クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2012年09月

2.5時間充電して30kmをEVモードで走る為に9.4kWhのリチウムイオン電池を積む必要はあるか?

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ポルシェが「未来のスポーツカー像はこれだ」とばかりに、クーペワゴンを出しても違和感のない時代ではありますが、さすがにコンセプトカーのスペックを見ていて不自然というか違和感を覚えるのは、バッテリーの総電力量。9.4kWhといえば、小型EVであれば、それだけで90㎞は走れてしまうほどですが、わざわざこれほどのバッテリーを積んで、EVモードの走行距離30㎞を稼ぐことに、なんの意味があるのか。そして、そのバッテリーを2.5時間かけて充電することにも同様で、何の意味があるのか。

バッテリーを積むほどに航続距離が伸びるというイメージがあれど、搭載量を増やすことにより重量増は航続距離を伸ばすにはマイナス要因で、そのバランスが大事なはずですが……。コンセプトカーなので、そうした部分は承知の上で、派手なスペックを求めてきたのでしょうけれど。


ちなみに、充電時間から考えるに、このプラグイン・ハイブリッドは普通充電(J1772)を前提としているよう。おそらく240V・15Aあたりで充電するつもりでしょう。それにしても、ほぼ10kWhのバッテリーでも普通充電で十分でしょう? というのは業界のコンセンサスになりつつあるようです。

というわけで、公式リリースからスペックを引用

Specifications Panamera Sport Turismo concept car:

Body:Sport Turismo with four individual seats, four doors and boot lid.
Drive system:Parallel full hybrid; 3-litre V6 engine, charged; hybrid module with electric motor and disengagement clutch; rear-wheel drive.
Power:245 kW (333 hp) V6 engine
approx. 70 kW (95 hp) hybrid module
306 kW (416 hp) (combined peak power)
Suspension:Double wishbone front suspension; electro-mechanical power steering; multi-link rear suspension.
Dimensions:Length 4,950 mm
Width 1,990 mm
Height 1,401 mm
Energy supply:Lithium-ion battery with 9.4 kWh capacity and plug-in charging system compatible with electrical power grid.
Performance:Top speed, pure electric mode approx. 130 km/h
Acceleration: 0 – 100 km/h < 6.0 s
Consumption (NEDC): Combined < 3.5 l/100 km
CO2 emissions: Combined < 82 g/km
Range (NEDC): Pure electric mode: > 30 km
Charging time: up to 2.5 h

フェラーリENZO以来のカーボンモノコック?



The chassis uses four different types of carbon-fibre and is hand-laminated then cured in autoclaves following engineering processes which optimise the design by integrating the different components. Watch the video to discover the new chassis.

フェラーリが次の限定モデル(F40・F50・ENZOのライン)に使う予定のカーボンモノコックをパリモーターショーに出品、その解説動画をYoutubeにて公開しております。


冒頭に出てくるT800やらM46Jというのはカーボンの種類。東レのサイトにくわしいので、あとで見ておこうという個人的メモ(笑)…… http://www.toraycfa.com/product.html
T series high strength fibers with both standard and intermediate modulus values and
M series intermediate and high modulus fibers, including higher strength MJ series fibers.

ところで、このモノコック(というかバスタブ?)の第一印象は、F50→ENZOという流れを汲んだものだな、と思う次第。ENZO比でマイナス20%という軽量化を果たしているそうですが、基本となるキャビン部分はそのままに、フロントセクションを伸ばした印象を受けるわけです。おそらくリアの感じからすると、F50のようにエンジンを直付けするのではなく、ENZO同様にサブフレームにエンジンを載せて、カーボンキャビンに括り付けるのかな? とか想像。

サイドシル内部に側突対応の衝撃吸収体を入れておくというのも時代を感じさせるものですが、センタートンネルのサイズは、もしやプロペラシャフトを通す気では? とも思う部分アリで、次期F70(仮称)はミッドシップ4WDになったりして、とか妄想も膨らみます。


それにしても、この手のスーパーでスペシャルなクルマにリアリティはまったくありませんが、それでも興味をひかれるのは、いわゆるスーパーカー世代だからでしょうか?


4ドアクーペの次は、クーペワゴン? ポルシェのワゴンの意味合いは?

ポルシェはSUVを出した時点で、純粋なスポーツカーメーカーではなくなったとはいえますが、今度はパナメーラベースのワゴンを出す(現時点ではコンセプトカー)ようであります。

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ワゴンというより5ドアともいえますが、シューティングブレーク的なシルエットで、いろいろ言われていても欧州には、かわらずセレブなマーケットがあるのでしょうか、それとも別のエリアがターゲットでしょうか?


個人的には、このコンセプトカーではワンモーターのハイブリッドながらプラグイン(外部充電)としているのが気になるところ。
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ワンモーターでもエンジンと切り離したEVモードがあれば、プラグインとしてバッテリー電力量を増やすことで、電気だけで走らせることは可能ですし、そうしたアプローチもありでしょうが、ポルシェがその手を取るということは、ある意味で「普段使い・近距離ユースではエンジンは不要」という話にもなりかねないわけで。

もっとも、1900年に『ローナー・ポルシェ』というハイブリッドカーも作られているので、ポルシェは内燃機関にこだわる必要はないというか、こうしたアプローチもヘリテージを感じさせれる演出としてアリなのかもしれませんけれど。だとしたら、ローナー・ポルシェ同様にシリーズモード(エンジンで発電・モーターで駆動)にするか、シリーズ…パラレルが可能な2モーター式ハイブリッドを採用して欲しいと思ってみたりもするわけです。現実性は別として、コンセプトカーくらいは……。



水素とガソリンの混合燃料で動くワゴンRの話に思うこと

ITカーズの発表した世界初、「水素とガソリン混合」を実現した水素エンジン自動車について、思うことをチラホラとメモ的に残しておこうと。なお、まったく取材はしていないのでリリースで見た情報から感じた与太話であります。

この世界初となる「ガソリン混合水素エンジン」へのコンバージョンキットの開発対象は、軽自動車(スズキワゴンR直噴インタークーラー付きターボエンジン)ということで、その小型なシステムをアピールしているようです。

が、ここでひとつの疑問というか、うまいこと考えたなあ、と思うのはベースに直噴ターボを選んでいること。

まず直噴であればガソリンの燃料噴射系はそのままに、同型エンジンのポート噴射用インマニなどを持ってきてインジェクターを水素対応に変えれば、流用的に作れる(コストダウンかつ安心感大)のでは、ないか。そして過給エンジンであれば水素ゆえのエネルギー密度によるパワー不足をカバーできるのではないかという2点に感心するわけです。

その意味では、ワゴンRの直噴ターボをベースにしているというのは、他のどんなクルマにも装着可能に見えつつ、もろもろ都合がよかったのではないかと感じる部分あり。


また、水素とガソリンの切換式はすでにマツダがナンバーを取得していたりしますが、このITカーズの特徴は「水素(気体)とガソリン(液体)という2種類の燃料を混ぜた状態でエンジンを回す」こと。

これだけ聞くと、かなり特殊な話にも思えますが、チューニングエンジンで使われているNOSは、それ自体が燃料でない(酸素を増やすのが目的)にせよ気体と燃料を噴射して混ぜてシリンダーに吸い込ませるというものですから、気体と液体を混ぜること自体は、あながち珍しい技術といえない部分もあるのかもしれないな、と。

もちろん、この水素・ガソリンエンジンは、燃料を混ぜる話なので、そこは独自のノウハウがあるのでしょう。どの程度の比率で混合燃料で動かすのか詳細不明ながら、ある程度までは純正ノックセンサーによるリタードに任せておけば、壊れない程度には回すことができるのかな、とも思う次第。


というわけで、ずいぶん前にリアシートで同乗試乗したマツダRX-8ハイドロジェンの動画をば。


あらためてみると、走りながらスイッチひとつでガソリンと水素を切り替えているわけですから、ある程度はそれぞれが混ざった状態で燃えている瞬間もあるわけで、意外に混ざった状態でエンジンは動くものなのかな、とも感じる次第ですが、さて?

CVTはシンプル構造だな、と再確認

『トヨタ自動車、環境技術開発の最新の取り組みと今後の展開計画を公表』という発表と、その画像をみて、本筋とは別に感じたこと。

それはトランスミッションのミライについて。

<トランスミッション>
▽世界トップレベルの伝達効率の実現、エンジンとの統合制御の進化、一層の小型・軽量化により、 優れた燃費性能と軽快な加速を両立した無段変速機「Super CVT-i」を新開発。2012年6月から 日本向け「カローラ」に搭載しており、今後、コンパクトクラスを中心に搭載車種を拡大。

▽高い変速応答性による滑らかで思いどおりの加速と、6速ATと同等サイズに小型・軽量化すること で優れた燃費性能を実現したFF用8速ATを新開発。2012年8月から北米向け「LEXUS RX 350 F SPORT」 に搭載。


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青いケースのカットモデルが8速AT(余談ながら、このカットモデルのカラーリングからサプライヤはアイシンAWとわかります)、対応しているエンジンというかトルクが異なるので、そのまま比較はできないまでも、変速比幅の拡大のために多段化が進むとCVTのほうがシンプルな構造なぶんだけ、構造においてはもろもろ有利なのだろうな、という印象を受けますが、いかに。

なお、AMTやDCTは、変速比幅を広げて、ギア数が増えていくと、構造的には比例的に重くなるトランスミッションなので、いま以上の多段化には合わないだろうな、というのが個人的に考えるところではあります。
変速比幅8の6速AMTとか、変速ショックやエンジンの使用領域の拡大などなどを考慮すると、ちょっと考えづらいですし。

ダイハツのコンセプトカー「D-R」に『CにつづくD』の期待

ダイハツがインドネシア国際モーターショーに出品したコンセプトカー「D-R」。

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その中身は、2011東京モーターショーで出した「D-X」と共通で、もともとのコンセプト通りにスキンチェンジしたものですが、そのスタイリング、カラーリングにコペンを感じずにはいられません。

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イエローの色味は違うものの。トランクリッドあたりにコペンの香り。


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タン色のインテリアも、どこかコペンのそれを思い出させるもので、こうなると完全にネラっている感じ。


そのほか、公開されている画像を見れば見るほど、現実化にむけてプロジェクトが順調に進行していそうな気がしますが、いかに?


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コンセプトカーにつけられた「D」の文字は「ダイハツ」の意味なのでしょうが、ついつい「コペン」の「C」につづく「D」の意と感じずには、そして期待せずにはいられません。


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