クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

YouTubeチャンネルで動画を公開しています。チャンネル登録よろしくお願いします。お問合わせや情報などは、こちらのアドレスまで ysplaning@gmail.com   Instagramでも情報発信しています   Facebookページ随時更新中 noteで無料&投げ銭方式のコンテンツを公開しています。

2014年07月

100年前のアメリカンV8「キャデラック タイプ57」



アメリカのビンテージカー、ヒストリックカーをきちんと保存しようという政府も絡んだプロジェクトにおいて、「キャデラック タイプ57 U.S 1257X」という個体が選ばれたという発表あり。

http://media.gm.com/media/us/en/gm/news.detail.html/content/Pages/news/us/en/2014/Jul/0723-cadillac-v81-gm.html

第一次世界大戦で戦地にも赴いたという、この個体は1918年製ということですが、GMのアナウンスによると、このモデルに搭載されているV8エンジンは、キャデラックとして初の量産V8ということで、ヒストリック性よりも、100年前の設計というエンジンが気になるのでありました。

 1918 Cadillac Type 57 v8_engine

樹脂パーツだらけのエンジンを見慣れた目からすると、画像だけでは金属の塊にしか見えないかもしれませんが、スパークプラグらしきものが片バンクに4本確認できるので、たしかにV8なのでしょう。

そして時代的にサイドバルブ・レイアウトとなっているはずですが、画像を眺めていても、そうした構造がまったく思い浮かばないのでもありました(汗)

ところで、このキャデラック タイプ57は、7人乗りだったそうで、いま風にいうと「7シーター・コンバーチブル」でしょうか。

そう書くと、ミニバンの屋根なし仕様のようでなんとも不思議なプロフィールになりますが、なにせ100年前の話ですから……。

とはいえ、GMのリリースには、当時からV8エンジンは全長を短くできる(おそらく直6エンジンに対して)というのがアピールポイントだったとありますが、それは現代においてもいえること。変わるトレンドもあれば、不変といえるセオリーもあるということでしょうか。

その個体におけるヒストリーだけでなく、そうした視点もヴィンテージカーを見る楽しみでは? などと思う2014年夏。

精進します。
1918 Cadillac Type 57

In 1914, Cadillac became the first manufacturer to mass produce V-8-powered automobiles. The compact design of the Cadillac V-8 enabled the overall frame length to be shortened by 10 or more inches, making the car more sturdy and easier to handle. In 1917, Cadillac participated in a U.S. Army, 2,000-mile competitive endurance run in Marfa, Texas. From its performance, the V-8-powered Cadillac was selected as the “standard seven-passenger car of the U.S. Army.”

自動車保険の支払いが増えているのはなぜ?

というニュースを見ての違和感は、日本における交通事故の発生件数もけが人の数もこのところ減少傾向にあるから。重傷者率も年々下がっているので、件数は減ったけれど治療費は高騰しているともいえなさそう。

jiko2014
※出典:平成24年中の交通事故の発生状況(警察庁交通局)



もちろん、この事故データには任意保険の加入・未加入は考慮されておりません。ですから、事故を起こすひとは保険加入率が高く、いわゆる任意保険の加入者における事故件数は増えているのだ、という主張もありえるかもしれませんが、ここまで事故件数が減っていると、それは不自然な主張といえそう。


と、つぶやいたところ、2003年から2012年にかけての保険加入率のデータをお教えいただきまして。
それによると対人・対物は70%あたりで安定しているものの、搭乗者保険は61%から43%へ減少、そして車両保険は35%から42%へと増えております。



いずれにせよ、高齢化により事故件数が増えているから保険支払いが増えているという論調は、そもそもの事故件数が激減していることからも数字的には違和感あるものなのであります(感情的には納得できそうなのが紛らわしい感じ)。

ただし、飛び石によるフロントウインドウの修理、駐車場でぶつけたなど車両保険でカバーされる修理案件については交通事故にカウントされないので、そのあたりの数字は気になります。

そして、むしろ保険業界には、事故一件あたりの支払い額推移などのデータを提示してほしいところ。その上で、修理代の安く済む車種ほど車両保険料を低くすれば、ユーザーのクルマ選びに対して新しい指針となるのでは? すでに欧州の一部では、そうしたユーザー目線もあると耳にしたことありますし……。

優先順位としては当たり前なので否定する話ではないと前置きしますが、人間を助ける衝突安全ボディは、クラッシャブルゾーンが大きく、修理が高額になりがちな印象はあり。歩行者保護の問題もあるので、ボディ外側は潰れやすくなっていくのがトレンドで、それが保険支払の高騰につながっている可能性も考えてしまうのでありました。しかし、だとすれば保険料の高騰は致し方ない事象ともいえそう。

ただ、それでも実際の数字では圧倒的に減っている事故件数を理由に保険料を値上げするのは腑に落ちない話であり、高齢化を理由にするのも、なんだか誤魔化しではないかと思ってしまう今日このごろなのでした。

マツダRX-8のモータースポーツといえば土!



全日本ラリーJN1クラスにRX-8が有力マシンとなっていて、近々の第5戦でもクラス優勝しているほどですが、世界のダートで活躍するRX-8がいたのです!

FIA 世界ラリークロス選手権(WRXについては以前にもエントリをあげていますが、そのツーリングカークラスの動画でRX-8を発見。しかも過激な走りで優勝というから驚き。


詳細不明で、カラーリングからしてプライベーターでしょうが、なんともマツダ愛が感じられる仕上がり。

RX-8の「RX」をラリークロスにかけたのかどうか、いずれにせよ要注目のマシンでは?!

 wrx_rx8

結局、次世代ATは多段・大変速比幅のステップATに落ち着くのか?

世の2ペダルといえば、トルコンと遊星歯車からなるステップATが大部分を占めていて、そして5速がせいぜいだった時代に、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)という提案があったときにはインパクトがありました。

一方、小排気量車においては、3速ATが主流でシフトアップ&ダウンでの段付き感が大きかったという中で登場したベルト式CVTには、その独特な加速感も含めて、ミライを感じたものでありました。

トランスミッションの役割を一言で表現するのは難しいと思うほど、様々な要件が求められるわけでですが、シフトでのロスタイムも含めた伝達効率ではDCTが有利だと思ったものですし、エンジンのスウィートスポットをはずさないという最適な変速比でいえば、CVTが最適解と感じものでした。

それから10余年。いつの間にか、DCTとCVTのクルマを所有する自分ではありますが、現時点での印象でいえば、逆にステップATが優勢になっていると感じる日々なのです。

前述した 伝達効率 変速比の最適化 という条件でいえば、ステップATが有利とはいえないのでしょう(不利ともいえませんが)。しかし、燃費性能を考えると、 変速比幅の広さ ユニットのコンパクト化・軽量化 といったファクターの重要度は増すばかりで、後者の要件におけるステップATの優位性がどんどん実感できる昨今といったところでもあるのです。

変速比幅(レシオカバレージ)を広くしながら、エンジンのスウィートスポットをキープするには、CVT以外では多段化が必須なわけですが、遊星歯車の組み合わせによって多段化が可能なステップATは、変速数だけギアが必要なDCTよりはコンパクトかつ軽量になるわけで。そしてCVTの場合はプライマリーとセカンダリープーリーの軸間距離が変速比幅に直結すると考えると、副変速機を使うタイプでない限り、変速比幅の拡大はユニットの巨大化につながってしまうことに。

そんなこんなで、いまのところ、ステップATの優位性は覆らない状況という感じなのであります。

もっとも、プーリーのかわりに発電用と駆動用の電気モーターを組み合わせた、いわゆる「電気式CVT」であれば、重量の問題はあるにせよ変速比幅とスウィートスポット維持の両立を可能にしそう。とくにHCCIのようなオイシイ領域が狭くなりがちなエンジンとの組み合わせでは、いま以上に存在感を増しそうな予感もあり。



あらためて結論をまとめれば、近未来のトランスミッションは、変速比幅10以上の多段ステップATでロックアップ領域を広げたものが主流となるだろう、ということ。
そして、優れた熱効率とのトレードオフでスウィートスポットの狭いエンジンには2モーターハイブリッド「電気式CVT」が使われることになるだろう、とも考える次第。

大胆に予想してしまうなら、将来的にはトータルでの高効率という点でDCTもCVT(ベルト式・チェーン式)も過去のシステムになってしまいそう。もちろん、コストや生産性、維持費などから地域によってはMTは残るでしょうし、MTベースのシングルクラッチAT(AMT・RMT)も残るでしょうけれど……。副変速機付きベルト式CVTの進化系といえる、デュアルCVT(メイン・サブともCVT)が可能にするであろう超ワイドな変速比幅の将来性も無視できないところでもあるのでした。

などと妄想する今日このごろ。

精進します。



というわけで、以下はトランスミッション関連画像アルバム。ノーキャプションです、あしからず(汗)

i-mmd_2motor

am_cvt1204001H

jatco_cvt8


Corolla_CVT_50724_2524_low


jatco_ff_hybrid


benz_9g-tronic



FT1309145

FT1309144



IMG_1139


IMG_1062


schef_dct

画像1

2015-GM-AutoTrans-8spdCorvette-001


VW_beetle_7dsg


_MG_0519
 
2012-06-21_9-Gang-Automatgetriebe_ZF

zoom_b1_9hp_paket


2012-GM-Atrans-6T70

 

精進します。





WRX S4とは、スバルの四駆を代表する名前?

WRXS4_teaser

非STIのスバルWRX、すなわち日本でいうと、レヴォーグセダンともいえるメカニズム、プロフィールを持つニューモデル、その名前が「WRX S4」となることが正式発表されたのでした。

発売は2014年8月25日。




これまで北米やタイのモーターショーでは赤いボディをイメージカラーとしたきたスバルWRX、日本ではS4というサブネームをつけたことで、異なるキャラクターをアピールするともいえそう。


ブルーボクサー+アイサイト(ver3)というのがセールスポイントらしいのですが、環境と安全をアピールするのであれば、赤ではなさそう。かといってブルーというのはスバルの場合はちがうイメージでありますし、果たしてどんなイメージカラーを示してくれるのか、興味をひかれるところ。

それはさておき、名前の『S4』とはスバルの四駆というわけではなく、、“Sports performance”、“Safety performance”、“Smart driving”、“Sophisticated feel” という4つの「S」を具現化したことが由来だそうで。

こうしたコンセプトを眺めていると、やっぱり赤でも青でもない新しいイメージカラーを期待してしまいます。

とはいえ、メタリック系グローンだとXVハイブリッドで示しているように環境寄りの印象が強くなりますし、情熱の赤を薄めたピンク色だとクラウンとカブってしまいそう。オレンジも捨てがたいのですが、STIのスペシャルモデルで使ったばかりですし……いっそパープルなんて想像してみたり(汗)


画像1


Pink_crwon1308_01
WR13706s

DG014_029CL__mid


それはさておき、S4といえばアウディのスポーティグモデルも思い浮かぶわけですが、エンジン縦置きの4WDというパワーパッケージも共通ですし、果たして競争になるのかどうか。そして、S4というサブネームを日本国内で使うことができた理由など、今後のリサーチ課題となりそう。


そして、車格は異なるものの、このタイミングで姿を表したマツダ・デミオと名前を公表したスバルWRX S4。その注目度ではライバル関係となっている模様。
何にしても話題になるクルマが出てくるのは、ありがたいことです。


精進します。

タービンハウジングを水冷というミニの3気筒エンジン

img_2014_07_15_turbocharger_en-data

こちら、BMWミニの3気筒エンジン(1.5リッターターボ)に採用されているという、コンチネンタルのターボチャージャーを示したもの。

なんと世界初のアルミニウム製タービンハウジングなのです!

タービンハウジングですから、吸気側ではなく、排気側のことでありまして。エンジンベンチの映像などで、真っ赤になっている、あの部分をアルミニウム製として軽量化を図ったというのがニュース。

アルミニウム製では溶けてしまうのでは? と思うところですが、単純にアルミに素材置換したのではなく、エキゾーストマニホールド部分と一体化されたタービンハウジングは、その中にウォーターラインを設けて、水冷化していることで、軽さと耐熱性(温度上昇を防ぐ)を両立しているそうでであります。
The coolant flowing through this jacket ensures that the external housing surface does not get hotter than 120°C (248°F) and the internal temperature does not exceed 350°C (662°F)

その表面温度は摂氏120度以下に保たれるそうですから、なるほどアルミでも問題ないでしょうし、もっといえば周辺の熱害対策的な意味でも有利といえそう。

今回は直列3気筒エンジンとの組み合わせということですが、たとえばV型エンジンでバンク内にタービンを配置するようなレイアウトでも優位性を示しそうな予感、なのでありました。

そして、こうしたユニークなメカニズム、新アイテムを使っているとい話題だけで、ミニ・クーパーが欲しくなったりするから不思議なものというか、なんとも変わった趣味と申しましょうか(汗)


201311-P90139193-zoom-orig

それにしても、ターボチャージャー周辺の熱トラブルを解決するコンチネンタルのソリューション、これはかなり広範囲に評価されそうで、パテント次第では他のサプライヤにも拡大しそうな予感なのでした、ハイ。


【コンチネンタルのプロモーションムービー追加】
記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ