クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2013年12月

2013年、個人的に興味津々だったのはトランスミッション

EVやハイブリッドが次世代の主流と言われつつも、まだまだ内燃機関も進化するとという主張もあります。なにが正しいというよりは、適材適所なので、いろいろな技術がそれぞれのマッチングする用途やニーズに合わせて進化するのが機械としての適切な姿でありましょう。なにかひとつの技術が完全な解なわけはありません。

正直、そうした適材適所を無視した議論にはウンザリすることもありますが、エンターテイメントとして、趣味としては、現実を無視したような机上の空論も楽しめるのも事実。そのあたりをうまく使い分けながら次世代のテクノロジーで楽しんできた2013年でありましたし、2014年もそうありたいと思う次第。

というわけで、2013年を振り返ると、自分の中ではトランスミッションのプライオリティが上がった一年であったなあ、と。内燃機関の進化はもちろんですが、伝達システムが進化しないことには、トータルでの環境性能・燃費性能は出せません。

ですから、トランスミッションの重要度はますます上がるだろうし、徐々に自動車のパワートレインを語るときに、トランスミッションの比率は増えていくのだろうな、とも思うところなのであります。

こうした話をすると、トランスミッションの理想形は●●だ! みたいなことになりがちですが、前述したようにテクノロジーというのは適材適所。それぞれの技術にメリット・デメリットがあって、エンジニアはメリットを伸ばし、デメリットを解消するように進化させているので、そもそも論だけでは語り切れません。

単純にDCT、CVT、ステップAT、AMT、MTとわけても、それぞれにメリット・デメリットはあるわけで。たとえば、単体重量が重いユニットは軽量な小型車にはベストマッチといえない面もあったり。似たような話でいうと、小排気量エンジンにはトルクコンバーターのトルク増幅効果があったほうが有利という見方もできたり、というわけです。

さらに、トランスミッションには新技術も続々と出てきています。

国内でいっても、東京モーターショーに出品された「シフトアップにトルク切れなし?! というIKEYAのシームレスAMT」は注目を集めましたし、NEDOの助成事業として京都大学が開発した「変速時の駆動力抜けのない変速システム」も気になるところ。

この京都大学の変速システム、自分の理解でいえば、メインシャフトとカウンターシャフトを同期させるためのギアを持つAMT型のトランスミッションで、目からうろこではありました。もっとも、昨日今日で出てきたものではなく、ずいぶん前から発表されていた技術なので、それに気付いていなかった自分を恥じるばかりでもあります……。


というわけで、2013年たいへんお世話になりました。

2014年も引き続き、よろしくお願いします。


以下、2013年に拙ブログにアップした変速システム関連の画像。数えてみたわけではありませんが、エンジン関係より多くなっているようです(汗)

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しかしながら「電気式CVT」はメディア関係者でも誤解しているので、2014年はもうちょっと明確にしていかないとですよね~、などと思うこと仕切り。もう、枯れた技術の領域に入ってきているとは思うのですが。

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最後に追記的に書いておくと、エンジンの進化が止まったというわけではなく、2013年のトレンドとしてトランスミッションは進化のフェイズだったのに対して、エンジンは普及に向けたコストダウンが進む段階だったので派手さがなかっただけという印象あり。その一例が、日産やスズキ、ホンダのデュアルインジェクター。直噴エンジンのメリットをポート噴射で実現することでコストダウンを図ったテクノロジーという見方をすれば、の話ではあります。

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WTCCマシンも、ずいぶんゴテゴテしてきました。

2014年からWTCC(世界ツーリングカー選手権)に、セバスチャン・ローブを擁して参戦するシトロエン・レーシングのマシンが、どうにもシトロエンに見えない今日このごろ、いかがお過ごしでしょうか。


とまあ茶化してしまいましたが、お披露目された Citroën C-Elysée WTCC が、どうにもシトロエンらしさが薄いという第一印象。レギュレーションに合わせて、ベストを目指しているのでしょうし、カラーリングでシトロエンらしいブランディングをしていくのでしょうが、もうちょっとシルエットとしてシトロエンぽいユニークさがあったほうがマーケティングになるのでは? などとも思うのですが、WTCCがプロモーションの対象としているであろうエリア(東欧・南欧~中東・東南アジア)でいうと、このスタイリングがウケるということなのだと思う次第。

その意味では、シビックWTCCは、ヨーロッパのメインストリームでウケそうなスタイリングで、ブランド力とマーケティングのバランスが、こうした違いを生むのかどうか、気になるところでもあります。

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しかし、2014年のWTCCマシンはずいぶん派手になりました。以前のマシンが市販車ベースというイメージなのに対して、市販車のイメージを残すレーシングカーという印象。もっとも実態としては、たいして変わっていないのでしょうけれど(汗)

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超高張力鋼板を多用しすぎで心配になるボルボ新型XC90のスチールフレーム

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Seven per cent of the safety cage in the original XC90 was made of hot-formed boron steel.
The structure in the upcoming cars built on the new Scalable Product Architecture (SPA) feature over 40 per cent hot-formed steel, which translates into significantly improved strength but without adding mass or weight. The all-new XC90, illustrated in this image, will be launched in 2014.
※太字は当方で追加したもの。

というわけで、2014年に登場予定というボルボの新型XC90がスチールフレームを公開。画像からもわかるように、丈夫なウルトラハイテン(日本でいう強度980MPa級以上の超高張力鋼板)がABCの各ピラー、そしてバルクヘッドの足元付近に使われております。

もはやモノコックというより、このウルトラハイテンの部位を抜き出してスチールケージと呼びたくなる雰囲気さえあって。見方を変えると、いわゆるハンドリングなどに影響する剛性についてはモノコックとしてボディ全体で生み出し、衝突に対してはウルトラハイテンの配置によるロールケージをビルトインした的な設計により担保するのが、いまのトレンドと思う次第。もちろん、ウルトラハイテンは軽量化のために使うのが正しい目的なのでもありますから、ロールケージ的な重量増という意味ではありません。

それにしても、バルクヘッドの下半分・広範囲にウルトラハイテンを使っているのはIIHSのスモールオーバーラップをかなり意識しているという気もしないではありませんが……。


そして、ここまでボディを強くしてしまうと、キャビンが無変形になってしまう対策として、前後のクラッシャブルゾーンで衝突エネルギーを吸収しないと、乗員のG変化が大きくなりそうという心配もありますが、さて?


こちらは2014年モデルのスモールオーバーラップ衝突試験の動画、ご参考まで。

お値打ち! 電車とバスの博物館

東急電鉄の「電車とバスの博物館」を初訪問してまいりました。

入場料は、大人100円、子供(小・中学生)50円、6歳未満無料。

我が家の現状でいうと、家族で出かけても入場料は総額200円。その入場券も切符のようなスタイルで入場口は駅の自動改札と同じような機械というのが、きっと電車の好きな子供たちには刺さるのだろうな、と。さらにPASMOに対応しているとおもしろそうですが、切符(入場券)を記念にするということを考えると、PASMOで入るのは味気ないかもしれませんが。

それはさておき、「電車とバスの博物館」はお値打ちな印象。

博物館に対してバリュー・フォー・マネーに優れるという表現が適切かは置いておいて、エンタメ施設とすれば100円の入場料で2~3時間は十分に楽しめるので満足度は高しなのであります。

ちなみに、我が家の3歳児は電車の走る大きなジオラマを小一時間ほど見つめてから、バスの運転席でウインカーを出したり、自動ドアを開閉したり、と存分に楽しでいたようでありました。

所在地は、東急・田園都市線・宮崎台駅から直結。駅からのスロープを下って行くと踏切があって、リアルの急行通過時に合わせて踏切が作動するというのもユニークかも(残念ながらタイミングが合わず、作動は見ていませんが)。

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レクサスのあたらしい「F」。ボンネットの穴は空力のため?


トーキョーでワールドプレミアしたレクサスの新クーペ「RC」にはやくも追加モデル。デトロイトショーにてプレミアムスポーツとして(おそらくV8エンジンを搭載する)「RC-F」がワールドプレミア予定。

というわけで、ワイドでアウトレット付きのフロントフェンダーだの、アウトレットを備えたフロントフードなどのディテール画像がティザーとしてチラ見せなのであります。

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これには、正直びっくり。

歩行者保護を考えると、フロントフードにダクトをつけるのは難しい昨今でありますから、ドレスアップ的な要素でつけているとは考えづらく、つまり歩行者保護対策で手間が増えることよりもダクトの必要性が高いといえるわけですから。

そして、このダクトの角度からすると、これはエア・アウトレットであって熱気を吐き出すために追加されたと予想されるわけ。

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V6エンジン搭載のベースモデルのスケルトンから予想するに、エンジンの前側にアウトレットが位置するように見えるので、おそらくラジエターを通り抜けた風を抜くためなのだろうな、と思う次第。

では、なぜゆえにラジエターを冷却する走行風を上に抜く必要があるのか? 

素直に考えると、下から抜けない、すなわちアンダーカバーを装着しているので、上に抜く必要があるといえそう。仮に空力のためにアウトレットと考えると、フロント・アンダーカバーだけでなく、リアにいたるまでかなり徹底した空力チューンが施されていると予想され、全体像への期待が高まるのでありました。



 ※画像はイメージ……です
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レヴォーグ価格発表。2.0Lターボは税抜き310万円~で、BRレガシィよりお買い得


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東京モーターショーで存在が明らかになったスバルの新カテゴリーモデル「レヴォーグ」の価格とグレード構成はが判明。ベーシックグレードをのぞいて、最新のアイサイトver.3が搭載される模様。


そして、発売が2014年4月以降ということで、8%の消費税での税込価格では、やはり高めに感じます。


なので、少なくともBRレガシィと比較するのであれば、税抜き本体価格で比べていかないと、ミスリードしそう。

で、まずは2.5リッターNAのかわりと目される、1.6リッター直噴ターボの価格をアプライドEのBRレガシィと比較。

で、上位グレードとなる2.0リッター直噴ターボで、レヴォーグとBRレガシィを比較すると以下の通り。

■レヴォーグ
2.0GT EyeSight  3,100,000円
2.0GT-S EyeSight 3,300,000円

■BRレガシィ
2.0GT DIT 3,370,000円
2.0GT DIT EyeSight 3,470,000円

1.6リッター直噴ターボはダウンサイジング過給の常で、それほど価格ダウンしておりませんが、2.0GTはボディが短いから安くできるわけではないでしょうが、それでもお手頃感は出てきた印象。

前々からフルパワーの直噴ターボで300万円を切ったらいいな、とは思っていましたが、本体価格でいうとアイサイトを外せば300万円相当なのがレヴォーグ2.0GTというわけ。そうなると、ステーションワゴンよりもコストの下がる傾向にあるセダンボディに300馬力の2.0リッター直噴ターボを積んで、アイサイトなしの6MTというパッケージであれば290万円くらいが価格の期待値になってきますが、いかに?




 画像はイメージです、他意はございません(汗)
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精進します。







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