クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2014年09月

欧州ユーザーのために開発されているイギリス産シビック・タイプR


 『新型シビック・タイプRは、ヨーロッパのドライバーのために、開発・設計されています』

間もなく開幕するパリ・モーターショーにてシビック・タイプRコンセプトの第二弾が発表されるようですが、ホンダUK発のリリースに記されていた一文をツイート。もちろん、仕向地ごとのポジショントークでもありますので、鵜呑みにすることもありませんが、次のシビック・タイプRは欧州市場がターゲットなのは間違いないところ。

そもそも、欧州シビック自体、もはや日本では作っておらず、イギリス・スウィンドンの工場で生産しているので、欧州向けの専用モデルという言い方に違和感ないところではありますが(汗)

The car will be built at Honda’s state-of-the-art plant in Swindon, UK, arriving in dealerships during 2015.


おそらく、日本への輸入もあるであろうタイプRが気になるのは当然として、むしろ日本導入はなさそうな、欧州シビックがマイナーチェンジしているという情報も気になるのでありました。

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基本的なフォルムはそのままに、ディテールでのマイナーチェンジですが、21世紀のスポーツ・シビックという印象。最近のヒューマンインターフェイス指向からすると、ゴチャゴチャしたコクピットも健在であります。


おそらく、ホンダの規模として、このシビックを国内生産をできるほどの市場(セールス)が期待できないのでしょうが、最近のマツダ車がクルマ好きクラスタから支持されている様子を見るに、欧州シビックも国内でそれなりに存在感を発揮しそうな予感もあり。

マザー工場として、多品種少量生産の実践例として、寄居ファクトリーあたりで、このシビックを作ると面白いことになりそうと、無責任に想像する今日このごろでもあります、ハイ。 

【画像・ツイート 追記】

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排ガスさえクリーンになれば、と思い続ける、あの一台

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247万円(メーカー希望小売価格)で、レザーシートというフィエスタ・1.0エコブースト。世界一の評価を受ける3気筒ダウンサイジング・ガソリン直噴ターボに、6速DCTというパワートレイン・パッケージでありますから、フォードの販売網というウィークポイントはあるものの、かなり魅力的な一台であることは間違いないのでしょう。
「フィエスタ 1.0 EcoBoost Leather Package(レザーパッケージ)」は、専用となる本革シート(前席シートヒーター付き)を与えながら、標準モデルから約5万円の価格アップにとどめた、お買い得感のある特別仕様車です。
ただ、このモデルについて、まったくもってオススメしようという気にならないのは「エコブースト」という名前にもかかわらず、2つの問題を感じているから。

一つは、排ガスのクリーン度。車両型式の最初にくる三文字のアルファベットが「ABA」となっていて、いまどきの環境性能としては最低限のレベルというのは、エコ(ロジー)ブーストではない感じ。

そして、二つ目。指定燃料がプレミアムガソリン(ハイオク)ですから、今度はエコ(ノミー)ブーストとして納得いかない感じ。

もっとも燃料については、少々リタード(点火時期を遅らせる)でしょうが、レギュラーガソリンを入れても走るのだろうとは思うところで、それほど問題視するつもりはありません。

ですが、世界で評価されるダウンサイジング直噴ターボの排ガスレベルがABAというのは、納得いかないところ。もちろん、排ガスレベルが低いということはエコカー減税の対象にもならないわけですし、そんなクルマを「これぞ世界基準のエコカー」とは言い難いというイメージがなかなか払拭できないでいるのでした。

シレっとでいいので、排ガスレベルをDBAに進化させてくれないものか、期待はしているのですが……。 できれば、モード燃費にしてもVWポロと同レベルにはなってほしいところではあります。実用燃費にすぐれるといっても、ザ・ビートル・カブリオレ(17.6)とほぼ同等の17.7km/Lというカタログ燃費ではあまりにも寂しいので。ちなみに、ビートルカブリオレもポロも排ガスレベルは、もちろんガソリンエンジンとしては最良の「DBA」でありますし。

新型デミオのmyフェイバリットグレードはXDの……



といった具合に、フラットな視線(のつもり)で試乗感想記事を書かせていただきましたが、個人的な新型デミオへの感想というか、「もし買うなら、どのグレード」という仮定でもろもろ考えてみると……。


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つまり、自分の好みだけで選ぶベストバイ・グレードは何になるだろうかという妄想話。

とはいえ、現時点で新車を買おう、Bセグを買おう、という感情はまったくないので、具体的に購入を検討するといった条件ではありません。あくまでも新型デミオを買うなら、という仮定でのお話であります、あしからず。

もっとも、新型デミオのすべてに乗ったわけではないので、触れる機会のあった中でもっとも好みだったグレードという話でしかないわけで、重ねてあしからずであります。

現時点で試乗経験あるのは以下の4グレード

13S Lパッケージ(ガソリン・AT・15インチ)
XD(ディーゼル・AT・15インチ)
XD ツーリング Lパッケージ(ディーゼル・AT・16インチ)
XD ツーリング Lパッケージ(ディーゼル・MT・16インチ)

ガソリンについてはATしか乗れていませんが、現時点で自分がデミオを買うならばディーゼル一択。そこについては、出来がどうこうは関係なく、2014年秋の市場環境からの選択であります。ディーゼルが圧倒的に優れているというわけではなく。むしろBセグらしい軽快感ではガソリンのデミオに利ありなのですが、やはりライバル不在のディーゼルを味わいたいところ、であります。

まずは、結論。トップの画像で示しているように自分が選ぶなら素のXD、トランスミッションはATでキマリ。

エコドライブを楽しむことを考えると、MTも捨てがたしでありますが、MTはドライビングファンよりもエコドライブ性を優先した味付けと感じたといいますか、端的にいうとATより遅いのであります。パフォーマンスと燃費性能が、それなりにトレードオフ関係にあるとして、ATはパフォーマンス寄り、MTは燃費性能寄りというキャラクター分け。せっかくディーゼル ”ターボ” を選ぶのであればパフォーマンスを味わいたいところ。

そして、ディーゼルのトルクを味わうなら、ATをカチャカチャとイジらずにDレンジでお任せにしておくほうが良いだろうなというのが第一印象。すなわち、パドルシフトは不要と判断(必要となればATのシフトレバーでシーケンシャル操作も可能ですし)。もともと個人の趣味としたパドルシフトが好きではない(ジャマに感じる)のでもありますが……。

というわけで、装備面から絞っていくと、ツーリングでもLパッケージでもないXDがもっとも好みに近い設定なのであります。その中でも、最大の決め手となるのは、メーターパネル。

上級グレードはセンタータコメーターですが、XDはセンターが速度計で、タコメーターはデジタル表示。ATを前提とすればタコメーターは、ほぼ不要ですし、なによりタコメーターの針の動きが刺激的な類のエンジンではないので、大径タコメーターはドライビングファンを演出する要素としては逆効果? という印象ですので……。

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Broadcast live streaming video on Ustream

マツダのクリーンディーゼル、1.5と2.2は別物?!

マツダ4代目デミオ、欠点が見つからないクルマ  といったエントリーもあげましたが、欠点が見つからないのは、あくまで走っているときであって、ラゲッジの使い勝手など、スタイリング優先なのかもしれませんが、残念に感じる部分はあり。そして、当然ながら、欠点がないというのは、あくまでもBセグメントとしての自分なりの期待値を超えているかどうかであって、自動車としての絶対性能という話でもありません。あしからず。

30.0km/Lというモード燃費が話題の1.5リッター4気筒クリーンディーゼル搭載グレード「XD」にしても、MT車はドライバビリティより燃費性能を重視したのだろうな、と思う瞬間もありますので、完全に走り重視のMTディーゼルというわけではないですが、燃費重視のモデルとしては期待以上のパフォーマンスであれば、やはり欠点(マイナス要素)は見つけづらいという話になるわけでして。

それはさておき、デミオのクリーンディーゼル「S5-DPT#」は、なんというか単に2.2リッター4気筒ディーゼルのダウンサイジングではなく、かなりオリジナルな設計を受けた別物というのに驚くばかり。正直、どうやってコストを吸収するのか、どのようなコスト計算なのか気になるのでありました。

先日の取材で驚いた(事前発表もありましたが)のは、ピストントップの形状さえオリジナルになっていること。エンジニアが多忙につき、現地での取材はまったくできなかったので、「見て感じる」ことしかできませんが、なるほどトップ形状は異なります。これだけボア径も異なるということは、燃焼の解析などは別に行なう必要もあるでしょうし、その結果としてピストン形状が、それぞれ専用になったということでありましょう。なんと、まあお金(開発費)がかかっていることでしょうか。

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こうなると、2.2リッターのモジュール設計として3気筒版として作ったときに、どこまでコストダウンできるのかは気になりますが、それこそ空論であります。ただ、仮にピストンやヘッド周りを共通化するモジュール設計の3気筒ディーゼルとしたときに車両価格をそれなりに下げられるとすれば、そうしなかったことはディーゼルモデルの欠点なのかもしれません。

ハイブリッド(アクアやフィット)と同等か高価というのがデミオ・クリーンディーゼルの価格帯で、商品性としては残念に感じる部分でありますので。もちろん、4気筒ディーゼルにしたからこそ走りの面での欠点が少ないのでもありますが。


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売れてるアクアではなく、なぜプリウスがやり玉にあがるのか?

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たしかにプリウスはモデル末期といえるこのタイミングでも驚くほど売れていますが、いまや日本国内市場での最多量販モデルといえばアクア。2014年8月、軽自動車を含めても最も売れたモデルでもあります。

しかし、いまだマナーの悪いドライバーonハイブリッドカーというと、「プリウスが……」と云々されるケースが多いよう。もちろん、新車で売れている数=世の中に存在している数ではありません。プリウスはモデルとしての歴史もあります。2013年末の数字でいえば、日本国内におけるプリウスの累計販売は約141万台で、アクアは約53万台でしかありませんから。ただ、プリウスにしても累計販売のすべてが、そのまま市場に残っているわけではありませんけれども。

それはともかく、ハイブリッドでマナーに欠けるドライバーがことごとくプリウスに乗っているというのは不自然だと思いませんか?


マナーの悪い運転を行なうトヨタハイブリッドの象徴としてプリウスという名前を使っているのか、それともアクアに乗っているとしないようなマナー違反をプリウスに乗っているとしてしまうようなハードウェアや車格由来の何か違いがあるのか、さらに話を広げると、トヨタのフルハイブリッドでは起きるマナー違反が、他社のハイブリッドでは起きづらいのか?

そもそも、本当にそうしたマナー違反はクルマによって起きるのか、クルマの選択傾向とマナー違反はリンクしているのか。

あくまでも与太話ではありますが、社会心理学としておもしろいテーマだと思ってみたりする昨今なのでありました。

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画像2
 
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Bセグメントのベンチマーク? VWポロの意外な満足度


クルマ好きには評価の高い、中には「Bセグメントのベンチマークである」とまで評価する向きもあるフォルクスワーゲン・ポロ。あらたに4バルブヘッドの後方排気レイアウトのターボエンジンを搭載した最新モデルをちょい乗りする機会に恵まれたのでした。

1.2リッターSOHCターボ+7速DSGのパワートレインを持つザ・ビートルを愛車にしていますから、このパワートレインには期待もありましたし、VWのテイストに乗り慣れている部分もあるので、少々厳しい見方をするかも、とは事前に思っていたのではありますが、期待が高過ぎたのか、ちょっと満足度低しだったのは、自分自身として意外な結果。

たしかに、Bセグメントとしては高級感を演出する「しっとり感」はハイレベルなのかもしれませんが、そこにフェイク臭があるのが気になるところであり、期待値に届かないと感じた大きな理由。

ベンチマークというくらいですから、高級感の中に「真に高級」であるファクターを求めてしまうのですが、どうにも表面上の演出が色濃く、ちょい乗りでは、本当の姿が見えづらいのでありました。そして、ときおり垣間見える本質に、「しっとり」ではなく「ザラザラ」といったムードを感じてしまったのも正直なところ。

たとえるなら、ガサガサの唇に、リップクリームとグロスをのせて、プルプル・ウルウルに見せているようなイメージ。

いや、たしかに自分の愛車であるザ・ビートルと同等の車格を感じさせますから、ワンクラス上の乗り味を実現しているのは間違いないのでしょうが……。そんな感じの、なんとも、しっくり来ない、初ちょい乗りだったのは、先日マツダ・デミオに触れてしまったからでしょうか。

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なかなかフラットに見るというのは難しいものです。

精進します。

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