クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2014年06月

ポルシェ・ワークス、ル・マンは16年ぶりのワークス参戦だった

耐久王「ポルシェ」に新時代始動というムービー、しかし思い出すのは……というエントリをあげたこともありましたが、2014年のル・マンの結果が出た段階で、ポルシェがあらためて、彼らのヘリテージを振り返る5分半のムービーが公開されていたのでした。

Porsche Heritage - The Spirit of Le Mans


Witness the history of Porsche and Le Mans 24 Hours through its priceless racing cars that are exhibited at the Porsche Museum in Stuttgart, Germany. Some clips were taken in Museum Depot that has never been shown to the public.

あらためて、ポルシェのル・マン(WEC的なイベント)の歴史を振り返ると、強さや速さと外観のリンクがわかりやすかった時代を駆け抜けてきたのだなあ、と再確認。

Porsche and long-distance racing


個人的にはスーパーカー・ブームの記憶もあってか、935に惹かれるのですが、たしかにル・マンで4度の勝利をもぎ取った956は機能美の好例といえる機能と外観でありましょう。

もっとも、956がわかりやすいと感じるのは、直感的には違和感を覚えるような造形に空力の正論があったり、パッケージのためには小さいエンジンを積むことが正義だったりする時代に適応できないロートルであることの再確認なのかもしれません……。


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ところで、ポルシェとル・マンの関係は切っても切れないというイメージもあるかもしれませんが、総合優勝を狙えるクラスでのワークス参戦は16年ぶりだったそうで、個人的には意外に思うくらい長いブランク。そして、16年前ということは、例の浮いてしまった911・GT1以来のワークスマシンということなのでしょう 。そして、21世紀になって最初のワークスマシンがハイブリッドという事実。いろいろ絡めたストーリーが描けそうな予感もありますが、しっかりとまとめるのは難しいそうでもあります、ハイ(汗)

HKSがスバルBRZに不等長エキマニを作った……

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こちら、先日の取材で拝見したBRZのエキゾーストマニホールド。

かつてボクサーエンジンの象徴ともいえた左右で長さの異なるパイプは、しかも左右で太さも異なる(短いほうが微妙に絞ってある)という様子を見れば、これが数値的に性能だけを求めたものではないのは明白。

実際のパフォーマンスではノーマルを上回っているということですが、それでもチューニングアップというよりは、自分好みのカスタマイズを行なうというマインドで生み出されたパーツであって、こうしたアソビが生まれてくる時代になったのだなあ、と感慨ひとしお、なのでありました。

その開発秘話などは、こちらのペーパーメディアに掲載させていただきましたが、こうしたアソビココロあるパーツは社長のアイデアによって生み出されたというのも驚き。さすが、ユーザーマインドに近いところで長年トップを走り続けているメーカーならではだな、と思わされたのでもありました。
 

そうそう、このボクサーサウンドを味わえる不等長エキゾーストマニホールドを生み出したのは、ニッポンのチューニングシーンで圧倒的な存在感を放ち続けるHKS。取材させていただいたのは、コチラのパッケージで、気になるサウンドもYouTubeにて公開されております。ご視聴あれ!

レヴォーグ、もともと全長はBPと同じだった?!

北米をはじめグローバル向けのボディサイズへと6代目レガシィを進化させると、国内市場と齟齬が生じてしまうので、それに対応する的なマーケティングから生まれたのが国内専用ステーションワゴンの「レヴォーグ」というのは、いわゆる公式見解で、あらゆる自動車メディアで見かける、もはやレヴォーグの定番紹介となっております。

そして、レヴォーグは4代目レガシィ ツーリングワゴン(BP型)の後継モデルというのは裏テーマというか、もはや、すっかり表に出ている話だったりもします。


先日「スビー」という媒体(2014.6.28発売)の取材にて、レヴォーグの開発プロジェクトゼネラルマネジャー氏のインタビューに同席する機会があり、もともとレヴォーグの全長はBPレガシィと同じ寸法だったということを知ったのでした。しかもBPよりホイールベースは短くなっているわけで、たしかに国内向けのサイズなのだなあ、と再確認した次第。


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当初の設計が見直され、実際にはBPより10mm長くなったそうですが、大雑把にいえば、レヴォーグのボディサイズは、4代目レガシィ(BP)の全長に、5代目レガシィ(BR)の全幅を組み合わせたもの。そう理解すると、生い立ちというかコンセプトが直観的に理解しやすいのでは?


というわけで、詳しくは誌面をご覧いただければ幸いです(汗) 


 

アウディの電動ターボ・ディーゼル、注目は48V電装系?



アウディがRS5 TDIコンセプトなる、ディーゼルスポーツクーペの提案。

The RS 5 TDI concept technology study is powered by an enhanced-output V6 3.0 TDI biturbo boosted by an electrically driven turbocharger.
いまさらディーゼルのスポーツ性をアピールするといわれても当たり前すぎて、それほど驚くような新鮮さはないものの、発表された文言で気になるポイントは『biturbo boosted by an electrically driven turbocharger』という部分。すなわち「過給はツインターボ、片方は電動ターボ」というわけ。

個人的に、スポーツクーペに積まれるディーゼルエンジンにおいてターボラグを消す必要があるのかどうかは微妙に感じるところですが、電動ターボという言葉の響き、そのテクノロジーとしては興味津々。

で、どのようなレイアウト、形状の過給装置を電気で動かしているのかはアウディのリリースだけでは不明なのでありますが、とりあえず48V電装系の一環としての電動ターボということのようで、マイルドハイブリッドとの組み合わせ、回生エネルギーを利用した過給ということで、萌ポイント多しといった印象で期待大なのでありました。
Recuperation is the primary source of the drive energy for the electric turbocharger. To transmit this energy, the RS 5 TDI concept uses a separate 48-volt electrical system that is connected to the conventional 12-volt electrical system via a DC/DC converter. The energy is stored in a compact lithium-ion battery. The advantage of 48-volt electrical systems is that they enable the transmission of larger amounts of energy. This makes them an important milestone in the Audi electrification strategy.


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参考までに、Cd値は0.32、CdAは2.18平方メートル、だそうです、RS5 TDI コンセプト。

https://www.audi-mediaservices.com/publish/ms/content/en/public/pressemitteilungen/2014/06/21/the_audi_rs_5_tdi.html

GRC仕様のザ・ビートルはテンロク544馬力!

560馬力のザ・ビートル! グローバルラリークロス仕様 、というエントリを以前あげたのでしたが、いよいよ詳細が判明というか、まっさらなGRC(グローバルラリークロス)仕様ビートルが公開されております。

エンジンは1.6リッターターボで、最高出力は544馬力ということで、詳細不明ながらポロのWRCマシンに使われているGRE(グローバルレースエンジン)のリストリクター・レス仕様であろうと思われるのですが、さて?

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そして、公開された外観で気になるのはリアフェンダーの設けられた巨大なインテークダクトと、トランクリッドの開けられたアウトレット。

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WRカーのパワートレインを、まさか逆さにしてリアエンジンのAWDにしているという手間はかけていないでしょうし、おそらくラジエーターをリア置きにして重量バランスの最適化を図っているのでしょうが、こうした点でもWRカーではレギュレーションなどで手を出せないところまで理想を追いかけているという感じ。

だとすると、エンジンだけでなく駆動系も含めたパワートレイン全体がWRカー譲りで、しかも制限されていない”のびのび”仕様の可能性もあって、まさにGRCカーはダート最速マシンといえそう。

The car uses an all-around strut-type suspension, with ZF dampers and about 9.1 inches of travel to cope with the rigors of the off-road portion of a rallycross course. The car has 14.0-inch diameter front and 11.8-inch rear vented disc brakes, with four-piston aluminum calipers. The 17-inch wheels are shod with 240/640-R17 Yokohama competition tires.

ちなみに、サスペンションは四輪ストラットになっているということで、シャシー周りにもWRカーのノウハウが活かされているという印象。

アメリカというマーケットにおいてフォルクスワーゲンがプロモーションしたいモデル、イメージチェンジになるモデルということが、ベース車選びに影響しているとはいえ、ビートルのダート最速マシンであれば、バハ的なイベントにもチャレンジの幅を広げていきそうな予感ありなのでありました。

 

厚化粧? スバル・レヴォーグのデザイン代は片側20mm以上!?

ついに? ようやく? ともかく、長いティザー期間を経て、ついにセールスのはじまったスバル・レヴォーグ。そのスタイリングは割合に高評価を受けているようですが、その理由のひとつをスペック(寸法)を見ていて実感。

lv14415

ホイールベースこそわずかに伸びていますが、レヴォーグの基本設計(プラットフォーム)は、インプレッサと同じなはず。ですが、スリーサイズはインプレッサより大きくなっております。

インプレッサ スポーツ・スリーサイズ
全長:4415mm
全幅:1740mm
全高:1465mm

IM13X03


ただし、室内寸法はインプレッサとレヴォーグで同じ。

室内長:2005mm
室内幅:1490mm
室内高:1205mm 

室内寸法が骨格の内側によって決まるとすれば(内装材の違いを無視して) 、骨格から表面までの厚みが2台のボディサイズを異ならせているともいえそう。

全長については、リア・オーバーハングを伸ばしているので比較しようもないものの、全幅で比べるとレヴォーグはインプレッサに対して片側20mmほどスキンが厚くなっているという見方ができるわけ。

すなわち、この数字からは「デザイン代」と呼ばれる骨格から表面までの余裕を、レヴォーグのほうがとっていると判断できそう。

もちろん、インプレッサにしても「デザイン代」をとっているわけですから、インプレッサのデザイン代+20mmともいえそうで、感覚的にはレヴォーグのデザイン代は倍以上ありそうな印象。

たしかに、それだけ余裕があればデザインコンシャスなスタイリングになるわけだし、全幅1780mmという数字ほど幅広に見えないのは、そのあたりの事情も関係しているのだろうな、と思うのでありました。

levorg14406
 
とはいえ、骨格と表面の厚みのすべてをデザイン代としているわけではなく、レヴォーグの特徴的なリアフェンダーの内側には、サスペンションタワーを支えるガゼット的な鉄板が追加されていたりするので、単なる厚化粧というわけではないのでしょう、あしからず。 
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