クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2013年06月

シボレーはトーションビーム、キャデラックはワッツリンクというPHV

以前、シボレー・ボルトのキャデラック版と大雑把に紹介した”ELR”。そのエントリでも『アルミ鍛造パーツを使ったフロント・HIPERストラット、ワットリンクを採用したリア・サスペンション』については触れてはいましたが、あらためて構成パーツの画像を見かけて、再確認というかモロモロ再認識。

The technologies include front HiPer Strut suspension, rear compound crank with Watt’s link suspension, a premium ZF electric power steering system and ZF-Sachs continuous damping control.

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これまで気付いていませんでしたが、2ミリ秒ごとに減衰力を調整するという可変ダンパーは、ZF-ザックスのシステムだそうです。ということは、GM以外にも展開が広がっていくはずで、そのうち身近なモデルでも味わうことができるかも? などと期待が膨らみます。

ところで、リアのワッツリンクというと、国産車ではRX-7(SA22C)に採用された、リジッドサスをベースとしたものが思い浮かぶのですが、このELRではトーションビームをベースにワッツリンクを追加しているように見えますが、その狙いは?
In its rear suspension, ELR uses a Watt’s link design to center the car’s rear axle during turns to provide a more balanced driving experience. When cornering, the Watt’s link provides greater lateral stiffness that results in more positive vehicle response to steering inputs and helps keep the rear suspension aligned with the front suspension. When the ELR is traveling on a straightaway, the Watt’s link allows the suspension to travel up and down freely to make the ride more comfortable.
リリース的には、コーナリングでの横剛性アップと、ストロークしやすさを両立することで、ハンドリングと乗り心地を兼ね備えたシステムを目指しているということのようですが、ともかく気になるのは、ワッツリンク化によるコストアップと、ラゲッジなどのスペースの問題。

一般論でいえば、ワッツリンクはスペースをとるので、キャビンやトランクスペースを犠牲にしがちなはずですが、キャデラックELRで採用しているソレがそうした問題を解決したレイアウトになっているとしたら、かなり注目。

というのは、現在のトレンドとして、FWDではエントリーカーや廉価版にはトーションビームを、上級モデルやグレードには(同じプラットフォームでも)マルチリンクを与えて、性能面での差別化を図ることが多いから。そのバリエーションとしてマルチリンク化ではなく、ワッツリンクの追加というカタチで、性能面の差別化が実現できて、前述のスペース的な問題が少なければ、この方式(廉価版はトーションビーム、上級版はワッツリンク)が、新しいトレンドになりそうな気もしますので。

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なお、これまでは、ワットさんのアイデアに基づくということをリスペクトして、「ワットリンク」と表記していましたが、今回はゼネラル・モーターズのリリースに『Watt's Link』とあるので、あえて『ワッツリンク』と書いてみました、あしからず。

ベンチマークというか評価基準は多様なもの、というツイート集




ゴルフは世界のベンチマークというのは本当か、などというエントリを先日アップしたわけですが、それに関連したツイートをしていたことに気付いて、まとめ的に。

ともかくベンチマークというか、評価基準というのは、開発段階でも評価段階でも、ある程度は絶対的なものとして固定しないと先に進めない部分はあるにせよ、そこに固執してしまうのも間違いの元だな、と思う次第。

たとえば、最近でいえば、アメリカのIIHSがスモールオーバーラップという新しい衝突試験を始めて、それによって従来の試験では差別化できないくらい高レベルに見えていた各社の各モデルに、大きな違いがあることが明らかとなりました。その試験に意味があるかどうかという議論は置いておいて、これなどは基準が絶対的なものではなく、ちょっと基準(ぶつける場所)を変えただけで、評価が変わってしまうという好例。





そうした評価方法のひとつだけでなく、いわゆるベンチマークとして評されることの多いゴルフにしても、仮にゴルフが満点になるような評価軸を作って、それに他車をあてはめて、評価することに果たして意味があるのかという点も考える必要がありそう。

もちろん、ベンチマークとして誰もが認める存在であれば、まずはそれをキャッチアップすることが第一とはいえますが、衝突試験からもわかるように 絶対的な基準が存在しないのは自明。

そもそも、設定した評価項目において同じ数値を満たしているとしても、その評価項目では見落とす要素があれば、同じものになりせんし。

さらにいえば、設定した評価項目において同じレベルを目指すことで、仮に違う項目でのアドバンテージを失うようでは本末転倒。

先日、レーシングカーの開発秘話的なインタビューをした際に「シーズン前の開発ではインフィールドでのコーナリング性能を追求して目標のラップタイムに達したが、いざ開幕するとストレートでの加速がライバルに劣っていて、実際のバトルで厳しい状況だった」なんていう話もありましたが、ある評価項目を追求するときに、そこに情熱を注ぎすぎて、他の項目を見落としてしまうなんてこともあるわけです。

世界中のユーザーの用途がひとつのはずはなく、様々なニーズに合わせるために多様な製品が生まれていることを考えると、ベンチマークというのは、あくまでひとつの参考値であって、そこに絶対的な価値を求めてはいけないという、至極当たり前の話に帰結するのです。





もっとも、AとBを比べたときに、あらゆる評価基準を持ってきても、Aの優位は揺るがないなんてケースがあることも想像できますから、基準を変えれば評価が入れ替わるとは、必ずしもいえないのではありますが。

それでも数値では見えない価値観や満足度を刺激する製品というのもありますしー。


トミカ用テスター、つまり車検制度あり?

わが子の3歳の誕生日に、これをプレゼントしたのでした。

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パッと見にはシャーシダイナモにも思えるかもしれませんが、トミカ トミカタウン プレイチャージシリーズ 整備場 スピードチェッカー であります。

付属のデカールによれば、サイドスリップ/ブレーキ/スピードメーター/排ガスがチェックできるそうで、あとは光軸が合わせられれば、まさにコンパクトなテスター屋さんになってしまうアイテム。

トミカタウンには、なんともマニアックなアイテムが用意されているのだなあと驚くばかりですし、トミカの世界にも車両整備、そして車検制度があるという前提なのかもしれません。

そして、このスピードチェッカーは、ゼンマイ仕掛けでローラーが動くのも魅力。リア駆動のみ対応というのは設計の都合であり、またマニアックではありますが、手持ちのトミカはリア駆動が多かったので結果オーライ。

そんなわけで、トミカを載せて動画を撮ってみましたが、いかがでしょう?



ちなみに、アマゾンで購入した際の価格は536円でしたから、オトナ的にはディスプレイ兼のアイテムとして持っておいてもよいかも。あくまでも、自分は子どもの誕生日プレゼントでありますが(汗)
 

ホットなマーチは最高出力85kW、レッドゾーンは6400rpmから

日産が1.5Lエンジンに5MTを組み合わせたマーチを売るそうで。名前は「マーチNISMO S」なのだとか。
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ベースモデルは1.2L3気筒エンジンにCVTを組み合わせておりますが、このニスモSには4気筒エンジンとなり、もちろん出力もアップしておりますし、あわせてボディは補強され、フットワークもサスペンション・ブレーキと引き締められております。

そのエンジン、注目の出力は……
85kW(116PS)、156N・m(15.9kgf・m)を発生する専用HR15DEエンジン
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基本となるボディ剛性は高いほうがいい! というのはわかりますが、85kWのパワーを受け止めるのに各種補強をしないとマトモに走らないとしたら、それはベースモデルの実力が厳しいのでは? などと天邪鬼に思ってみたり。そしてトルクのわりに出力は控えめだな、と思ってみたり。

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公開されている画像でタコメーターを確認すれば、6400rpmあたりが上限になっているので、まあ85kWというのも納得。いまどきにしては回せるエンジンなのでしょうが、レブリミット8000rpm、9000rpmというエンジンが当たり前だった2000年あたりを思い出すと、随分と時代は変わっています。

環境性能のために仕方ないのですが、いわゆる1970年代の排ガス規制をドライバーとしては体験していない自分としては、このところの牙を抜かれていく感は、その近似体験のよう。

そして、こうなるとダウンサイジング過給や、モーターアシストによるパフォーマンスアップに意義はあるのだなと再確認してしまう次第。


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ところで、このマーチNISMO Sに搭載されるという5MTの正体は? K12ではルノー由来の5MTが搭載されていた記憶ありですが、今回は生産国でもあるタイ仕様には1.2Lエンジンに5MTという組み合わせが存在しているので、それと同じものと見ればいいのでしょうか。


なんだかんだ、乗り出し200万円超のクルマになるのでしょうが、ニスモ・コンプリートだと思えばそれもリーズナブルなのでしょう、きっと。 

マツダがアクセラセダンに搭載するハイブリッドシステムとは?


マツダは、新型「Mazda3(日本名:マツダ アクセラ)」のハッチバックモデルを発表しました。新型「Mazda3」は、デザイン­テーマ「魂動−Soul of Motion」と「SKYACTIV技術」を全面的に採用した、新世代商品の第三弾で­す。(映像は北米仕様車)

 搭載するエンジンは、グローバルに異なる幅広いニーズに対応するため、新開発のガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」を含む、1.5L~2.5Lのガソリンエンジンと、2.2Lのディーゼルエンジンを、市場毎に適切なラインナップで展開します。また日本市場には、ハイブリッドシステムをセダンモデルに搭載する予定です。

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というわけで、マツダが次期アクセラのティザーを開始。現時点では、北米仕様の5ドアHBが公開されていますが、リリースの文言を見ると、セダンもあるようですし、また国内にはハイブリッドも投入されるとか。

マツダのハイブリッドといえば、トヨタ(アイシン)から2モーターTHSを手配する契約を以前に発表していたように記憶しておりますが、おそらくTHS的なシステムに直噴エンジンを組み合わせるのでしょう。

そうなると、SKYACTIVとTHSのコンビネーションで、トヨタはじめ他社ハイブリッドの燃費性能を超えるかどうかが注目点。

クラウンハイブリッドのエンジンが熱効率38.5%とガソリンエンジンとしては驚異的な効率を実現していて、さらにアコードハイブリッドのエンジンは公式発表はないながらも、その効率を0.1のオーダーで超えてきたことを匂わせておりました。

ハイブリッドに尽力してしまうとエンジンは進化していないといった評価も散見される昨今ですが、基本的にはエンジンの効率を上げて、なおかつスイートスポットで使い続けるためのハイブリッドであって、エンジンの熱効率をおざなりにしては燃費性能は稼げないというのはエンジニアには共通の認識と理解しておりますので、エンジンを進化させていないということはないでしょう。

ただし、2モーター(電気式CVT)ハイブリッドの場合、エンジンのフレキシビリティを犠牲にできるとまでいうと語弊はありますが、エンジンでダイレクトに駆動しない分、スイートスポットの考え方が違ってきて、それの違いによって熱効率へのアプローチが異なってくるという印象も受けるところ。

プリウスやアコードハイブリッドと燃費性能で競うというのは、そのレベルでの話になると考えるのですが、はたしてマツダが同社初のハイブリッドで、どのようなエンジンの使い方を表現してくるのか、はやくも気になる今日このごろでありました。


UCC缶コーヒーのおまけに甘酸っぱく萌え

UCC缶コーヒーBLACKの2本セットにランボルギーニのミニカーがおまけになっているのをコンビニで見かけて、思わずレジへゴー。

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40代半ばの、もろスーパーカー世代としては、カウンタック(クンタッチに非ず!)は、クルマを好きになった原点ともいえる存在。エンジンは気筒数が多いほど偉いと思っていたし、許容回転とギア比で計算した最高速に一喜一憂したり、そんな小学生時代であったような気がします。

このモデルは5000QVのようですが、4バルブの意味だった事も知らずに”クワトロバルボーレ”を有難がっていたのは中学生だったか、高校生だったか。ただ、その頃はクルマよりも大事なものがあったかもしれません。


正直、実車がどんな姿なのか不明な自分ゆえに、このモデルのリアリティは判断できずではありますが、リアフェンダー上のエアインテークは、たしかにこのくらいの存在感があったなあ、という記憶のイメージに近いもの。こうして眺めていると、自分の中にあるミッドシップへの憧れはここから生まれたのだろうな、と思う次第。

そうはいっても実際に所有したことがあるのはMR2(AW11)とキャラ(PG6SS)くらいで、スーパーカー的ミッドシップは永遠の憧れで人生を過ごしていくことになるのでしょう……。

そして、自分のスキルからいうと、ミッドシップの走りを楽しめるわけではなく、おっかなびっくり乗る羽目になってしまいますから、憧れのままで結果オーライなのであります(汗)


 
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