2014年、たいへんお世話になりました。
長年こんな仕事をしていても、試乗感想を書くのは自分の仕事の範疇では際(きわ)にあるというか、ほとんどオファーがないので、新車に乗る機会もあまりなく。そんな人間の思い出では、参考にはならないでしょうが、あくまで年末に一年を振り返るという意味で、2014年に乗ったクルマから、印象深かったディテール的な部分を記憶のアシストとして記しておこうかと。
なにしろ、物忘れの激しい年齢になっておりますので(汗)。
●スズキ・ワゴンRのエンジン始動マナー
スズキがワゴンRのビッグマイナーで投入したハイブリッド車、「S−エネチャージ」と呼ばれている仕組みは、ISGとリチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッド機構といえるもので、ハイブリッド感はほとんど感じさせないのではありますが、そのスマートなエンジン再始動性は記憶に残しておきたい感じ。
むしろ、軽自動車のアイドリングストップからの再始動マナーが、このレベルだと捉えると、全体のハードルがあがった感もあるのでした。
●マツダ・デミオのリア接地性
クリーンディーゼルの搭載、走り重視のパッケージングなどなど玄人筋の評価が高いマツダ・デミオでありますが、個人的に目からウロコ的な感じで、記憶に留めておきたいと感じたのはリアの接地性。コンパクト系のFWD車ですが、イメージ以上にリアをドッシリとさせておくことで、いろいろ乗りやすさにつながっている模様。
そうした特性を活かすには、運転のイメージを変えたほうがおもしろそう(むしろAWD的なイメージ)と感じたのでありました。ノーズが重いのではなく、プッシュアンダー的な挙動と捉えて乗りこなす的な話というと誤解を招くでしょうか……。
●新世代スバル車のフロント接地性
おそらくレヴォーグ以降の、WRXやレガシィのシャシー共通の特徴として感じたのは、フロントタイヤの使い方がコロッと変わったこと。それまでに比べて、旋回時にタイヤのショルダーを使わないようになっている印象で、ストロークしてもキャンバー変化が少ないというか、常にトレッド面をうまく路面に追従させているような安心感があったのが記憶に残るところ。
スラローム的な走らせ方をすると、ショルダーよりセンター部分の負担が大きそうな印象もあるほど。このあたりの、おそらく考え方の変化は、これからのスバル車をかえていく予感。そして、シャシーの基本設計は変わっていない中での味付けの変化ということは、チューニング的な視点からすると、アームの変更などでも、同様の変化を実現できるのかどうか、気になるところであります。
●ホンダ「i-DCD」の進化
2014年はホンダ・フィットのリコール連発が、ある意味で話題でありました。そして、リコール対策後のフィットハイブリッドは、もろもろの対策のせいなのか初期モノよりもギクシャク感が強まっていて、いかにも1モーターハイブリッドの悪癖を感じさせるものでありました。が、ほぼ同じパワーユニットを搭載しているはずの「グレイス」のハイブリッドシステムには、そうしたギクシャク感はなくなり、かなりマイルドかつスムースに走るのでありました。
立ち上がりでつまずいた感もあるホンダ i-DCDではありますが、そのポテンシャルはかなり高いのかもしれません。そんな可能性の芽を、グレイスに感じたのは記憶に残しておきたいところ。
もっとも、レジェンドも前輪駆動についていえば1モーター+DCTのハイブリッドシステムでありますから、本来はスムースなフィーリングを持つパワートレインなのでしょうけれども。
というわけで、いろいろ勉強させていただいた2014年も間もなく終わります。
精進します。
Follow @Ysplanning
長年こんな仕事をしていても、試乗感想を書くのは自分の仕事の範疇では際(きわ)にあるというか、ほとんどオファーがないので、新車に乗る機会もあまりなく。そんな人間の思い出では、参考にはならないでしょうが、あくまで年末に一年を振り返るという意味で、2014年に乗ったクルマから、印象深かったディテール的な部分を記憶のアシストとして記しておこうかと。
なにしろ、物忘れの激しい年齢になっておりますので(汗)。
●スズキ・ワゴンRのエンジン始動マナー
スズキがワゴンRのビッグマイナーで投入したハイブリッド車、「S−エネチャージ」と呼ばれている仕組みは、ISGとリチウムイオン電池を組み合わせたマイルドハイブリッド機構といえるもので、ハイブリッド感はほとんど感じさせないのではありますが、そのスマートなエンジン再始動性は記憶に残しておきたい感じ。
むしろ、軽自動車のアイドリングストップからの再始動マナーが、このレベルだと捉えると、全体のハードルがあがった感もあるのでした。
●マツダ・デミオのリア接地性
クリーンディーゼルの搭載、走り重視のパッケージングなどなど玄人筋の評価が高いマツダ・デミオでありますが、個人的に目からウロコ的な感じで、記憶に留めておきたいと感じたのはリアの接地性。コンパクト系のFWD車ですが、イメージ以上にリアをドッシリとさせておくことで、いろいろ乗りやすさにつながっている模様。
そうした特性を活かすには、運転のイメージを変えたほうがおもしろそう(むしろAWD的なイメージ)と感じたのでありました。ノーズが重いのではなく、プッシュアンダー的な挙動と捉えて乗りこなす的な話というと誤解を招くでしょうか……。
●新世代スバル車のフロント接地性
おそらくレヴォーグ以降の、WRXやレガシィのシャシー共通の特徴として感じたのは、フロントタイヤの使い方がコロッと変わったこと。それまでに比べて、旋回時にタイヤのショルダーを使わないようになっている印象で、ストロークしてもキャンバー変化が少ないというか、常にトレッド面をうまく路面に追従させているような安心感があったのが記憶に残るところ。
スラローム的な走らせ方をすると、ショルダーよりセンター部分の負担が大きそうな印象もあるほど。このあたりの、おそらく考え方の変化は、これからのスバル車をかえていく予感。そして、シャシーの基本設計は変わっていない中での味付けの変化ということは、チューニング的な視点からすると、アームの変更などでも、同様の変化を実現できるのかどうか、気になるところであります。
●ホンダ「i-DCD」の進化
2014年はホンダ・フィットのリコール連発が、ある意味で話題でありました。そして、リコール対策後のフィットハイブリッドは、もろもろの対策のせいなのか初期モノよりもギクシャク感が強まっていて、いかにも1モーターハイブリッドの悪癖を感じさせるものでありました。が、ほぼ同じパワーユニットを搭載しているはずの「グレイス」のハイブリッドシステムには、そうしたギクシャク感はなくなり、かなりマイルドかつスムースに走るのでありました。
立ち上がりでつまずいた感もあるホンダ i-DCDではありますが、そのポテンシャルはかなり高いのかもしれません。そんな可能性の芽を、グレイスに感じたのは記憶に残しておきたいところ。
もっとも、レジェンドも前輪駆動についていえば1モーター+DCTのハイブリッドシステムでありますから、本来はスムースなフィーリングを持つパワートレインなのでしょうけれども。
というわけで、いろいろ勉強させていただいた2014年も間もなく終わります。
精進します。
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