
SI単位で仕事量の単位はJ(ジュール)、そして仕事率はW(ワット)。その関係は以下の通り。
W=J/s
そしてレギュラーガソリンの発熱量は約34.5MJ/L(ハイオクで約35MJ/L)ですから、ガソリンを1Lを完全燃焼させたときに発生する仕事率、すなわちパワーは34,500kWとなります。
たとえばポルシェ・パナメーラターボの最高出力が368kW(500PS)ですから、ガソリン1Lの持つ熱量がいかに大きいかわかろうというもの。というよりも大きすぎると思えてきます。パナメーラでいえば燃料タンク容量は100L(ハイオク)ですから、3,500,000kW相当の燃料を抱えているわけです。
というわけで、もういちどジュールとワットの関係式をみれば
W=J/s
ジュール・パー・セク、「一秒間に」という条件があるのでした。
つまりハイオクガソリン1Lを1秒間に完全燃焼させたときに発生させられるパワーが35,000kWということなのです。
ここから逆算して、言い方を変えると「パナメーラのガソリン満タン状態とは1時間連続して972kWのパワーを出しつづけられる」となります。さらに単純計算すれば「最高出力を出し続けたとして2時間半連続走行できる」となります。
おっと、これは数字遊びでありまして、真に受けないでください。
W=J/sではありますが、ご存知の通り発熱量≠軸出力でもあります。当たり前ですが、ガソリンの発熱量をすべて軸出力にできるわけではありませんので。












