クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2012年12月

2012年、目からウロコな思い出

すっかり試乗して感想を書くような仕事はしていないというか、オーダーがなく書けなくなって久しいので、あまり新車試乗の思い出はないのですが、2012年を振り返ると、とあるクルマに乗って目からウロコだったのが、記憶に残る、いい経験でありました。


mirage_inpane

そのクルマとは、三菱ミラージュ。


フロント・ストラット、リア:トーションビームというサスペンション形式は、このクラスでは常識的なものですし、エア圧高めのエコタイヤとの組み合わせですから、ハンドリング云々をいうイメージは薄いのですが、ステアリングを切り込みながら加速していったときに驚いた!

ある程度までロールすると、トーションビームが突っ張ってリジッド的な挙動を示すケースが少なくないのですが、このミラージュではリアサスが、いい意味でウネウネと動く感触あり。そもそもトーションビームは左右をつなぐビーム部分が動いてストロークを稼ぐというのがメリットのひとつ。それを、高速道路の流入路で体感できるのがミラージュでして、その瞬間に「あー、トーションビームは4輪独立懸架に分類していいのだな」と思ったものです。

いや、まあ、その一点で目からウロコだっただけなのですが(汗)

メーカーによってはトーションビーム式サスペンションを車軸式と表記していることもありますが、いわゆるリジッドとは異なり、トーションビームはあくまでも独立懸架なのがわかりやすい一台。


ついでにいえば、前後左右のストローク感、ピッチとロールのバランスがよかったのも印象的。最近は、スタビで固めているせいか、ロール剛性の印象のままブレーキングをすると予想外にピッチが大きく感じるクルマも少なくありませんが、そういうことをしていないおかげで自然に感じたのかな、と。

限界性能を求める向きには否定されるかもしれませんが、エコタイヤには、こういったセッティングもひとつの解なのかもしれないなと思わされたことが、まさに2012年という時代に経験すべきことだったのかも、と思い返す次第。



来年も精進せねば。

大晦日といえば紅白。赤と白の愛車の記憶

大晦日といえば紅白……という時代はとっくに過ぎてしまったでしょうが、まあ風物詩ではありましょう。


そんなわけで、過去の愛車から紅白カラーがあったかなーと振りかえってみれば、さすがに紅白2トーンは持っていませんでしたが、赤が3台、白が2台を持っておりました。



しかし、愛車の写真を撮っておくという習慣がなかったので、まったく自車の画像はありません(汗)



なんとか、各社のサイトをめぐって、見つかったのが、この2台。

スズキ・キャラとランチアY10。
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なおY10の画像は、おそらく限定車のFILAバージョンですが、当方が所有していたのは、バンパーは黒い素材色で、ブラジルエンジンと呼んでいたカウンターフローの4気筒を積んでいたモデル。わずか50ccくらい排気量が多かったために、1.0リッター以上の排気量になっていて、自動車税が高くなったのが悔しかったような記憶あり。パワーウインドウのストッパーがなく、スイッチを押し続けていると窓が落ちたり、なぜか配線が混乱してブレーキを踏むとウインカーが点いたり、キャブのアイドリング調整ネジがバカになって天然アイドリングストップ仕様になったりとイタ車らしいところを見せてくれた一台でありました(苦笑)


もう一台のスズキ・キャラは、マツダ・オートザムAZ-1のOEMモデル。ミドシップにF6A DOHCターボを積んだスリリングな軽自動車で、3速くらいまではアクセルを踏み込むと、フロントの接地感が薄くなるのがチャームポイントというか玉にキズ。最終的には120馬力くらいまでパワーアップした記憶もありますが、最終的にこの個体がどうなったのかは不明です。自分が持っていたクルマの中で一二を争うマフラー交換のしやすいクルマだったのも思い出のひとつ。

ちなみに、この2台に共通するのは、ともにパワーステアリングがついていないこと。とはいえ、どちらも標準のタイヤサイズは155幅だったので、パワステ不要だったのでしょう、若かったですし。いまでもキャラはノン・パワステで乗れると思いますが、Y10はちょっと厳しいかも。


それはさておき、このところシルバーのクルマを主に乗っていることを思うと、そろそろ赤いボディに乗りかえてもいいタイミングなのかな、と思うわけで。たとえば、最近これはいい赤色だなあ、と思ったクルマといえば……マツダ・アテンザ、だったり。

Mazda_i-ACTIVSENSE01

アテンザの赤ボディに白内装という、おめでたい一台でドライブする姿を夢想しながら、今年2012年を振り返りつつ反省する12月31日です。

皆様、よいお年を。

499万円のキャデラックに興味しんしん

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日本では2013年3月から発売開始される、キャデラックのエントリーモデル「ATS」。

2.0リッター直噴ターボに、全車速追従クルコン付きプリクラを装備して499万円という価格は、レクサスISやクラウンからレガシィ2.0DITあたりまでを考えているユーザー層に対して、選択肢となりえる”キャデラック”という印象。

プリクラのつかない439万円のグレードでもレザーシートだということを考えると、むしろリーズナブルという印象さえあり。

さらにカタログスペックで1580kgというのは、車格を考えると十分以上にライトウェイトと分類されるわけで、しかも前後の静的重量配分は50:50だとか。さらに上級グレードであれば、LSDやマグネティックライドコントロール・サスペンションを備えるというも魅力。

で、こちらの画像は、軽量化にあたって軽量合金を使った箇所を示すもの。アルミ製エンジンフードといった部分は、オッと驚くほどではないにせよ、マグネシウム製エンジンマウントや軽量フロントガラスというのは、詳細が気になるところであります。
Engineers on the Cadillac ATS took a chemistry-lab approach to deliver the brand's first entry into the compact luxury sedan segment.  Metals such as Martensitic alloys and ultra-high strength steel, among other materials, help make ATS one of the lightest vehicles in the class.

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個人的な生活感覚からするとリアリティは感じられないものの、興味本位というか好奇心を刺激される一台となりつつあります、キャデラックATS。

クラウンの直噴4気筒、最大熱効率38.5%に思う。

新型クラウンでは、ハイブリッドのエンジンが2.5L 直4になったのが話題で、そのダウンサイジング・ハイブリッドによりモード燃費は23.2km/Lという数値を実現したのもニュース。

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トヨタのハイブリッドというと、複雑な2モーターのシリーズ・パラレル式といえるもので、エンジンは脇役感もありますが、この新4気筒エンジンは、かなりの意欲作では。

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 直列4気筒2.5Lエンジンとハイブリッドトランスミッションを組み合わせたFRセダン専用ハイブリッドシステムをロイヤルシリーズ、アスリートシリーズともに採用しました。このエンジンと高トルクモーターを最適なギヤ比で構成し、きめ細かくコントロールすることで、従来のV6 3.0L車を上回る加速性能を確保しながら、環境性能においてはJC08モード走行燃費23.2km/L(国土交通省審査値)を実現しています。また、D-4S採用エンジンとしてはトヨタ初となるレギュラーガソリン仕様としました。
 新開発の2.5L 2AR-FSEエンジンは、アトキンソンサイクル、DUAL VVT-iと冷却効率を高めEGR制御を最適にしたクールドEGR(排出ガス再循環)システムに加え、筒内噴射には従来のD-4Sシステムから高燃圧化(20MPa)高タンブル吸気ポート及びインジェクター噴霧のファンスリットかを実施した次世代D-4Sを採用。クラストップレベルの最大熱効率38.5%を実現しパワーと低燃費の両立を図りました。また、ハイブリッドならではの静粛性に加え、振動・騒音対策を追求することで、従来のV6エンジン以上の静粛性を確保しました。

といった具合に発表されております。やはり、注目は最大熱効率38.5%という数字でしょう。

ここでいう熱効率とは、使用した燃料の持つエネルギーの、何%を走行するのに活用できたか、というもの。ガソリンエンジンだと30%あたりが目安という認識なので、この数字は驚異的。

そして、D-4Sのポート噴射と直噴をどのようなイメージで使い分けているのかも気になります。カムリなどの横置きハイブリッドでも2ARエンジンは使われていま すが、そちらはポート噴射で圧縮比は12.5(クラウン・ハイブリッドは13.0)。この違いは直噴化による燃料冷却メリットによる対ノッキング向上によ るものなのだろうな、と思いつつ、もろもろのメリット・デメリットがあるでしょうから、そのあたりも気になります。


下に示しているのは、マツダがSKYACTIVテクノロジーを解説した技報に載せていたものですが、最大熱効率になるのは、全負荷状態での話。


Energy Balance in an Engine(Mazda Giho)



クラウン・ハイブリッドの4気筒エンジンが、実走行状態で、どのあたりの領域を使っているのは気になるところ。とくに速度とエンジンがリンクしないTHSだけに、バッテリーマネージメントと合わせて負荷の大きい領域を積極的に使って、効率を追求しているのか、どうかも含めて。

また、効率のよりフルロードに近い状態でエンジンを使い、そうでないときはエンジンを止めて、バッテリーからの電力で駆動するというシリーズハイブリッド的な使い方を前提としているから、この高効率が実現できるのか、それとも通常のガソリンエンジンにも同等の熱効率が応用できるのか。

そもそもトヨタの場合、圧縮比よりも膨張比を大きくとったアトキンソンサイクルエンジンはハイブリッド専用という位置づけなので、ガソリンエンジンだけという用途は考えていないかもしれません。ですが、マツダ・デミオのSKYACTIV-G 1.3 では同様のエンジンをCVTと組み合わせて成立させているので、トヨタの2.5Lエンジンも非ハイブリッド車への搭載は考えられいるのか、も気になります。もっといえば、直噴のアトキンソンサイクルエンジンとなると耐久性に心配もありますが、本当にこの熱効率領域を使えるようなガソリンエンジン車が作れるのであれば、それこそタクシー専用車のパワートレインにどうなのだろう? と思ってみたり。

しかしながら、低回転・全負荷時の最大熱効率なんて数字の話だけで実走行からは意味がそれほどないスペックという印象もあったのですが、エンジンで発電機を回して、モーターでタイヤを駆動するシリーズハイブリッドとして考えると、その領域が燃費の差を生み出すわけで。CVTもまあまあ近いイメージで捉えられる部分もあるとすれば、最大熱効率をメーカーがアピールして争う時代といえるのでは?

BMWがコンセプトカーを生み出したのは40年前

BMWはコンセプトカーを、ヴィジョンカーと呼ばれる技術アピールのシリーズと、ニア・プロダクトという市販ティーザー的なシリーズの2系統にわけているそうですが、ヴィジョンカーにあたるコンセプトカーをBMWが初めて作ったのは1972年のことで、意外にも40年前の話だったりします。


では、その最初のコンセプトカーとは?






ホワイトレターのタイヤ、ディープリムのホイールが、若干アメリカンぽくもある、「BMW TURBO」が、その最初のヴィジョンカー。

BMW Turbo (1972)

The BMW Turbo is the first-ever concept car to have been built by BMW. The novel design of the world’s first safety sports car – which wasn’t merely a technology test bed but also a styling study – signalled an entirely new approach in the safety debate at the time. With its innovative and pioneering take on the fundamental concept of a modern car, it placed the occupant at the centre. High safety standards were highlighted by such attributes as good all-round visibility – blind spots were to be avoided as far as possible – or paintwork in striking Spectral Diamond Red with metallic effect. The safety features introduced in the BMW Turbo gradually filtered into BMW production cars, with the driver-oriented cockpit the first to be implemented. This revolutionary concept car boasted numerous innovations that are taken for granted today, including inertia-reel seat belts, for example. Indeed, the seat belts in the BMW Turbo had an added function: they closed the circuit to the ignition switch, which meant you could only drive the BMW Turbo with your seat belt on.


BMWTurbo1972

フロントマスクが、のちに市販されたM1に踏襲されているので、スーパーカーかと思いきや、視認性を考慮したというボディカラーやELRシートベルトの提案など主に安全技術のヴィジョンカーだったそうで。
もっとも個人的には、見事なガルウイングドアと、リアのタイヤスパッツに萌え。ふと過去の愛車である『キャラ』と『初代インサイト』を思い出してしまう年の瀬でありました。


【2013.02.17 追記】
昔のカースタイリング誌をめくっていたら、このヴィジョンカーには、フォードから移籍してきたハンス・ムート氏が関わっていたそうで(インテリア・デザインだそうですが)。ちょっとアメ車っぽい雰囲気を感じたのは、そのせいだったのかもしれませんとか感じてしまうのは思い込みでしょうか(汗)

2012を振り返りつつ、いま欲しいクルマの条件を考える

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今年も、様々なクルマに触れることができました。

というわけで、そうした経験をもとに、いま一番欲しいクルマの、条件をまとめてみようか、と。


今年の経験で、一番自分が変わったと思うのは安全性能への新・基準軸ができたこと。

いわゆるプリクラと追従クルーズコントロールへの意識が強まったともいえます。

ですので、次期愛車の条件として、まずプリクラは必須。できれば止まるだけでなく、ついていく性能も欲しいので、赤外線センサーだけはパスで、カメラかミリ波レーダーのシステムが欲しい、と。

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また環境性能、快適性という面で、アイドリングストップも必須だなと感じるわけです。かつてアイドリングストップするハイブリッドカーから通常のガソリンエンジン車に乗り換えるときには、それほどマストとは思わなかったのですが、やはり停車時の快適性では振動のないのは大いにメリット。その点でいえば、エンジン再始動がどれだけスマートかというのが重要なポイント。となると、ホンダIMAのようなスターターモーターをガチャンとはめないタイプにメリットあり。未試乗なのですが、日産セレナのS-Hybridの再始動マナーは期待しているところ。



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とはいえ、いまさら普通のガソリンエンジンを欲しいと思う気持ちはなく、ガソリンならモーターと組みあわせているか、最新エンジンながらMTでエンジンキャラをダイレクトに味わえそうなタイプのどちらかがターゲット。もしくはクリーンディーゼルというのも興味津々。

ボディ形状には、それほど強い拘りはないものの、子育で真っ最中のイクメン(笑)としては、スライドドアの便利さに憧れる面もあり。あれ、子どものためというよりは、チャイルドシートに子どもを座らせるときに親の腰に優しいパッケージだと思うわけです。


条件を整理すると……

・追従クルーズコントロール付きプリクラ
・再始動がスマートなアイドリングストップ
・クリーンディーゼル or 最新エンジン+MT or ハイブリッド
・スライドドア

たった4つの必須条件ですが、そのすべてをを満たすクルマ、現実的には思いつきません。もっとも近いのは、アテンザ・ワゴンのディーゼルでしょうか。

最新エンジン+MTという意味ではスバルFA20の味わえる86/BRZ、スズキR06A(最近追加されたワゴンR MTモデル)への興味が高まっているのではありますが。
IMG_20120626_082822


しかし、一年を振り返ろうとiPhoneの画像フォルダを漁ったものの、エンジンの写真ばかりでクルマ全体の画像はほとんどないのに、自分で自分に失笑。2013年は、もう少し外観も記録に残しておこうと思う次第です。
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