クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースやコラムをお伝えします。

YouTubeチャンネルで動画を公開しています。チャンネル登録よろしくお願いします。お問合わせや情報などは、こちらのアドレスまで ysplaning@gmail.com   Instagramでも情報発信しています   Facebookページ随時更新中 noteで無料&投げ銭方式のコンテンツを公開しています。

2012年11月

ラテンNCAPの動画に思うグローバルスタンダードのミライ

南米で販売されている自動車の衝突実験を行なっているのが、ラテンNCAP。その試験動画と結果がyoutubeにアップされておりました。

とりあえず、コンパクトハッチ3台の動画を見比べてみたのですが、ルノーがダントツに厳しい感じ。Aピラー折れてますからね。数字でいうとフロントは安全性の高いトヨタもリアシートは厳しい数値が出ていて、フォルクスワーゲンがバランスはとれているのかな、と。

VOLKSWAGEN POLO
フロント ☆4つ(11.34) リア☆3つ(36.95)



RENAULT SANDERO
フロント ☆1つ(4.61) リア☆2つ(18.78)



TOYOTA ETIOS
フロント ☆4つ(12.87) リア☆2つ(17.38)


※フロントは16点満点、リアは49点満点


グローバル化などと聞くと、もっとも厳しい条件に対応できる優れた製品を世界中に供給するような理想論を思い浮かべているとしか思えない言質もありますが、実際はこんなもので、それぞれのエリアで求められる性能をクリアしていれば問題なしという面もあるでしょう。

グローバルスタンダードへの転換というのは、ある意味では基準を世界標準にするということですから、標準よりも厳しい規格を求めているエリアについては、基準を甘くすることが、グローバルスタンダードとニアリーイコールともなりかねないと肝に銘じておかないと、ですね。

そして、欧州メーカーには安全哲学が強いというイメージは、あくまでイメージであって、そうしたフィロソフィーを第一にしているメーカーもあれば、もっとビジネス優先で仕向地に合わせているメーカーもあるということを再確認。日本仕様だけを見て、そのメーカーのフィロソフィーを云々するのが、また無意味なのもグローバルを知るということなのかも、と感じる次第。


まあ、ルノーにしてもサイドシルが折れているように見える下のクルマよりは、マシなのかもしれません(汗)

JAC J3
フロント ☆1つ(3.50) リア☆2つ(13.03)


しかしながら 『安いは正義』 もグローバルスタンダードのひとつ。ある程度の独自性ある厳しい基準を守ることは、自らの安全を守ることにつながると考えるべきでは。安易に海外に合わせて、基準の緩和するというのは危険をはらんでいると覚えておきたいものです。

ディーゼルエンジンはイメージアップだけで普及するのか?

画像1

アテンザがSKYACTIV-Dというクリーンディーゼル(上の画像)を搭載してきたこと。また、石原都知事が国政復帰ということで、例のディーゼル悪者発言がクローズアップされていることなどから、イメージダウンさえなければ日本の自動車マーケットにおけるディーゼル比率は上昇できる、といった風潮もあるようですが、はたしてそうでしょうか?

たしかに1999年に東京都が行なった「ディーゼル車NO作戦」やその後の「環境確保条例」とそれに伴う石原パフォーマンス(すすのはいったペットボトルを振った)が、ディーゼルに悪印象を強めたことは事実でしょうが、では1999年の段階で日本の自動車マーケットにおける乗用ディーゼルはどういう状況だったのか、石原パフォーマンスによってそれがどのように変わったのかを再考する必要があると思うわけです。

結論からいえば、石原パフォーマンスは日本の乗用ディーゼルの販売においては、大きな影響を与えているとはいえません。

なぜなら、ディーゼル乗用車の新車販売率、保有率ともピークは石原パフォーマンス以前に迎えているからです。あのパフォーマンスがイメージダウンに拍車をかけたという印象はあっても、時系列でいうと”後の話”なのです。

では、日本の自動車マーケットにおける新車販売のピークはいつかといえば、1983年頃で、その数値は6%弱。保有率にしても1995年の10.9%をピークに下がり続けています。

1998年頃の販売比率で1%を切っている状態ですから、1999、2000年の石原都政による政策が影響を与えたとしても、その小さな数字へ向けたものに過ぎないと言えるわけです。そもそもディーゼル車NOといわれたターゲットは商用車でありました。そのおかげでDPFが売れ、そこにデータの改ざんなど違う問題も出ましたが、それはまた別の話で。

では、1980年代には安定して6%弱の販売比率だったディーゼル乗用車が、なぜ1990年代になって減ったのか。

1990年の自動車税改正が大きいというのが、当時を自動車免許を持って、カーライフを送っていたオールドドライバーとしての実感。当時、5ナンバーというのが非常に重要な分かれ目で、それは排気量2000cc以下であることがポイントでしたが、自動車税改正以前はディーゼル乗用車については、ガソリンに対して大きな排気量が許されていました。日産でいうとガソリンのL20EエンジンとディーゼルのL28Dエンジンが同等というイメージで、7thスカイラインにもRD28という2.8リッターディーゼルがあったほど。しかし、この増税によって、ディーゼルの旨みともいうべき自動車税の優位性が失われてしまいます。スカイラインも1989年デビューの8代目になるとディーゼルがラインナップから消えてしまいます。
また、同時に2.5リッターという排気量の新区分がガソリンエンジンの優位性につながった印象もありますが、このあたりはディーゼルでも同じことでした。
たとえば当時のブームだったRV(クロカン四駆)については、必要とするトルクを出すのに、ディーゼルターボのほうが排気量が少なくて済んだので、こうした税制改正にも関わらずディーゼルが減らなかったのだと思われます(たとえばパジェロは、3リッターガソリンに対してディーゼルは2.5リッター)。

そんなこんながありつつ、RVブームの終焉から1995年に保有台数のピークがあったのだろうな、と想像する次第。セダンやハッチバックといったカテゴリーでは、それ以前に乗用ディーゼルは壊滅状態だったのでしょう。ですから、石原パフォーマンスが市場における乗用ディーゼルに与えた影響はそれほどなかったのだろうというのが時系列からいえる事。


とはいえ、メーカーの開発予算を絞る理由にはなったという部分もあるでしょうが、むしろディーゼルへの注力を止めさせたのは1992年の自動車NOx法のほうが大きかった印象もあり。
またユーザー目線でいうと、1993年の軽油引取税増税、1996年の特石法廃止によるガソリンと軽油の価格差縮小が、ディーゼルの旨みをスポイルして、あえてディーゼルを選ぶ必然性を薄めていったという経緯では。

そもそも1990年代から日本の自動車メーカーは国内市場にあわせて開発していたのではなく、すでに世界を見ていますから、世界でクリーンディーゼルが必要とされていれば、開発を止めることはないわけです。ただ、日本メーカーにとっても世界の中で大きな比率を占める北米市場でもディーゼルが求められていなかったことが、ディーゼルへのリソースを割かなかった理由かもしれません。

もっとも、初代ニューミニのディーゼルはトヨタ製だったり、世界初のコモンレールシステム量産化はデンソーだったりとしていた技術レベルが思いのほか進まなかった印象を受けるのは、日本と北米というメインターゲットでのニーズに影響されたとはいえそうです。



というわけで、あらためて時系列でまとめると、日本で乗用ディーゼルが減ったのはイメージダウン以前に自動車と燃料にかかる税制改正によってディーゼル・軽油の旨みが減ったことが主たる要因といえそう。だとすれば、今後クリーンディーゼルを普及させるにあたっても、イメージ戦略だけではどうにもならないといえましょう。シンプルにいうと、ディーゼルがおいしい税制になれば、また増えるであろうと考えられるわけです。
そこを無視して、石原パフォーマンスのイメージダウンを主な要因のように言っていては、本格的な普及にはつながるキャンペーンは難しいだろうなと思う次第。極論すると「石原パフォーマンスさえなければ……」という前提条件を立てることは無意味で、1990年以降の販売比率減の理由を考えて、対策をすべきだろうということ。
たしかにマーケットにおけるブランドやイメージは重要ですが、それ以前に財布に直接関係するコストメリットを実行しなければ普及は難しいのでは? と考える今日このごろなのです。


ちなみに、現時点ではクリーンディーゼルには重量税と取得税が免税で、購入補助金も出ますが、むしろ毎年の自動車税を減税したほうがわかりやすくて普及につながるのでは? と思う次第です。
そこまでして普及させる必要があるかどうかの議論は別としてです、もちろん。

■参考資料:国土交通省:クリーンディーゼル乗用車の普及・将来見通しに関する検討会 報告書
http://www.meti.go.jp/report/downloadfiles/g50418b01j.pdf

【衝撃映像】ブレーキングでリアアクスルが千切れた!



"Army Truck Brake Test"というタイトルでyoutubeにアップされていた衝撃映像。

完全にタイヤロックしていないところを見るとABSのテスト(デモンストレーション)だったのでしょうか?

パッと見の印象では、急な減速にプロペラシャフトが耐えられずに破断→リアアクスルを支える強度が足りなくなって脱落といった感じでしょうか。

この動画におけるメカニズムはともかく、急がつく操作というのは各部にかかる負担が大きく、しっかりと強度を確保しておかないと、こうした結果になりかねないわけで。

その意味では、超小型の電動モビリティが規格化されるのをきっかけに四輪車製造が簡単みたいな話になって、ベンチャーが乱立するようになったら、心配だなと思うわけです。

別の見方をすると、壊れないにしても、急ブレーキなどがボディ各部に与えるストレスは大きいわけですから、距離は同じでも、乗り方でクルマの傷み方が異なるのだろうな、とも容易に想像できるところで、クルマは大事に乗ろうと、改めて思う次第であります、はい。

超小型モビリティのミライ

newmobility_mlit

国土交通省が超小型モビリティの認定制度に関するパブコメを募集しているので、いろいろ話題を集めてくるとおもいますが、まあ実質的には基本となるレギュレーションは決まっていて、それについての微調整という感じでしょうか。

まずは発表資料を抜粋・引用。

超小型モビリティ認定制度の概要 
地域の手軽な移動の足として主に近距離輸送に利活用される超小型モビリティについて、安全確保を最優先に考え、保安基準第 55 条第1項に基づく基準緩和認定制度を活用し、①高速道路等は走行しないこと、②交通の安全等が図られている場所において運行すること、等を条件に、大きさ、性能等に関して一定の条件を付すことで、安全・環境性能が低下しない範囲で一部の基準を緩和し、公道走行を可能とする制度 
 
Ⅰ 対象とする超小型モビリティ及び保安基準の基準緩和項目 
(「道路運送車両の保安基準第55条第1項 、第56条第1項及び第57条第1項に規定する国土交通大臣が告示 で定めるものを定める告示(平成15年国土交通省告示第1320号) 」の一部改正)
 
(1)対象とする超小型モビリティ 
  以下の要件を全て満たすものを認定制度の対象とする。 
① 長さ、幅及び高さがそれぞれ軽自動車の規格内のもの 
② 乗車定員2人以下のもの又は運転者席及び2個の年少者用補助乗車装置を装備しているもの
③ 定格出力8キロワット以下(内燃機関の場合は 125cc 以下)のもの 
④ 高速道路等※1を運行せず、地方公共団体等によって交通の安全と円滑が図られている場所において運行するもの 
※1 高速自動車国道法(昭和 32 年法律第 79 号)第4条1項に規定する道路、道路法(昭和 27 年法律第180 号)第 48 条の4に規定する自動車専用道路及び道路交通法(昭和 35 年法律第 105 号)第 22 条第 1 項の規定により定められている最高速度 60km/h 超の道路 
 
(2)超小型モビリティの基準緩和項目(詳細:別紙2参照) 
【基準緩和の概要】 
① 高速道路等を走行せず、地方公共団体等によって交通の安全等が図られている場所において運行することを条件に、一部基準の適用除外が可能 
② 二輪自動車の特性を持つ車幅 1300mm 以下のものについては、灯火器等について二輪自動車の基準を適用可能 
③ 最高速度が 30km/h 以下に指定されている道路での運行に限られるものについては、衝突安全性に関する基準の適用除外が可能 
 
【その他、安全性向上のための要件等】 
① 電気自動車等については、歩行者等に当該車両の接近を知らせる車両接近通報装置の装備義務付け 
② 車両の前後面にそれぞれ基準緩和マークの表示義務付け 
③ 運転者に対する速度警報装置、衝突警報等、事故防止に繋がる装置の装備の推奨  

というわけで、これまで各自動車メーカーが提案してきた様々なコミューターが叩き台になっているという感じ。サイズ的には、先日発表されたホンダのコミュータープロトタイプが近い印象。ホンダのプロトタイプは15kWの最高出力と発表されていますが、おそらく定格8kW以下なのだろうな、と予想もできるわけです。

日産もRENAULTによる小型モビリティを実験的に走らせていますが、こうした試みが叩き台となって、レギュレーションを決める原動力となったのだろうな、とも思うわけで。


ところで、個人的に気になるのは、ダイハツとスズキという軽自動車の二大メイクスが、この小型モビリティに対してどのようなアプローチをしてくるか。すでに2011年の東京モーターショーでは”やっている”ことはアピールしていますから、市販バージョンの姿が気になる次第であります。


個人的には、フロントナンバーは不要だと思うのと、125cc相当ということは原付四輪2種相当ということで、いわゆる車検制度の対象外とすること、そして任意保険については通常の自動車保険のミニバイク特約のような何かでフォローできるようになると普及に弾みがつきそうだな、と思いますが、どうでしょうか?

そして、こうした幅の狭いモビリティが増えていくと、道路インフラ(道幅)はそのままに、自動車と自転車の共存にもプラスになるでしょうし……。


【追記】
意見募集ということだったので、下記の内容を送っておきました。

軽自動車ナンバーの装着についての問題点


軽自動車のナンバーがつくと、軽自動車と同じカテゴリーのクルマとユーザーに認識させ
「高速道路や高規格道路を走行できる」と間違えさせる心配があるので、
超小型モビリティ専用のナンバーとして、「60km/h以下の一般道しか走れない」ことを
わかりやすくしたほうがよいと考えます。

ECUプログラム変更で燃費改善したエルグランドに思うこと

E52-121118-01
エルグランドがマイナーチェンジで3.5リッター車の燃費を改善したそうで。表向きはエンジンコントロールユニットの制御プログラム変更ということになっております。

最近、こうしたリリースを見かけることが少なくないのですが、本当にプログラム変更だけで燃費を改善しているならば、サービスキャンペーン的なものとしてプログラムの書き換えを行なうべきかな、と思うこともしばしば。

そこまで求めなくとも、定期点検のオマケとして燃費改善プログラムの書き換えを行なうことを大々的にアナウンスすれば、点検に入ってくるユーザーも増えるでしょうし、一石二鳥かな、と。

かつてはプログラム書き換えは排ガス規制値が認証時と変わってしまう問題なども指摘されていたそうですが、もはやガソリン車では「DBA」の排ガス記号は当たり前ですし、バグとりも含めて、認証時と異なるプログラムにすることを”表”に出してもよい時代なのでは?

もっとも、制御プログラムだけでなく、プラグや触媒の仕様が変わっているケースでは、単純な書き換え対応はできないので、リリースに謳っていない変更点がある場合は、この話の限りではありません。だから、エルグランドもプログラムの書き換えで燃費改善する! と言い切れないわけですが……。

ホンダのテンロク・ディーゼルターボ、その第一印象

ホンダUKで生産するシビックに2013年1月から新しい1.6ディーゼルターボが載るということで、各所で話題を集めているようですが、もろもろ画像も出てきたので、自分なりの第一印象をば。
6 i-DTEC

honda_16diesel_pdf

プレゼン資料の画像で気になるポイントは以下の3点

・アルミオープンデッキブロック→強度はそれほどいらないということ? 低圧縮比?
・LP-EGRシステム→ロープレッシャー排気再循環はいまどきですが、工夫もありそう
・小型高効率ターボチャージャー→VGターボ以上の内容? 


というわけで、公開されている画像を一覧。
サイズ変更EARTH DREAMS TECHNOLOGY2
そういえば、2.2リッターのディーゼルターボは、結局日本導入はなかったですね……。

サイズ変更SMALL DIESEL ENGINE 3

サイズ変更SMALL DIESEL ENGINE 1

サイズ変更SMALL DIESEL ENGINE

カム駆動はチェーンが2丁で、最後はギアトレインなのね。

サイズ変更SMALL DIESEL ENGINE 4

サイズ変更SMALLDIESEL ENGINE 2

オルターネーター・ウォーターポンプ・エアコンコンプレッサーと3階建てぽくもあり


サイズ変更EGR SYSTEM

タービン・触媒・おそらくDPFの後ろから排気を取り込むLP-EGR、と。

サイズ変更FUEL INJECTION SYSTEM

燃料の噴射圧についてはアピールしていないようですが、どのくらいの圧力なのだろう?

サイズ変更HIGH SWIRL HEAD PORT INLET

そして気になったのは、この画像。インテークポート、いろいろ考えて凝った形状にしていそうな雰囲気。


長距離ユースは半年に一度くらいのペースなので、それほどディーゼルターボのメリットを受けられるようなカーライフは送っておりませんが、技術的にはクリーンディーゼルターボには気になるところ多数。日本で走るようになれば、ドライブフィール含めて、情報が増えるでしょうから、その一点において日本導入を望みます(汗)。

記事検索
アクセスカウンター
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ