クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2015年07月

オン/オフ・クロスオーバーを超える”アドベンチャーモデル”コンセプト

ホンダから懐かしい名前を持つオートバイの登場であります。

その名前とは『アフリカツイン』。
Hondaは、2015年末に欧州で発売を予定している「CRF1000L Africa Twin」の技術概要について発表しました。
CRF1000L Africa Twinは、1990年代に大人気を博した「XRV750 Africa Twin」同様、オンロード、オフロードを問わず、世界中のさまざまな道を走破できるアドベンチャーモデルです。「どこへでも行ける」をコンセプトに、「True Adventure:真の冒険」に向けた究極の装備を持つモデルとして開発しました。
二輪については、まったくの門外漢といいますか、運転免許的にも普通二輪しか乗れない自分でありますから、アフリカツインという名前に懐かしさは覚えても、リアルに憧れる感じはないのでありますが、オン/オフを問わないアドベンチャーモデルという基本コンセプトは、2015年の四輪マーケットにおいてもビジネスの予感。

いまや、付加価値のある商品としてクロスオーバー・コンセプトは大きな流れとなっておりますが、悪い言葉でいえば陳腐化しているのも事実。アドベンチャーモデルというキャラクターは、クロスオーバーの、さらに上をいくコンセプトとして、より付加価値商品を提示するキーワードとなりそうな気がするのでありました。

ちなみに、エンジンは4スト2気筒998ccで最高出力70kW。

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メカニカル的には、以下の表記が気になるところ。とくに『バランサーシャフトによって駆動』の部分には興味津々なのでありました。
270度位相クランクシャフトによって、どの回転域においてもレスポンスがよく、回転数が上がるにつれて、深みのあるエンジン音を響かせながらしっかりとトラクションを感じさせるほか、2軸プライマリーバランスシャフトが振動を軽減します。 また、ウォーターポンプはクラッチケースの内部に収納し、燃料系のポンプと共用のバランサーシャフトによって駆動。



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アドベンチャーモデルにふさわしい制御としたDCTというのも気になりますが、トラクションで立っている二輪だけに、最近の四輪のトレンド(高いギアやコースティング)とはおそらく方向性が真逆なのだろうなとは想像しているのですが…。

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それにしても、スポークホイールやスチールのフレームも、アドベンチャー的なイメージを高めているように感じるのは気のせいでしょうか。

精進します。














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生産54,473台、販売67,460台なホンダの2015年6月4輪国内実績

NBOX_Slash


ホンダの四輪生産・販売の発表値を見ていて、そのブランド評価を間違えないようにと思った次第。
6月単月の主な車種の販売実績は、登録車では「フィット」10,750台(登録車名別4位)、「STEPWGN」7,572台(登録車名別7位)、「VEZEL」6,453台(登録車名別10位)、届出車では「N-BOX」16,872台(届出車名別1位)、「N-WGN」7,249台(届出車名別8位)です。
というわけで、軽自動車がリードする国内販売でありますが、それでも前年同月比で92.5%、9か月連続減となっています。しかし、むしろ注目すべきは全体としての生産実績。

国内生産は前年同月比62.2%の54,473台にとどまっているのに対して、海外生産は112.7%の340,154台。トータルでは6月としては過去最高となる394,627台(101.3%)に達しているのでありました。

~海外生産・アジア生産・中国生産がすべての月を通して過去最高 北米生産・米国生産・世界生産が6月として過去最高を更新 海外生産・北米生産・アジア生産がすべての半期を通して過去最高~
日本での状況だけを見ると、数字的にはネガティブに見えるホンダブランドではありますが、グローバルにはまったく逆で、過去最高に好調というわけでありました。




しかしながら、国内からの輸出規模が4桁というのは、現地生産を推し進めるホンダであれば狙い通りなのでしょうが、もはや自動車は完成車の輸出産業ではなく、ビジネスとしては「生産技術と設計図によって海外で稼ぐ」 モデルになっているといえる面もあるのだなあ、と再確認。

それにしても、国内では生産台数より1万台以上も販売しているという数字は、巷間話題のあれこれをリアルに感じさせるのでした(出汁)


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※画像はイメージ。背景の奥に注目? 

 
精進します。














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最新の環境ディーゼルは燃料だけでは走れない?

先日、メルセデスの最新クリーンディーゼルを搭載したモデルを拝見する機会あり。

室内ではそれほど感じずとも、外ではカラカラ音がそれなりに聞こえるのでディーゼルらしさムンムン。



そしてフューエルリッドをプッシュして開けてみると、そこには2つの注入口が並んでいるのであります。

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緑色のキャップが軽油、そして青いキャップはAdBlue(尿素水)。

排ガス規制をクリア(NOx対策)するためのAdBlueは、およそ1000kmで1リッターを消費するものであり、また一定以上の残量がなければクルマが動かないようになっているので、ガス欠ならぬAdBlue欠でもクルマは動かないというのが基本なのでありました。



AdBlueの一般小売価格は、ガスステーションで入れるのか、ディーラーで補充するのかで単価はピンキリのようですが、80~200円/Lの範囲で計算しても、AdBlueの消費によって、ガソリンに対する軽油のコストメリットが消えるということはないというか、年間走行距離1万kmでも多いくらいというパーソナルユースの乗用車として運用していれば誤差のレベルでは? と感じる次第。



もちろん、商用車で大型トラックとなると消費も増えますから、コスト負担は切実な問題となるのでありましょう。

そして、検索してみると、まさかのAmazonでもAdBlueは取り扱い商品なのであります。開封後の保管などを考えますと、個人ユースでは量り売りの小売店で購入するほうが吉だと思うのでありますが。




精進します。














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ダウンサイジングターボはハイブリッドの代替にはならない?

鋳物のパイピングが個人的には注目ポイントなホンダの1.5リッターガソリンターボですが、一部に「ハイブリッドのかわりに拡大する」といった報道もあるようで。

たしかに、ダウンサイジングターボというのは、環境指向の過給エンジンという側面もありますが、それをもってハイブリッドの代替ユニットというのは、どこか違和感なのです。

現時点で、ホンダ車において1.5リッターのダウンサイジングターボとワンモーターハイブリッドの両方を搭載しているのはジェイドですが、その最高出力とモード燃費の関係は以下の通り。

i-DCDスポーツハイブリッド:152馬力(システム出力) 24.2~25.0km/L
VTECターボ:150馬力 18.0km/L

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ジェイドのターボ「RS」オトナな味に物欲刺激される


ホンダ・ジェイド初試乗。4座+αの6シーター

スペックの数字でいっても最大トルクは違いますし、以前のエントリで触れているように乗り味もかなーり異なります。最高出力に劣るターボエンジンですが、実際の印象としては、ターボのほうがトルクフルでパフォーマンスを実感できるのでありました。

とはいえ、モード燃費の数字に見える差はおそらく埋めがたいもの。やはりエネルギーの回生できる量というのはストップ&ゴーをメインとしたシーンでいえば影響大で、ハイブリッドの優位性にダウンサイジング過給エンジンで追いつくのは難しいという印象。

そしてジェイドに関していえば、いずれのパワートレーンでも車両重量は1510kgと同じなのもダウンサイジングターボのメリットを感じづらい部分。この重量、けっしてターボエンジン車に補強などの装備を与えているからだけでなく、補機類を含めたターボエンジンと、それに対応したCVTが重くなっているのも理由といいますから、ハイブリッドに対する、駆動バッテリーを積まなくて済むことによる軽さというのも、それほど期待できないようでありますし…(出汁)

というわけで、ホンダについてはダウンサイジングターボの拡大はあるでしょうが、それはハイブリッドの代替ではなく、2.0~2.4リッターの自然吸気エンジンの置換とみるのが妥当なのであろうと思う今日このごろでありました。

精進します。














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CX-3は、小型SUVの販売ナンバーワンを狙えるか?

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たまたま、25kmばかりCX-3を動かす機会あり。

恥ずかしながら、初めてのCX-3体験であります。

その、正直な第一印象は、クロスオーバーSUVの付加価値をあまり感じないというもの。

魂動デザインの影響もあるかもしれませんが、市街地を乗っている分には、デミオとの違いが明確ではないという感じでありましょうか。



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そうした印象を覚えたのは、つい先日、このクラスのSUVとしては国内市場でもっとも売れている(2015年上半期で38,218台)というホンダ「ヴェゼル」に触れていたからかもしれません。

1.5リッターガソリンと1.5リッターハイブリッドというラインナップのヴェゼル。パワートレーンやプラットフォームの基本部分は同社のフィット・ファミリーといえますが、完全に別物に仕上がっていて、派生モデル感はほとんどなく、あえていうならばシフト操作系周りに共通性を感じるくらい。

ラインナップの統一感も大事なブランディングですが、個々の商品においては、難しい面もあるのだなあ、とあらためて思った次第。


なお、CX-3の2015年上半期販売台数は17,361台でありました。


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ちなみに、価格帯を比べると以下の通り。

ヴェゼル(ガソリン):1,931,000~2,286,000円
ヴェゼル(ハイブリッド):2,260,000~2,746,000円
CX-3(ディーゼル):2,376,000~3,024,000円

価格差を考えると、CX-3の販売状況というのは健闘しているというべきかもしれません。







精進します。














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母国にシビックを輸出するというホンダUKの思い

出自的には、欧州ユーザーのために開発されているイギリス産シビック・タイプRですが、EP3、FN2同様にイギリスから日本に送られて販売されます。

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というわけで、すでに量産のはじまっているというシビックタイプRが日本に送られるのは、今秋。

お値段やスペックなど日本仕様のアレコレが話題となっておりますが、生産現場からのメッセージも気になるところ。
'We're delighted that the European Civic Type R will be sold to customers in Honda's home country of Japan. Customers are really excited about this car and we're developing a significant order bank here in Europe. Exporting the car to Japan will only serve to increase demand further, which is great news!"
素直に読めば、ホンダというブランドの母国であるジャパンに向けてイギリスから輸出することを喜んでいるようでもあり。穿った見方をすれば、高価なFWDスポーツカーの市場を拡大することで、生産を増やす(確保する)ことに期待しているようでもあり。

すでに発表されているように、間もなく登場するであろう2代目NSXが2000万円級のスーパースポーツになって、当然ながらターゲットユーザーを絞ることを考えれば、シビックタイプRというのは、次のNSXのターゲットから溢れてしまった層をカバーする商品という風に捉えているのでした、個人的には。

それにしても、US生産のNSX、UK生産のシビックタイプRときて、ジャパンで生産すべきなのは何だろうと想像するのもおもしろいのでは? やはり、四日市あたりで生産するというのが順当でしょうか…(出汁)

精進します。














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