クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2015年09月

フォルクスワーゲンのディーゼルスキャンダルについてのあれこれ

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フォルクスワーゲンの”ダーティ” ディーゼルスキャンダルが拡大中。もともとアメリカ市場での指摘でしたが、グローバルな問題となり、すでにCEOは退任するといった具合。ボードメンバーの退任はまだまだ続きそうな雰囲気でもあります。

では、そもそもの問題は何だったのかを、現時点でわかる範囲で、あらためて整理しておこうかと。

というわけで、発端となったのは2015.9.18にアメリカEPAが出した、次のリリース。
おそらく印刷するとA4一枚くらいのペーパーの中に、掟破りの”Defeat device” という単語が6回も出てくるばかりか、カンニング(ズル)という本来の意味でのチートという表現も使われているのでした。

なにより驚くのは、イリーガルという表記があったこと。違法という強い言葉をEPAがリリースで使うということは、単なる疑いのレベルではないことを感じさせるのでありました。

で、なにが違法なのかといえば、通常走行時にNOxの排出量が多いことではなく、試験を検知すると、試験モードに特化したプログラムに切り替えているということが問題。


一部には台上試験とリアル・ワールドの乖離の問題という認識もありましょうが、EPAのリリースから受ける印象ではNOxがどれほど多いということではなく、”Defeat device” というズルをしたことが違法行為として指摘されているのであります。


では、なぜゆえに”Defeat device” を使っていると判断されるリスクを犯してまで制御プログラムを切り替えたのか? そのあたりの動機については、これから判明するのでありましょうが、おそらく環境性能とドライバビリティという相反する要素を両立させるためだったのではないかと想像するところ。いや、故意にプログラムでエミッションよりドライバビリティを優先する細工がしてあるともいえるかもしれませんが。

ところで、現在のパワートレインというのはエンジン単体で見るだけでなく、トランスミッションとセットで考えるべきもの。フォルクスワーゲン系のディーゼルエンジンは6MTと6DSG(DCT)を組み合わせるケースが多い印象ですが、もしDSGよりもレシオカバレッジを広くできるCVTがあれば、エミッションとドライバビリティをCVT側の工夫でカバーできたのかもしれない、と思ってみたり。

もちろん、CVTでディーゼルのトルクを受け止めて、なおかつギア比を変速しつづけるというのは耐久の問題もありそうですが。

その意味では、ZFの9速ステップATを使えば、トルコンでのスリップもうまく使いつつで、ドライバビリティとの両立ができた可能性はどうだろう? と想像するところ。

北米向けのガソリンエンジン車ではアイシンのステップATへと変更しつつあるフォルクスワーゲンですが、むしろディーゼルに使えるステップATがあれば、違う展開もあったのかもしれない……と思うのは、考えすぎでしょうか。

精進します。

なお、先日上げたエントリーに事実誤認があったので、書き直そうとしたのですが、うまくまとまらなかったので、こちらのフォーマットで整理しております。
















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走りのロードスター、264.6万円はお買い得感ムンムン

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既定路線といえるでしょうか、マツダ・ロードスターにワンメイクレース向けのNR-Aが誕生であります。

走りに特化した装備へとグレードアップ(不要なパーツは省略)した仕様で、メーカー希望小売価格は2,646,000円。内容を吟味せずとも、NDロードスターの価格帯からすると、かなりのお買い得感という第一印象。

そして、ベーシックなSグレードを主な対象に、ざっとプラスされた装備と、失った装備を並べてみると……

前後スタビライザー
前後大径ブレーキディスク
ビルシュタイン製ダンパー(車高調整機能付き)

トンネルブレースバー
トルクセンシング式スーパーL.S.D.
フロントサスタワーバー
シルバー塗装アルミホイール
タイヤデフレクター(リア)
▲サイドエアバッグ(OP設定なし)※フルバケシートへの交換を考慮すると当然の対応ですが。
▲ボディ同色ハイマウントストップランプカバー(NR-Aは黒)
▲ステアリングのオーディオリモートコントロールスイッチ

※太字はNR-Aの専用装備






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インナードアハンドルやシフトノブブーツリング、ステアリングベゼルがシルバーなのも、エアコンルーバーやシートバックガーニッシュがブラックなのもNR-Aの専用装備というか、あえてシンプル化して”らしさ”を演出しているポイントでしょうか。








基本的にレースは嫌いというか苦手なのでワンメイクのパーティレースに出たいとはまったく思わないのでありますが、このNR-Aの適度にストイックな感じは好印象。レースベースといいつつ、エアコンが残っているのも気分だけを味わいたい自分のような軟弱派にはウェルカムなのです(汗)


精進します。













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ディーゼルエンジンで処理すべき排出物4つ

フォルクスワーゲン・グループのアメリカ市場におけるディーゼルエンジン排出ガス問題が拡大しておりますが、そのメインテーマとなっているのはNOx(窒素酸化物)の処理におけるアレコレ。

しかし、ディーゼルエンジンの排出物で処理すべきなのはNOxだけではなく、NOx含めて4つの排出物があり。あらためて、その4つと処理方法を眺めてみることに。


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 ※出典:トヨタ自動車 新開発グローバルディーゼルエンジン 説明会 資料

世界中でディーゼルの排ガス処理として最優先事項なのがHC(炭化水素)とCO(一酸化炭素)。この2つの排ガスをクリアにできるのが酸化触媒(DOC)。

続いて処理が求められているのがPM(パティキュレートマター=微粒子≒スス)。その対策としては粒子をキャッチするDPF(ディーゼルパティキュレートフィルター)が使われているわけ。このDPF、つまり対策としてわざと粒子を燃焼させるので、それによる燃費の悪化など問題はありますが、それはさておき。

そして、先進国を中心とした環境性能に厳しい地域では光化学スモッグの要因となるNOxの対策も重要で、そのために使われているのがNOx吸着触媒や尿素を使ったSCR(選択触媒還元)なのであります。

というわけで、トヨタの最新ディーゼルの排出物処理の紹介でもわかるように、仕向地の規制にあわせて後処理を最適化するというのが現時点での最適解といえましょうか。



もっとも、マツダSKYACTIV-Dのように、そもそもNOxの排出量を減らすことでNOxに関しては後処理を不要とするというアプローチもあるのですが…。

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出典:マツダ技報2015
 
ちなみに、マツダSKYACTIV-DのNOx対策のキモとなっているのは、EGRによる燃焼温度の低温化。そのEGR、ターボの川上にある高圧のHP-EGRと排ガス処理の川下となる低圧のLP-EGRの2系統併用でありますが、NOx低減と燃費位の両立において効いているのはLP-EGRということであります。

NOxを出さないようにするという点ではEGRの効果は無視できないのですが、そもそも出さないようにするわけですから後処理とは違う話なのでありまして。そのあたりの混同には気をつけたいものです、ハイ。


精進します。














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スズキ・ラパン。そのインパネのドレッサー感

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スズキ・ラパンといえば、女性ターゲットの内外装と、その各所に隠されたウサギのシルエット(ラパン・マーク)が特徴といえる軽自動車で、ラパン・マークがBピラーにも入っている、つまりプレス型に彫り込んであるのを見たときに、ジョークではなく本気でラパンらしさを追求しているのだなあ、と思ったのでもありました。

それはさておき、以前ラパンの運転席に座ったときにメモ代わりに撮っておいた動画がiPhoneから発掘されたので、恥ずかしながら公開。



それにつけても、引き出しの、まさしく引き出し感たるや!

動画では小学校の机と表現していますが、あらためて見れば、シルバニアファミリーのドレッサーを思わせる雰囲気と感じましたが、いかに?



精進します。














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速度リミッター=制限速度ではダメな、たった1つの理由

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日本国内で走る乗用車についていは、いわゆる高速道路での法定速度(最高速度を制限する数値)が100km/hとなっていて、ならば速度リミッターも100km/hで作動するようにすべきであるし、それが遵法精神である、といった意見をみかけることもありますが、そうした議論で見落とされているのは、法定速度というのはあくまで法律によって規定されているものですから、法改正によって変わる可能性があるという点でありましょう。

仮に法定速度で速度リミッターを作動させてしまうと、法改正にあわせて市場に出回っている車両のすべてにおいて速度リミッターを変更する必要が出てきます。であれば、ある程度の速度リミッターにしておいて法改正の余地を残しておくというのは妥当なのでは?

実際、2000年の法改正で軽自動車の法定速度(高速道路)は80km/hから100km/hと引き上げられたこともあるわけで。仮に、その段階で80km/h上限のリミッターをかけていたら混乱を招きますし、そもそも法改正という話にもならなかったでありましょう。


とはいえ、標識を読み取る技術はすでに市販車にありますので、指定速度に合わせた速度コントロールを機械が行なうということは可能なのかもしれません。

また、現在において大型トラックには法定速度のあたりで速度リミッターが入っていますが、乗用車と異なり、所有者のほとんどが企業であるという事情の違いは大きいと思う次第。乗用車では旧車に厳しい排ガス規制を課すことはありませんが、商用ディーゼル車には、いわゆるPM法によりDPFの後付を求めるなども可能でありましたから…。


精進します。













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フェラーリ250 GTO、税込300円也

シェルでハイオクを入れて、オリジナルLEGOが300円のキャンペーン 。遅ればせながら、ようやく初めてのシェルV-POWERオリジナル・フェラーリLEGOをハイオク20L+300円にて入手。

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赤や黄色のフェラーリは人気のようで、在庫として残っていたのは250 GTOのみでありました。

それにしても、1960年代は12気筒でも総排気量は2953cc。気筒容積400~500ccがスタンダードな昨今からすると、かなり精密かつ緻密な印象を受けるV12であります、ハイ。

もっとも、そうはいっても660ccで3気筒の軽自動車のほうが気筒容積は小さいのではありますが(汗)

ところで、シェルのキャンペーンで特価販売中のフェラーリLEGOはプルバックカー。調子にのって遊んでいると、フロントカウル部分などが外れてしまい、また組み立てるのも一興なのでした。


精進します。















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