クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします。

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2012年05月

世界のどこかにバブルは存在する、らしい(笑)

バブル崩壊後、失われた20年……といった文言を目にすることが少なくないわけですが、あくまでそれは日本という限られたエリアの話で、しかも日本の中にもバブル的な状態になっている組織や、そうした要素は残っています。

誰が言ったか『世界のどこかにバブルは存在する』 という名言(迷言)もありますが、たしかにバブルは存在しました。

Mercedes-Benz and AMG at the Cannes



Mercedes-Benz at the Cannes

まあ、なんというか、産油国のお金持ちが作ったというのならば、まだ納得できますが、この金色のメルセデスはメルセデス・ベンツ自身が作った純正”カンヌ映画祭”仕様というのですから、まさしく「世界のどこかにバブルはある」のだなあ、と納得。


それにしても、意外とゴールドが似合いますね、メルセデス・ベンツ。


ポルシェ用7速MTのキモは「シフティング・アクチュエータ」か?

ポルシェ911に搭載された乗用車・世界初の7速MTについてサプライヤーであるZFからリリースが出ていました。
 2012-05-09_1_7MT_zf

RRレイアウトの911用ですから、このカットモデルの画像でいうとエンジンは右側。エンジン出力がミッションに入り、減速されてエンジン側のデファレンシャルに戻ってくるというレイアウトは従来通りで、これはスバルのFFでも同じような位置関係にはなる水平対向エンジンのデフォルト。


リリースの気になる部分を抜粋と太字で。

And ZF's 7-speed manual transmission (7MT) contributes to this success: It was designed based on the 7-speed dual clutch transmission (7DT) - which is also manufactured for Porsche - and offers excellent shifting comfort and sportive shifting forces. For this reason, the new 911 reaches its top speed already in the sixth gear. The seventh gear, however, has a high gearing and helps to save fuel. Also the high efficiency and the optimized weight of the 7MT contribute to fuel efficiency. Furthermore, it is equipped as a standard with an automatic start-stop system.

Since the 7-speed dual clutch transmission has a modular construction system, the 7-speed manual transmission could be designed with a lot of identical parts. However, there was one special challenge to tackle: At the dual clutch transmission, the gears are arranged differently compared to a standard H-type shift system, due to the differing concept. For this reason, ZF developed converted shifting actuators for the manual variant of the transmission. Like this, the classical H-type shift pattern could also be implemented with the dual clutch gearsets. At the same time, a patented system avoids incorrect gearshifts: The seventh gear, for instance, can only be engaged directly following the fifth or sixth gear.

7速MTの基本設計は7速DCTというのは意外というか、結局のところ市場ニーズがDCTにあるので、そちらがベースになるのは合理的。ただDCTとして設計するということは3軸以上になるわけで、MTとして設計するよりは重くなってしまうはずですが、それは致し方ないというわけでしょうか。


で、DCTの設計を基本としていることからギアセットの配置がHパターンには合わないそうで、そのつじつま合わせに「シフティング・アクチュエータ」を備えているというのが第二の注目点。

2012-05-09_1_7MT_zf_actuate


この明るく残してある部分が、「シフティング・アクチュエータ」だとすると、たしかに上下のセレクターレールを切り替えているように見えますが、だとすると、特定のポイントだけシフト操作のレスポンスやらフィーリングに難有りとなりそうなものですが、さて?

ところで、どこに8つのギアセットがあるのか、わかりますでしょうか? 自分は7つしか見つけられません(苦笑)

Abarth 695 Maserati Edition、の浮世離れ感。

なぜかフィアットのプレスサイトにはなく、なぜかクライスラーのサイトに載っていた「アバルト695 マセラティ・エディション」に興味しんしん。
Abarth695MaseratiEdition001

以前、アバルト695 トリビュート・フェラーリなんてモデルがありましたが、その流れの第二弾。乱暴に言ってしまうと、今度はマセラティ風味のフィアット500、というわけです。

Abarth695MaseratiEdition004

マセラティ由来のボディカラーや内装仕立てに惹かれるというクラスタに向けた商品企画なのでしょうが、車両単体としても、魅力的なラグジュアリー&ホットコンパクトとなっているのが絶妙という印象。

Abarth695MaseratiEdition002

チタニウムカラーのソフトトップもマセラティという名前に見合った渋ゴージャスな感じ。



それらが伝わってくる諸元や仕様を抜き出せば以下の通り。

TECHNICAL SPECIFICATIONS 
ABARTH 695 MASERATI EDITION 180 HP 1.4 TURBO T-JET 16V MTA

ENGINE 
4 cylindres in line, 4 valves per cylindre, 1368 cm3
Power: 180 HP (132 kW) at 5500 rpm
Maximum torque: 250 Nm in sport mode at 3000 rpm 
Supercharged with Garrett 1446 turbo 

TRANSMISSION 
Abarth Competizione gearbox with 5 speeds, C510 gearbox family with gear paddles on the steering wheel

SUSPENSION 
Front: Abarth Koni shock absorbers with FSD valve 
Rear: Abarth Koni shock absorbers with FSD valve
Lowered ride.

STEERING 
Electric power steering with “sport mode”

BRAKES 
Floating, perforated and self-ventilating front brakes ø 305 mm × 28 mm 
Perforated rear brakes ø 264 mm × 22 mm
TTC - Torque Transfer Control

WHEELS 
Neptune Design 7×17" alloy wheels 
Tyres: 205/40 R17"

EMISSIONS 
Euro 5 EEC-F5 Standard
CO2 EMISSIONS 
151 g/km

FUEL CONSUMPTION 
Urban consumption (l/100 km): 8.4
Combined consumption (l/100 km): 6.5
Extra-urban consumption (l/100 km): 5.4

PERFORMANCE 
Max speed: >225 km/h (140 mph) 
Acceleration of 0–100 km/h (0-62 mph): <7 secs

SPECIAL CONTENTS
SPECIAL “BORDEAUX PONTEVECCHIO” PAINT FROM MASERATI 
XENON HEADLAMPS
TITANIUM GREY SOFT TOP
AUTOMATIC CLIMATE CONTROL
LEATHER STEERING WHEEL WITH RADIO CONTROLS
BLUE&ME TOMTOM 2 NAVIGATOR 
BEIGE LEATHER SEATS 
DASHBOARD FASCIA AND GEARBOX TRIM IN MATTE CARBON
DOOR PANELS, CONSOLE AND TUNNEL IN “FLOCKED” UV-LUX
DUAL-MODE EXHAUST WITH SPECIAL MASERATI-INSPIRED DESIGN
JBL HI-FI SYSTEM
BAG SET by TRAMONTANO

このボディで180馬力の1.4Lターボというと、ダウンサイジングというわけではなく、純粋にパワフルなスペシャライズドモデルというイメージですが、おそらく10年以上前であれば2.3Lあたりの重いエンジンを積んでいたでしょうから、やはりダウンサイジング・トレンドではあるのかもしれません。もっとも、パワートレインはトリビュート・フェラーリと同様。

そして、ターボ好きとしては「GT1446」ターボが気になります。スペックの数字だけでいえば、2000番台のサイズで、往年のドッカンターボ風味に仕上げていくと、かなり個人的な趣味では面白そうに思えますが、そうなると「マセラティ・エディション」ではなく「トリビュート・F40」といった名前がマッチするかもしれないな、と。

Abarth695MaseratiEdition005

あと、まあ個人的にいえば、アバルト695の、ボタンが配置されているだけのミッションコントロールパネルがツボ。
Abarth695MaseratiEdition003


数台のマセラティと並べてガレージに置いておかないと様にならないクルマでしょうが、そうした生活レベルも含めて、憧れとなる一台といえそうです。そう思うと、まったく手の届かない夢なので、どうにもリアリティは湧きませんが(苦笑)

お台場でノスタルジック・カーライフを満喫

本日はお台場へ出かけて、ノスタルジックカーショー&MEGA WEBフェスタをはしご。
jaguar_398

いろいろ思うところはありましたが、連れて行った息子(1歳10ヶ月)には、クルマが動かないほうが見やすいというか、きちんと目で追いかけられるので満足できたよう。またスキール音やエキゾーストノートは、やっぱりまだまだ恐怖感のある煩さのようで、子ども向けのクルマ関連イベントは展示と触れ合いメインのほうがよさそうだな、と思った次第。

そしてカウンタック(クンタッチに非ず)の佇まいは、子どもにもアピール度が高いようです。
Countach_398
あくまで、ひとりのケースですが、スーパーカー展示が鉄板企画というのを再確認。

あと、子ども親としてイベントを見ていると、オトナだけに通じるような”オネーチャン”的なネタがステージやアナウンスで話されるのは、どうかと思う部分もあり。というか、自分がそういう感情を持つようになったことが新鮮で驚きです(笑)

iMiEV_Evolution
電気自動車になると、エキゾーストノートのような耳にいたい音が減りそうで、デモランなどで子どもとの親和性もよさそうですが、スキール音があるのは同じですし、独特のキーンというノイズは若いほど耳に刺さりそうではあります。




久しぶりに日記のようなエントリでした。

MiEV Evolutionに、あのコンセプトカーを思い出す




三菱自動車が、三菱自動車としてパイクスピークに参戦。i-MiEVをイメージさせる電気バギーと、北米仕様iを走らせるとのこと。


プロジェクトの発表当初はi-MiEVのパワートレインを使ったマシンになるといった話だったような気もしますが、モンスター田嶋や引き続き参戦する塙・アドバンチームの動向を見つつ、フルパワー240kW(約326馬力)の3モーター仕様となったようです。

3モーターのi-MiEVといえば、2007年の東京モーターショーに登場した「i-MiEV Sports」が思い出されます。



これはi-MiEVのリアモーターにプラスして、フロントにインホイールモーターを抱えた3モーターのスポーティバージョン。3モーターを活用したオールホイールコントロールが技術的なポイント、だったわけです。

i-MiEV Evolutionについては、 フロントがシングルモーター、リアが左右独立モーターという構成ということですから、かなり違いますが、三菱自動車がランエボで培ってきたヨーコントロールのツボであるリアのトルクベクタリングにあることを思うと、リア左右独立モーターのほうが、AYCの延長的技術を期待してしまいますが、どうも報道を見ていると、パイクスピーク仕様はそこまで複雑な制御はしていないということ。


勝手に予想すれば、フロントのモーターは、減速回生と姿勢安定用に一定トルクをかけておくのが主たる役割で、駆動はリアの2モーターで行なうのではないかというのが直感的な印象。

コーナリング時に回生するとはいえ、今年からフル舗装になって、ほとんど踏みっぱなしになるパイクスピーク というステージを考えると、35kWhというi-MiEV Evolutionの総電力量は、240kWhを常に使おうとすると、けっこうギリギリなのではないかと感じるから。どれくらい回生できるのかによりますが、回生を無視すると、40kWhくらいのバッテリーは積みたいですよね?

一方、フロントは加速と姿勢安定のための駆動と考えて、モーター出力をピークの半分程度を目安にしていると考えると、35kWhという総電力量がなかなかイイ線いっているんじゃないの的(上から目線・笑)な印象に変わってきますが、さてどうなのでしょう?


GRMN SPORTS FR Conceptにセリカの面影を見る

トヨタGT86ベースのスペシャライズドモデルというか、コンセプトカーというか。ともかくGRMN スポーツFRコンセプトの画像やスペックが公開されております。

ワイドフェンダーとリアスポイラー、エアロボンネットといった風情は、ハチロクというよりも、もはやセリカという印象。いやセリカ以上、スープラ未満のトヨタ・スポーティクーペの後継モデルといった感じ、であります。


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フロントフェンダーやデュアルエキゾーストがちょっとGT-Rっぽいのは、日本のスポーツカーとしてのアピールなのかもしれないのでいいとして、気になるのはリアスポイラーに入ったGRMNイメージカラーがドイツ国旗にも見えること。まあニュルブルクリンク育ちというのをさり気なくアピールしているのかもしれませんが(笑)
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ところで、このコンセプトカー、フロントのウインカーはどこについているのでしょうか。それが気になる第一印象であります。


さて、注目はパワートレインで、エンジンは排気量1998ccのツインチャージャー(スーパーチャージャー&ターボチャージャー仕様)で、目標最高出力320馬力、目標最大トルク421N.m。トランスミッションは6速マニュアルと公表されております。ここで注目したいのは、けっして水平対向エンジンとは明記されていないこと。

もっともセンター部分が凹んだボンネットの形状を見ると、ボクサーエンジン以外はあり得ないのでしょうが、それにしてもツインチャージャーを収めるスペースをどうやって確保したのかは気になります。またフロントから熱をぬいているようにも見えるのでインタークーラーは前置きの可能性大か、と。

そしてボンネット後端左右に設けられたトライアングル形状のアウトレットがなにを意味しているのか。単にLFAへのオマージュなのか、それともここから熱を抜く必要があるのか。だとしたら、なに由来の熱なのか。

もしかするとEJ系の水平対向エンジンでタービンを向かって左後方にレイアウトしているのかも? そんなことを想像してしまいますが、FA20エンジンを使っていると考えるのが妥当なのでしょう。

FA20といえば、すでにレガシィD型の直噴ターボが300馬力、400N.mに達しているので、ツインチャージャーでこの目標値は控えめというか、あまりにもチャレンジングでない目標といえそうですが、ここで気になるのは、エンジン回転も控えめなのではないかということ。

FA20はターボもNAも同じクランクで、つまり過給して高回転(たとえば7000rpm)を常用するには厳しい印象があり。だとすれば、ツインチャージャーエンジンは5000rpmをシフトアップポイントにしてトルク型の走りを楽しむキャラになっているのではないか、と。それがハチロクというイメージに合うかどうか……。

その意味でもFRコンセプトとして86の名前を外しているのかもしれないというのは考え過ぎでしょうか。




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