
もともとは日本独自のカテゴリーである軽自動車における不正行為、と捉えられていた三菱自動車の走行抵抗値に関する問題は、1991年から(すなわち法施行のときから)違反行為が続いていたということで、問題は拡大の一途。軽自動車に限った話であれば国内問題でおさまりますが~コンプライアンス意識は別として~四半世紀にわたって全車的に行なっていた不正となると、問題のレベルが異なってくるのは当然。
このあたりの展開、当初は北米向けのディーゼルエンジンに限った不正(ディフィートデバイスの使用)と思われていたフォルクスワーゲンのディーゼルゲートにおいて、欧州仕様も含めた不正行為だったと拡大した様を思い起こさせるわけですが…。
Mitsubishi USA@mitsucars
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2016/04/30 08:54:56
MITSUBISHI MOTORS NORTH AMERICA CONFIRMS U.S. VEHICLES NOT IMPACTED BY FUEL CONSUMPTION TESTING DATA IRREGULARITIESというわけで、ひとまずは北米の現地法人が「北米仕様においては試験データにおける不正はなかった」とステートメントを出しております。
そして、こうしたイメージダウンは三菱自動車だけでなく、ほかの日系メーカーにも延焼することは必至。さらに、問題の本質が実燃費との乖離にあると勘違いされてしまうと消火も難しくなることでありましょう。三菱自動車にしろ、フォルクスワーゲンにしろ、実燃費やRDEでの乖離というのは本質ではなく、あくまでも違法行為があったかどうかが問題の本質でありますから。
その意味では、ある程度の影響力を持つ識者が「あのくらいのこと(=モード燃費と実燃費の乖離)はどこのメーカーでもあり得る」と言ってしまうのは「どこのメーカーも不正な数値で認証取得をしている」と誤解を招き、延焼を促すようなものであります。
他メーカーも不正な測定方法で走行抵抗値を出しているという指摘をできるだけの情報を掴んでいるのであれば話は別ですが、であれば「ほかもやっている」ではなく、もっと具体的に指摘すべきでしょうし。
ちなみに、日本における燃費・排ガス測定のモードについては、奇しくも国際連合において定められたWLTP(Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure)を導入することが明らかとなっているのは、あまりにもグッドタイミングで、ついつい勘ぐってしまいたくなるのであります(汗)
精進します。

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