クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2016年10月

熱エンジンの効率と出力におけるトレードオフ関係が明確になった!

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慶應義塾大学より「一般の熱エンジンの効率とスピードに関する原理的限界の発見(リンク先はpdf)」というリリースが出ております。そのサマリーによれば、この大発見によって明らかになったのは次の通り。
一般的な熱エンジンについて、「効率を高くしようとすると不可避的に時間当たりの出力が小さくなってしまう」ことを、定量的で厳密なトレードオフの関係を新たに証明することで、理論的に明らかにした
別の箇所を引用すると、
一般的な熱エンジンについて、効率を高めようとすると仕事率が不可避的に小さくなってしまうことを示す原理的な関係式を導出しました
ということになります。

この理論は、熱エンジン全般に有効ということですからもちろん内燃機関も、この原理に従うというわけ。

現在、高出力なエンジンと高効率なエンジンというのはニアリーイコールというか、目的に対する技術的なアプローチとしては似ている部分もあると理解されている面もありましょうが、根本的には高効率と高出力は両立しないという話。もっともフリクションが少なく、熱エネルギーを有効利用できるエンジンがあったとしても、高効率なモードと高出力なモードは同時に成り立たないというのは肌感覚で理解できるところといえるかも。

そして、この原理的な理論によって
ほぼすべての熱エンジンの限界を定めるだけでなく、出力の限界がどのようにして定まるのかも明らかにしています

といいます。環境負荷の問題から内燃機関を積んだ自動車に限界が近づいているというトレンドも感じる昨今ですが、こうした理論によってそのタイミングが早まるるのかどうか。逆にいうと伸びしろも明確になることで、内燃機関のライフが伸びるかもしれませんが、さて? 

そしてリリースの図2が示す、物理的なエンジンが可能とする領域の曲線は、シリーズハイブリッドやトランスミッションなどが内燃機関をどのように利用すべきなのかを理解する基礎となるような気もするのです。

精進します。
  







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ヘッドライト点灯のタイミングは、対向車を参考に

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安全のためにヘッドライトの早期点灯キャンペーンが随所ではられるようになっております。
そこで基準といて提案したいのは、対向車など周囲のクルマの認識性。ヘッドライトが道を照らすものだと思っているから、暗くなるまで点けず、点灯が遅くなるのでしょうが、現在のキャンペーンが求めているのは、自車をアピールするためのヘッドライト点灯。

ということは、対向車や後ろから迫ってくるクルマなど周囲の車両を認識しづらくなったな、と感じたときがすなわち点灯のタイミング。このように考えれば、雨天などは時刻的には昼間だろうと見えづらければ点灯すればいいわけで。もっとも、こうした点灯を判断するには、安全のためにライトを利用するという意識改革が必要なので、なかなか難しいかもしれませんが……。


精進します。
  







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メルセデス・ベンツCクラス、歴代の衝突実験ムービーに進化を実感

設計年次の異なる2台をオフセット衝突させてみると…… かなり衝撃的なシーンになるわけですが、とはいえ、ここでリンクしたオフセット衝突で使われている2台とも現時点で新車購入できる(国は違えど)という点も含めて衝撃的なのであります。2台のデビュー年でいうと1990年と2015年という四半世紀の時間が、これほどの違いを生み出したという意味では、衝突安全性の進化を示す映像ともいえましょうか。

さて、衝突安全性の進化を辿るべく、今度はEURO NCAPがアップしている動画を眺めていると、歴代のメルセデス・ベンツCクラスの衝突実験映像が公開されているのに気付きます。せっかくなので、1997年式(202)、2001年式(203)、2007年式(204)、2014年式(205)のクラッシュテストムービーを並べてみることに。
※ご存知でしょうが、それぞれ年式の後ろの3桁数字はいわゆる型式として通称されている数字。





さて、一気に見てみると、初代Cクラスではオフセット衝突でルーフがポッキリと折れているのが衝撃的。当時は強いクルマだという印象(ブランディング?)でしたが、現在のレベルでいうと低評価となるのは間違いなし。20年の歳月というは、衝突安全性においては、それだけ時代が違うレベルということなのでしょう。

さすがに21世紀に入るとオフセット衝突では不安のない潰れ方になっていきますが、203と204を比べるとサイドインパクト試験での潰れ方の違いに進化を感じるところ (203では38秒付近、204では1分30秒辺りに真上からのカメラになっています)。

さらに最新のCクラス(205)となると、さすが段違いの安全性を感じるわけです。オフセット衝突にしてもタイヤの入り込みは最小限というのは、204との比較でも明らか。204では17秒辺り、205で33秒付近のタイヤの移動量を比べると一目瞭然では?

いくらコンパチビリティを考慮したボディ設計になっているとはいえ、最新モデルが強いボディを持っているというのは間違いないと実感できる四本の映像。プリクラッシュセーフティも日進月歩な昨今でありますし、安全性能については「最新が最良」と考えるのが妥当でありましょう……。
リアルワールドでの事故を考えると、こういった視点も忘れてはいけないと思うところであります、ハイ(汗)

精進します。
  







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ホンダ・フリードハイブリッド、i-DCDの完成度にしみじみ…反省

ホンダ・フリード、直噴ガソリン車を市街地で走らせてみる前に、じつはハイブリッドの方で市街地を走っていたのですが、そのインカー映像を撮っているときに3分ほど独り言をしていた部分を恥ずかしながら公開(汗)

FWDと4WDの違いとしては駆動方式にとどまらず、リアサスを支えるブッシュの容量や味付けが大きく異なるため、ゆっくりと走っていても乗り味の違いを感じたのあります。とはいえ基本的にはフロント駆動のスタンバイ4WDシステム。ただし、大きくアクセルを踏み込むと後輪に駆動が流れていく感触もあるので、フロントが滑ってから駆動を送るというわけではなく、ちょっとフルタイム4WD的な印象もあり。それにしてもハイブリッド4WDというのはトヨタにとってウィークポイントであり、IPUを専用設計することでプロペラシャフトを通したフリードハイブリッドの4WDは、その努力もあって差別化に成功したのは、市場としては待望でありましょうか。

それはともかく、フリードハイブリッドは7速DCT+ワンモーターの「スポーツハイブリッドi-DCD」を採用しているわけですが、そのi-DCDの味付けが予想以上に洗練されていたのが好印象。

デビュー直後のフィットハイブリッドに乗った印象では、冷間時のギクシャク感や暖機後でも切り替えを感じる制御でありました。その後、4ドアセダンのグレイスではスムースでギクシャク感のないワンモーターハイブリッドに仕上がっていることを確認、その制御は2014年12月にマイナーチェンジを受けたフィットにも展開されたわけです。

そうして、どんどん進化していた「i-DCD」ですが、フリードではさらにスムースになっていて、もはやDCTを使っていると感じさせないほど、シームレスな加速になっていると感じたのです。とくに街乗りで多用するゼロ発進から30km/hあたりまでの速度域においてギクシャク感やステップ的な加速がうまく処理され、しっかりと加速しながらスムースネスも両立しているのは、「i-DCD」の進化を実感する部分。

最初から、このくらいの仕上がりだったら印象も変わったのでしょう。それより、ここまでのフィーリングにできるというイメージをファーストタッチの段階では想像できなかった自分に反省するばかりです(汗)

精進します。
  







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恐怖! 設計年次の異なる2台をオフセット衝突させてみると……



というエントリで、アメリカIIHSによる50年違いのシボレー(1959年式VS.2009年式)による衝突実験映像を紹介したこともありましたが、こちらはラテンNCAPによる新旧モデルのオフセット衝突実験映像。
より正しくいえば新旧モデルではなく、設計年次の古いまま継続生産されているモデルと最新モデルによる衝突実験であります。その意味では、IIHSの実験がリアルワールドではあり得なさそうなのに比べて、非常にリアリティのある実験といえましょう。

サンプルとなったのは、日産ツル(メキシコ製B13サニー)と日産バーサ(ヴァーサ)という同格のモデル。まさに走るシーラカンスともいえる日産ツルについては以前にもNCAPテストでゼロ点になった動画を紹介するエントリをあげたこともありますが、北米の基準を満たした最新モデル「バーサ」とのオフセット衝突では、まさに木端微塵。

Aピラーはポッキリと折れ、ルーフもひしゃげ、生存空間ゼロ……といった状況であります。そして、試験車両は2015年式ということですが、ノーエアバッグなのにもあらためて驚き。

2017年をもって「ツル」の生産を終了させると発表されておりますが、その判断も妥当というか、むしろ遅すぎたといえるくらいの安全性能差を実感する30秒のムービーでありました。

しかし、あらためて思うのは旧車に乗っているということは、こうしたリスクを抱えているというわけで、古いものを大事にすることを否定しないまでも、命を大事にするという意識も重要なのでは、と思う今日このごろです、ハイ。

精進します。

【追記】
別角度の映像もありました


  







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ホンダ・フリード、直噴ガソリン車を市街地で走らせてみた燃費は?

そろそろ公道を走り始めたホンダ・フリード。ガソリン直噴とハイブリッドのどちらが買い、といったエントリをあげたこともありましたが、実際に乗り比べてみると、やはりガソリン車優位という印象でありました。 

中間加速ではDCTをトントンとシフトダウンさせるハイブリッドに優位性を感じるシーンもありますが、加速感では伸びのある直噴エンジンのガソリン車のほうがスピードが乗っていく感触は強し。実際、0-100km/h加速の社内計測値ではガソリン車のほうがわずかに速いのだとか。もっとも、このあたりはパワートレインの優劣という話ではなく、車重の違い(FWDの同グレードで比較するとハイブリッドのほうが60kgほど重い)によるところも大きいのでしょうが……。




FREED_GAS_Nenpi
とはいえ、燃費性能については、やはりハイブリッドが優位かもしれませんが。ちなみに、上の画像はフリード(3列シート7人乗り仕様)で市街地を平均20km/hで40分ほど連続走行した際のオンボード燃費表示をクローズアップしたもの。雨天の夕刻ということで、ワイパーもヘッドライトもエアコンも使っているというシチュエーションでありますからカタログ燃費の測定モードに比べると、ずいぶんと不利な状況の数値といえましょうか。

見方を変えると、一人乗りの市街地走行では、このくらいの燃費が基準となりましょうか(荒く乗ると、もっと悪化するのは当然として)。ちなみに、JC08モード燃費が19.0km/Lですから、巷間言われるモード燃費値・達成率でいうと75%ですから、妥当な数字といえそうですが、さて?

本日の一台目

Sinya Yamamotoさん(@sinyayamamoto)が投稿した写真 -




こちらの動画はフリード・ハイブリッド4WDですが、こんな感じで流れにのって市街地を走ったときの参考燃費であります、ハイ(汗)

精進します。

  







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