クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします
二輪・四輪にかかわらずパーソナルモビリティが、どのように変わっていくかを考察します

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2015年09月

ポルシェの電気自動車、充電方式は独自規格?!

Porsche_Mission_E_IAA01

フランクフルトモーターショーに出展されたポルシェの電気自動車コンセプトの充電について、あらためて整理しておこうというメモ的エントリ。

フロントフェンダーがスライドして、主にドイツが推しているCOMBO2インレットが顔を出すのは、いかにもショーカーらしい演出でありますが、その能力は従来の常識破りなもので、15分で400km走行相当の充電が可能なのだとか。

バッテリー総電力量などは公開されておりませんのが、インレットの脇にも書いてあるように 800Vの新システムを使っているのがポイントなのだとか。



急速充電ということは直流800V。日本でいうと高圧電気取扱者の資格が求められそうな電圧なのでありました。

さらにいえば、SAEのDCチャージのレベル3でも600Vが上限になりそうなので、COMBO2コネクタを使って、既存のインフラを利用できるようにしておきつつ、急速充電に関しては独自規格も用意するという見方もできるのですが、さて? それとも、オンボードで昇圧して充電するという想定なのかどうか?

●参考リンク:SAE Charging Configurations(リンク先pdf)
http://www.sae.org/smartgrid/chargingspeeds.pdf



Porsche_Mission_E_IAA02

ちなみに、ポルシェ・ミッションEは前後2モーターの四輪駆動で、最高出力600馬力、満充電での航続可能距離500km、0-200km/h加速が12秒以内というスーパースポーツ4シーターを想定したコンセプトカーであります。

まったくもって、人生に関係ないイメージしかわきません(汗)

精進します。

















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トヨタの最新ディーゼルがVWへの当て付けと誤解を招いている件




最新のポスト新長期規制をクリアしている、といってもデビュー年次の異なる国産ディーゼルに乗り比べ、クリーンディーゼルのドラビリ系進化は日進月歩! と感じたのは8月の話でありましたが、そのトヨタ・ランドクルーザー プラドの2.8リッター4気筒ディーゼルの解説ムービーが9月24日に公開されたようで。

もともと6月に技術発表、例の役員によるドラッグ事件がなければそのタイミングで詳細も発表されていたはずのGD系ディーゼルエンジンでありますし、すでに搭載車が市販されておりますので、けっしてVWの #Dieselgate に当て付けで発表したわけではないのですが、プロモーションムービーの公開タイミングから勘ぐられている模様。

ちなみに、こちらのエンジンについてはいくつかの記事を書いておりますが、最大熱効率44%という数字だけでなく、ターボチャージャーや排気の後処理装置も含めて、興味深いエンジンシステムなのでありました。

お時間あれば、リンク先もご覧いただければ。

トヨタ・ランドクルーザーにクリーンディーゼル登場! 価格は約396万円から

最大熱効率44%、トヨタ・ディーゼルのポイントは「TSWIN」?

トヨタ・ランドクルーザープラドの乗りやすさは独自ターボのおかげ?

トヨタGDディーゼルのシリカ強化多孔質陽極酸化膜ピストンは冷却損失を30%低減!

トヨタの「熱しやすく冷めやすい」ピストンコーティング



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過去と向き合わない? 「MIRAIと向き合う」メルケル首相の心中はいかに

フォルクスワーゲンのアメリカ市場におけるディーゼル問題 #dieselgate も、いまや北米にとどまらずEU全体に拡大しております。報道によれば、サプライヤーは発売当初から認識していただとか、ドイツ政府も数年前にはわかっていながら放置していた、といった感じで、フォルクスワーゲングループという企業体の問題ではなく、メイド・イン・ジャーマニーへの不信といったレベルへ移行している模様。

というわけで、ドイツのメルケル首相も頭痛の種となっているのでしょうが、はたして来日時に日本政府へ苦言を呈したように『過去と向き合う』のかどうか。

Angela_Merkel_and_Toyota_Mirai0004

そんなことを考えていたら、フランクフルトモーターショーにおいてトヨタ・ミライを見学するメルケル首相の画像を発見。ドイツのエグゼクティブ同様に博士号(物理学)を持っているというメルケル首相の目に、世界初の量産燃料電池車であるミライの姿は、どのように映ったのでありましょうか。

歴史は繰り返す、という格言に則れば、ディーゼル問題で明らかになりつつあるように、環境対策よりも自国の産業に有利になるように働くドイツ政府でありますから、説明を受けながらもドイツ系メーカーがトヨタをキャッチアップする時間を稼ぐ計画を指示することを考えていたと想像するところですが、さて?


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太陽光発電は光があたっている限り続く、という心配

先日の自然災害でも太陽光発電パネルは、それが壊れているように見えても、機能している限りは太陽光が当たると発電するので、安易に近づかないようにといった注意がなされておりましたが、クルマにも同じことがいえる時代になるのかもしれないと感じる今日このごろ。

というのも、2015年のフランクフルトモーターショーで発表されたアウディの電気自動車コンセプト のルーフには一面に高性能なソーラーパネルが貼られていて、条件次第では年間1000kmの走行に相当する発電能力を持っているというのであります。

クルマのソーラー発電といえば、トヨタ・プリウスや日産リーフに使われておりますが、いずれも12Vの電装系に関わるものでありますが、アウディの提案は駆動バッテリーを充電するほどの能力ということでありますから、ケタ違いの能力を有しているはず。

A159011_full

このコンセプトカーの航続可能距離表記から逆算すると、このソーラーパネルが一年間に生み出す電力は200kWh相当と予想され、年間の平均日照時間を5.5時間程度で計算すると、その能力は1kW。

なかなかに立派な印象ですが、前述したように事故によってクルマが破壊してしまったときの安全性はどのように確保しているのか? というのは、ちょっとした疑問。

もっとも、コンセプトカーでありますから、その辺のことは置いておいて、ひとつの提案でありましょうし、こうしたコンセプトがソーラーパネルの安全性についての、もろもろを検討していくきっかけになるとすればウェルカムな話なのであります、きっと。


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すでにダークサイドに堕ちていたのか… #dieselgate

フォルクスワーゲン・グループのアメリカにおける違法プログラムの問題。すでに全世界的なものとなっておりますが、アメリカ向けモデルにおける対象モデルイヤーは2009~2015。

そんなこんなで思い出すのは、2011年のスーパーボウルで放映され話題を集めた、MY 2012 パサートのテレビコマーシャル。



映像に使われている車両がTDIかどうかは不明でありますが、MY 2012のパサートといえば、今回の違法プログラムにおいて対象としてEPAが発表しているモデル。

なるほど、この段階でダークサイドに堕ちていたこと暗示していたのでしょうか……(汗)


May the Force be with you.


精進します。














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#Dieselgate フォルクスワーゲンの目的は何だったのか?

2015_golf_sportwagen_3942

フォルクスワーゲンのディーゼルスキャンダルについて、禁断の制御プログラム切り替えを行なったことは明らかになりつつありますが、その目的については、いまだ明確に指摘されていないという印象。

自分自身、先日のエントリでは「ドライバビリティをエミッションに優先させた」という風に書きましたが、現実的に考えて、強烈なディーゼルのライバルがいない市場においてリアル・ワールドでのドライバビリティを優先する意味というのはあるのかと、いえばおそらくノー。

もちろん、市場での走りにおける好印象というのは重要な商品性ではありますが、これだけの危ない橋を渡るインセンティブにはならないだろうな、と思うわけです。



仮に測定時だけEGRを増やすことで温度を下げ、NOxの生成を抑えているとして、そこで考えられるのは、後処理能力を低くできる(コストダウン)というメリットでしょうか。

ただ、それであれば日常域と切り替える必要はないはずで。加速時などは別の補正をかけることは禁止されていないでしょうから、Defeat Device に手を染めなくともドライバビリティを確保することは可能であったろうとも思う部分もあるわけです。

だとすると、エミッション関係でひとつ考えられるのは被毒などによって劣化した触媒であっても、検査をクリアできる数値を出すため。

ネガティブな見方をすると、劣化した触媒で基準をクリアするために、NOx排出量を減らすことを優先したプログラムを走らせる必要があったということでしょうか?







さて、現時点で、フォルクスワーゲンが認めているのは旧型のEA189ディーゼルに関する問題ですが、EPAとCARBの対象リストには最新のEA288ディーゼル搭載車も載っていて、なかなか微妙な様子。

そして、EA189についてもNOx吸着触媒を使った第一世代とSCRを使った第二世代の両方が対象となっているのが興味深いところ。ちなみに、EA288にはDPFにSCRコーティングを施した第三世代の後処理装置が使われているのであります。

それはともかく、CARBの指摘によれば、北米ではDEF(Diesel Exhaust Fluid)と呼ばれる尿素水=AdBlueを、SCRを働かせるに十分な量を吹いていないと指摘しているのであります。SCRの性能維持のために被毒を解消するための温度上昇(VWが実施しているかは未確認)を誤認しているとは思えませんし、おそらく。

dosing was not sufficient to keep NOx emission levels from rising throughout the cycle.


●参考リンク:CARBからVW USAへのコンプライアンスレター(画像・英文) http://www.arb.ca.gov/newsrel/in_use_compliance_letter.htm

このレターにおける表記が第二世代に限った話なのか、第三世代も含むのかは不明なのでありますが(ソースのご指摘など、いただければ幸いです)、フォルクスワーゲンの主張を信じればEA189エンジンの使っていた第二世代までに限った話なのでしょう。一方で、EPAのリストからは第三世代も明確にシロと判断していないという意思が見えるのでありました。

というわけで、NOx吸着触媒だけでなくSCRにおいても測定時のみエミッション性能に有利な制御をするメリットとは? 

ユーザー的にはAdBlueの消費が抑えられるというメリットがありましょうが、そのためにメーカーが危ない橋を渡るのは、また理解しづらいのでありました。

このあたりの狙いと事情、今後明らかになってくるのでありましょう。

精進します。














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