クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします
二輪・四輪にかかわらずパーソナルモビリティが、どのように変わっていくかを考察します

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2012年08月

クレイ以前の、デザインモデルに思う

2012-08-31 14:57:53 写真1


昨日まで科学技術館で開催されていたクレイモデル・エキジビション2012にて、クレイ以前のデザインモデルの姿を発見。

復刻版ではありますが、スバル360のデザインモデル、油土で作られているのだそうです。いまどきのクレイモデルとは異なる味わいですが、そうはいっても素材の進歩はデザインの幅を広げたのだろうな、と想像。

もっとも、クレイがどんなに複雑な形状を作り上げられても、それを量産できなければ無意味なわけで、生産技術との兼ね合いでいえば、このようなデザインモデルがちょうどよかったのかもしれないな、とも。


ところで、ここから少し経つと、木製のデザインモデルも登場するそうで。これはこれで趣あっていいですね!
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スイスポよりBRZのほうが”熱い”ようです(汗)

オーストラリアのスイフトスポーツのCMとカナダでのスバルBRZのCM。

どちらも立体駐車場が舞台で、 クルマの熱さにスプリンクラーが作動するというネタからして、かなりインスパイアというか、クリエイターの神秘を感じさせる内容ではありますが、その表現からしてBRZのほうが熱さでは圧勝しているようですよ(苦笑)







個人的には、どちらもクールに乗りこなす系のスポーツモデルだとは思いますが。まあ、たしかに熱さを感じさせる度合いでいえばBRZのほうが勝っているかもしれません(汗)

1991年生まれのゼロ・エミッション4座オープンに萌える、萌えない?

走行中に排気を出さないEV(電気自動車)は、ゼロ・エミッションという環境負荷の低さはもちろん、ドライバーなど乗員にとってもアドバンテージ。内燃機関車ばかりに状況ではあれば、自分だけがゼロ・エミッションでも意味ないとはいえ、とくにオープンカーともなれば、排気を出さないメリットは実感できるのでは? と、前々から思っていて、「EVこそオープン」とときどき主張していたりするのですが、リーフにより市販EVをリードする日産では、すでに20年以上前にEVオープンカーを出していたのだということをドイツ日産のニュースリリースをみて思い出した次第。



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なつかしのプレジデントEVであります。

製作されたのは1991年。時速40キロで、航続距離は100kmだったそう。パレード専用なので、市販EVというのは微妙な存在ではありますが、しっかりと「品川34 た 22-89」とナンバーもついています。




日産のEVといえば1999年に出たハイパーミニが印象的ですが、歴史アリといいますか、大小いろいろあったといいますか、時代に応じて様々なチャレンジがあったといいますか。




ともかく、個人的には排ガスを吸わずにオープンドライブが楽しめるEVオープンへのあこがれを改めて確認した次第。




まあ、EVなんて技術的には新しいものでもなんでもない、ともいえますし、100年以上前からオープンのEVは存在しているわけですが(笑)

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ベイカーエレクトリック/製造:1902年~1916年)/全長:2565mm/全幅:1415mm/全高:2250mm/空車重量:436kg/乗車定員:2名/最高速度:40㎞/h/航続距離:80㎞/バッテリー:鉛電池

ドイツで燃料価格が史上最高値を更新したとか?

ドイツの自動車団体ADACによれば、燃料価格の史上最高記録を更新したとか、しないとか。

Die Spritpreise in Deutschland liegen auf Rekordhöhe: Super E10 kostet der-zeit 1,694 Euro pro Liter, Diesel liegt bei 1,541 – jeweils ein Allzeithoch.

というわけで、植物由来のバイオ燃料を混ぜたガソリンが1.694ユーロ/L、軽油が1.541ユーロ/L、とのこと。単純に、いまの為替(ユーロ≒98.5円)で計算すると、以下の通りで、日本の市場価格より少し高いくらいに思えます。

ガソリン:166.8円
軽油: 151.8円

ちなみに、資源エネルギー庁調べによる8/20時点での小売価格は、ガソリン:143.8円/L、軽油:124.5円/L。ガソリンで16%高、軽油で22%高という感じ。日本の過去最高値に比べれば、ドイツの燃料価格もまだまだという感じではありますが、これ肌感覚ではもっと高価で、深刻な話なのでは、とも思うわけです。


そもそも為替は通貨の交換レートでしかありませんし、いまの状況は超円高といえるものですから、 ずっとユーロ圏で過ごしているひとにとっては、為替で比べるというのは無関係。日本の給与にしてもドル建てで計算すれば、前年比で上がっているといわれても家庭レベルにおいては「なるほど、それは素晴らしい」とはなりづらいでしょう?


話を戻して、ドイツにおける燃料価格について。現地での肌感覚を日本から想像するのは難しいわけですが、こうしたときに過去定番となっているのが『ビッグマック指数』を利用する方法。いわゆる世界共通商品の現地価格を比較することで、実効レートを推し量る手法であります。


そのあたりの数字を粗っぽく計算してみると、1ユーロというのは110~125円に相当するといえそうで、そうやって冒頭の数字を換算すれば、いまのドイツにおける燃料高騰が厳しい状況だというのが実感できます。

ガソリン:186.3円~211.7円
軽油:169.5円~192.6円


あくまでも粗計算によるものなので数字あそびではあります。しかし、日本でレギュラーガソリン200円時代、という想定があるように、すでにドイツではその域に達しているのかもしれません。この状況で、市場がどのようなクルマを求めるのでしょうか。

省燃費性能が重視されるのはもちろん、天然ガスがLPGのような代替燃料に注目が集まるのか、それとも水素や電気といった次世代車への移行が進むのか。はたまた人力での移動エリアが拡がるのか。極東の地からでは市場の変化はなかなかわかりづらいものですが、気に留めてウォッチしていきたいと思う次第。
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精進します。

新型ミラージュ試乗感想~商原稿風味~

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昨日、新型ミラージュに乗る機会がありました。試乗したのは東関道・幕張市街地で小一時間ほど。上の画像は、試乗時の燃費表示ですが、カタログ値27.2km/Lに対して16.9km/Lという数字。もっとも、これはアクセル全開加速もあれば、とにかく初乗りで燃費を稼ごうという意識がない乗り方で出てきた結果という前提でいえば、まあまあの達成率。むしろ、わざと燃費を悪くしてやろうと意地悪しない限りは、普通に乗ると、このくらいの数字は出せそうだと思う次第。


そう感じた理由はなぜなのか? そこで、乗り味にしぼった試乗感想文(商業原稿風味)をお送りしましょう(笑)

JC08モード燃費27.2km/Lというガソリン登録車(軽自動車=届出車を除く)最高の燃費スペックを誇る新型ミラージュ。タイで作られる輸入車であり、グローバル市場向けの燃費スペシャリストとして生まれた一台。
車重870kgに抑えたコンパクトボディ、3気筒1リッターエンジン、副変速機付きCVT、ブリヂストンのエコタイヤ(エコピアEP150・タイ生産)といった構成要素からも、燃費を第一としていることは明確だが、乗ってみれば、その印象はさらに強まる。
アクセル全開にすれば、6000rpmまで回るエンジン(3A90型)だが、回したからといってパワフルな感じはなく、うるささが耳につくだけで、けっしてファンではない。逆にアクセルを控えめにしていると、加速では3000rpmを上限に、クルーズ状態では1500rpm前後を目処に変速比をキープするワイドレシオのCVTがリッターカーとは思えない静粛性。ドライバーにとって快適な運転≒エコ・ドライブと感じるようにパワートレイン全体がしつけられているようだ。ちなみに高速道路でも流入での全開加速こそ6000rpmまで回せるが、80km/hからのスピード調節的な加速では2500rpm前後とのんびりしたペース。なお80km/hで巡航しているときのエンジン回転数はメーター読みで1500rpm。パワートレイン由来のNVは気にならないが、エンジン回転の変動が、ときおりペダルに振動として伝わってくるのは、若干閉口させられる。

一方、プラットフォームから新設計のボディは、ホワイトボディで200kgを切っているという軽さながら、シッカリ感は予想以上。前後共にサスペンションが動くこと、エコタイヤのグリップレベルが程々なこと、またパワーが控えめなこともあって、完全にボディが勝っている状況。そういう意味ではクルマがしっかりしているという安心感を生み出している。さらに、ハンドリングはマイルドな味付けで、ブレーキパフォーマンスも程々、パワーも控えめとくれば、姿勢を乱す心配はほとんどない。むしろ、このクルマをドライ路面でスピンモードになるほどヨーを生むには、かなりの上級者でないと難しそう。そういう意味でも、ペースアップして楽しめるという印象はなく、しっかりしたボディがきちんとサスペンションをストロークさせるという味付けのシャシー。軽量化のために防音系はそこそこなので、ノイジーだが、それもスローペースであれば気にならない。

まとめれば「気持よく走っていると、自然と燃費運転になりますよ」というキャラクターで、走りを最優先するユーザーからは嫌われるかもしれないが、気持ちの上でガマンせずにエコ・ドライブができるという意味では、いまの時代にあった乗り味といえそうだ。






というわけで、商業原稿のオーダー、お待ち申し上げます。その際は、エンジニアへのヒアリングとあわせて、印象とそのメカイズム的理由もあわせて記しますので、ぜひ! 


なんちて(笑)


ところで、ユーティリティ面について一言。
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こちらはリアシートのベルトキャッチ部分。中央席に座るケース(左右に座っている)を想定してキャッチを上げてみると、お尻をおける幅は、とても規定の60cmはあるようにみえませんし、実際に座ってみても苦痛。まさにエマージェンシーな補助席という感じで、ここにヘッドレストがついていようがいまいが、日常的に使うには身長130cmの小学生がせいぜいといった印象です。 なお、そのくらいの身長であれば座高的にヘッドレストは不要な印象。ときおり「大事なひとをヘッドレストもないシートには乗せられない」という言葉を聞きますが、このリアシート中央には大人は乗せられない、といえそう。シート幅的には3人掛けが可能なのでしょうが……。

トヨタ・オーリスは、ジムカーナPN3のワンメイクを打破できるか?

トヨタ・オーリスがフルモデルチェンジしたわけですが、1.8リッターエンジンの6MTが存在するというのは見逃せないところでは。


個人的に気になっているのはジムカーナでのパフォーマンス。というのも、先日のレギュレーション改定により全日本ジムカーナのPN3クラスは『気筒容積1600ccを超える2輪駆動(FF、FR)のPN車両のうち、FIA/JAF公認発行年またはJAF登録年が2012年1月1日以降の車両』という風に変更されたから。これにより、PN3クラスは実質的にトヨタ86・スバルBRZのワンメイク(ツーメイク?)となってしまうのでは言われているようです。


が、オーリスのスポーティグレード「RS」ならば、PN3クラスでの戦闘力はあるのでは? という第一印象を受けたのです。
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2リッターの86・BRZに対して、1.8リッターのオーリスでは排気量からしてパワー不足なのは自明。実際、ピークパワーにしても86の147kWに対して106kWしかありません。

しかし、トルクの数値と発生回転を比べると、ちょっと印象が変わるかも。

86・BRZのFA20は、205N.m/6400~6600rpm
オーリスの2ZR-FAEは、180N.m/3800rpm

FA20も低回転域でのトルクはかなり発生しているのですが、ちょうど4000rpm前後で大きな谷があって、そこは気になっていたところ。仮にオーリスの2ZRがそうしたウィークポイントをつけるエンジン特性になっていれば、いい勝負ができそう、かと思う次第。

またギア比を見ても、オーリスのほうがファイナルが低いのでオーバーオールレシオでも有利な印象。

たとえば1速のギア比は以下の通り。
86・BRZ:3.626×4.100≒14.86
オーリス:3.538×4.562≒16.14


もっとも車重は、86(1190~1230kg)に対してオーリスのほうが重い(1270kg)ので、厳しいかもしれませんが。
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