Z(ZF2)」とラストドライブ、その燃費は……クルマが教えてくれるのでした。

初期型がどういった仕様だったのか記憶があいまいなのですが、それはともかく、この最終型CR-Zはエンジン始動時に前日の燃費を教えてくれるという仕様。その音声によれば16.0km/L。高速道路メインの走行でしたが、かなりの渋滞にハマったことを思うと、予想以上の燃費だったといえましょうか。

ちなみに5日間で724kmを走っての平均燃費は、メーター表示によると15.9km/L。 2016年の基準でハイブリッドとして見ると、けっして良好とはいえないでしょうが、エコタイヤでもなんでもないタイヤ(サイズは205/45R17、銘柄はミシュラン・パイロットスポーツ3、指定空気圧は前220kPa・後210kPa)であることを思えば、まずまずの実用燃費なのだろうとは思う次第。それでも、ハイブリッドスポーツ・クーペという、クルマのキャラクターを考えると軽々と20.0km/Lには届いて欲しかったという気持ちもあるのですが、パフォーマンス寄りの1.5リッターエンジンとIMAのコンビネーションでは難しいのでしょう、きっと……。

というわけで、CR-Zラストドライブの経験と最新のハイブリッドスポーツカーについてのアレコレは、ホンダスタイル誌に寄稿予定。まさに今、ラストスパート中です、ハイ(汗)

精進します。
  







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日産e-POWERの宣伝文句が「電気自動車」の定義を変えつつある?

日産が純粋なシリーズハイブリッドである「e-POWER」を電気自動車の新しいカタチとして宣伝していることが、ずっと心に引っかかっています。日産としては100%モーターで走るクルマを電気自動車と呼んで何か問題あるのか、ということかもしれませんが、仮にその条件であれば燃料電池車も電気自動車となるわけで。エネルギー源を問わずにモーターで駆動しているクルマの呼び名としては電動車両という言葉を使うべきでしょう。
そして、少なくとも日本の排ガス記号においては排ガスに含まれる有毒物質の濃度(量)と燃料の種類によって区分けしているわけです。電気自動車と燃料電池車は排ガス記号の最初が「Z」であるべきで、それ以外のアルファベットが付いているということは化石燃料を使用しているという意味になりますから。

それでも、e-POWERが電気自動車の新しいカタチだと主張するのであれば、たしかに「排ガスを出す電気自動車というのは新しいカタチであるなあ」、と嫌味の一つも言いたくなるのでした。
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少なくとも日産ノートe-POWERについては排ガス記号が「DAA-」。つまりCOやHC、NOxについては平成17年規制75%減の排出で、燃料はガソリン(もしくはLPG)でハイブリッド乗用車であることを示しています。ひとつも電気自動車の要素はありません。ちなみに、電気自動車の排ガス記号(というのもおかしな話ですが、それはさておき)は「ZAA-」。後半のAとAは共通しているように見えますが、DのあとにAがガソリンハイブリッドを示すのに対して、Zのあとに来るAは電気を示しているので、同じAでも意味が異なるのであります。最後のAが乗用車を示すというのは共通でありますが。



火力発電している電気を使う電気自動車も、ウェル・トゥ・ウィール的な観点でいうと排ガスを出しているのと同等である……という指摘があるのも承知の上で、クルマのゼロ・エミッションというのはあくまでも、車両から排ガスが出ているかどうかを示す言葉であると考えると、エンジンを動かし、それなりに排ガスを出しているテクノロジーをゼロ・エミッションの新しいカタチと勘違いさせるような宣伝文句に納得がいかないわけです。まして、自動車メーカーの物量作戦的PRによって電動車両=電気自動車といった誤解を広めてしまうことに、どうかと思うのです。少なくとも、現時点で電動車両には電気自動車(電気を充電して走るクルマ)と燃料電池車(多くは水素を充填して走るクルマ)の2種類があるわけですから。




電動車両はすべて電気自動車だ! と宣言することで「燃料電池車はないことにしたい」という意思が込められているというのであれば、その是非は別として、狙いとしては腑に落ちる部分もありますが、さて?

そして、二次電池の有無もエネルギー回生も関係なく、エンジンで発電してモーターで駆動するパワートレイン はシリーズハイブリッドと呼ぶのが現在は定説だと思うのです。もっとも、言葉の定義は変化しますから。日産のPRによって変化するのであれば、それに従わないといけないので、今後の動きからも目が離せません(汗)


精進します。
  







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