オートチャイナでワールドプレミアしたレクサスNXは、トヨタとしては久しぶり、レクサスとしては初めてのガソリンターボエンジンを搭載しているグレードがあることで注目しているのですが、気になるメカニズムはそれだけではないのでした。
山本晋也 【Yamamotosinya】@Ysplanning日本仕様の諸元発表! LEXUS、コンパクトクロスオーバーSUV「NX」をワールドプレミア | トヨタグローバルニュースルーム http://t.co/qasyRszS0p
2014/04/20 21:23:01
以下の引用(太字は当方で追加)にあるように、ボディの剛性アップにつながる製法と、スタンバイ四駆の制御が気になるところ。
ボディパネルを面で結合する構造用接着剤、従来のスポット溶接に比べて打点間を短くできるレーザースクリューウェルディングなど、LEXUSのボディ生産技術を導入し、走行性能全体のベースとなるボディ剛性を向上させるとともに、サスペンション類の高剛性化も実現
NX200t(AWD車)には、前輪駆動状態と4輪駆動状態を自動的に制御するダイナミックトルクコントロールAWDを採用。旋回時にステアリング操舵量からドライバーが思い描く走行ラインを算出し、車両挙動に応じてきめ細かく後輪にトルクを配分することであらゆる路面でのコーナリング性能を向上。NX300h(AWD車)においても、E-Four新制御により、特に滑りやすい路面におけるコーナリング性能を向上
レーザースクリューウェルディングは、いわゆる線のレーザー溶接ではなく、レーザーによってスポット溶接を行なうというか、スポット増しにレーザー溶接を使うというイメージのテクノロジー。以前、このテクノロジーについてトヨタのエンジニア氏にうかがったところ、一般論として「レーザーによる線状の溶接はキチンとついているかの確認が難しい(意外にくっついていない箇所もある)ので、スポット溶接を基本に、分流によって溶接できない箇所にもレーザースクリューウェルディングでスポット増しをするのは効果的」との説明でありました。
あくまでトヨタ側の主張ですから、その効果やメリット、優位性について鵜呑みにするわけにはいかないでしょうが、分流によってきっちりと溶接できない箇所でもスポット増しが可能というのは、たしかにメリット大という印象は、当時から感じるところで、難しいのは承知の上で、レーザースクリューウェルディングのハンディタイプみたいな溶接機があれば、モータースポーツやチューニングにおける車両製作でも役立ちそう、というのは以前から感じているところであります。
ダイナミックトルクコントロールAWDは、欧州や北米においてデビューしているRAV4と共通のデバイスでしょう、おそらく。速度・舵角・ヨーレートに基づき、前後トルク配分を行なうシステムと書くと高度なものに見えますが、基本的に前輪の100%駆動で、前後100:0~50:50までのトルク配分を行なうというものですから、斬新だ! と大騒ぎするほどのものではないのだろうな、という印象。といいますか、RAV4と同じシステム名を使っていることが意外。ネーミングだけでもレクサス専用にするのかと予想もしておりましたが、これではRAV4のレクサスバージョンというのがミエミエ過ぎるのでは?
そして、レクサスNXの全長は4630mmと、ハリアーの4720mmよりも短く(ホイールベースは両車とも2660mm)、はたして日本仕様としてNXを投入するのかどうか疑問を覚える今日このごろなのでもあるのでした。