クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします
二輪・四輪にかかわらずパーソナルモビリティが、どのように変わっていくかを考察します

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2008年11月

DCCに行ってきました

今日はDCCを見にいってきました。

いきなりDCCって聞いても、
「なんだ、それ?」って思うでしょうが、
それは仕方ありません。

だって、いまさっき自分勝手に思いついた略称ですから。


DCC=Daihatsu Challenge Cup(ダイハツ チャレンジ カップ)

ダイハツ車限定のジムカーナ大会。関越スポーツランドで開催された今年の最終戦を取材に行ったのでした。





いや、まぁなんていうか、これが見ていると面白い。

まずパドックが、どこを見てもダイハツ車しかいないのです。ダイハツのお膝元でも、こんなにダイハツ車オンリーの空間なんて見れませんよ!

そして、ジムカーナといっても車種はバラエティ豊か。コペンやエッセといった現行モデルはもちろん、90年代のミラ・ターボはいるし、ハイゼットなどの軽トラはいるし、さらにムーヴやタントといったハイトワゴンも張り切ってジムカーナしています。

同じようなクルマばかりが走っていると、タイム差を追いかけていないと面白さがわかりづらいですが、こうやって色々な車種が走っているのは、見ているだけで飽きないものです。

もちろん超・参加型モータースポーツですから、観戦するより参戦したほうがより楽しめるイベントなわけで。

こうして見ていると、来年は参加したくなります。

やっぱり、アレ買ってしまおうかしらん。

軽自動車税と自動車税を一本化するとは

軽自動車は優遇税制だから、自動車税と一本化すべし。なんて論調の記事を見かけることも多いですし、経済産業省もなんだか画策しているようなニュースもありました。

ですが、そうした記事を書いている人は軽自動車税と自動車税の納付先が異なることを知っているのでしょうか。

両方のクルマを所有した人なら知っているように、軽自動車税は区市町村税であり、自動車税は都道府県税で、同じ地方税・一般税といっても納付先が異なります。

つまり一本化するということは、どちらかの自治体から税収を奪うことになるわけです。

それが、何を意味するか? 当然、税収を奪われる自治体の反発が予想されます。

というわけで、軽自動車税と自動車税が地方自治体の税収において占める割合が気になってきました。そこで自分の住んでいる神奈川県・横浜市&箱根町と軽自動車天国(?)といわれる鳥取県・鳥取市/島根県・松江市の税収データを調べてみたりして。

ざっくり億単位で記すと以下の通り()内は税収における比率。

神奈川県の自動車税=1028億円(8.0%)

横浜市の軽自動車税=17億円(0.2%)

箱根町の軽自動車税=0.18億円(0.3%)


鳥取県の自動車税=78億円(14.1%)

鳥取市の軽自動車税=4億円(1.6%)


島根県の自動車税=95億円(15.9%)

松江市の軽自動車税=4億円(1.5%)



いろいろと思うところある数字が並びました。

1%に満たない地方自治体であっても、すんなり納得するとは思えませんし(当然、見返りは必要)、軽自動車税には原付から四輪までが含まれますから、ナンバー(標識)交付の窓口をどうするかといった問題なども出てくるでしょう。

それにしても鳥取・島根における、自動車税&軽自動車税の税収に占める割合が高いことに驚かされます。

気になったので、首都である東京都と八王子市についても調べてみました。

東京都の自動車税=1185億円(2.2%)

八王子市の軽自動車税=4.2億円(0.4%)

やはり、都市部になるほど自動車税の占める割合が減るようです。とはいえ税額自体は大きいですから、クルマが少ないのではなく、自動車税以外の税収(たとえば東京都の法人事業税は1.4兆円!)が多いわけですが。

軽油の理論空燃比を計算してみる



さきほどアップした理論空燃比でNOxは発生しないというエントリで、ガソリンエンジンの理論空燃比において、完全燃焼していることを書きました。つまりガソリンに含まれる炭素&水素と空気中の酸素が余ることなく反応する質量比が理論空燃比ということです。

では、軽油をつかうディーゼルエンジンの場合、理論空燃比はどんな数値になるのでしょうか。実際にはリーンバーンですから、まさに机上の空論というか、役に立たない情報ですが、せっかく単純化した数値を用意したので計算してみます。

前回のエントリでは、軽油を単純な炭化水素としてC1634だと定義しました。

ここから理論空燃比を導くには、まず軽油1ユニットから二酸化炭素と水がどれだけ生まれるかを考えればいいわけです。

ざっと 16CO2 と 17H2Oが生まれることになります。ここで必要な酸素原子の数は49。ただ、空気中では酸素分子として存在するので、二倍した98から空気のユニット数を計算します。空気中の酸素比率は21%としていますから

98÷0.21≒466.6 これが空気のユニット数となります。

つづいて、空気質量を燃料質量で割ります。空気のユニット数を倍掛けしていますから、燃料の質量も二倍として計算します。

(29×466.6)÷452≒14.9

というわけで、ディーゼルの理論空燃比は14.9という計算になりました。

しかし、ガソリンにしろ軽油にしろ、(C12nの炭化水素のバリエーションだと考えると、こんな計算には何の意味もないわけで。石油由来の燃料をつかうエンジンの理論空燃比は、燃料に関わらず14.5~14.7と覚えておくのが基本でしょう。


旋回性能とハンドリング特性は違う話

クルマのハンドリングを評するのに、アンダーステアとかオーバーステアといった言葉を使いますが、これはあくまでハンドリング特性であります。

単純化すれば
アンダーステア=旋回中にフロントタイヤが先に限界を迎える
オーバーステア=旋回中にリアタイヤが先に限界を迎える
ニュートラルステア=旋回中に前後タイヤが同時に限界を迎える
という特性に過ぎないわけですから。


だからアンダーステアのA車とオーバーステアのB車があったとして、どちらが旋回性能に優れるのかは判断できません。しかし、パッと読むと、そうとは思わないというか、違うイメージがあるので、原稿を書く上ではけっこう便利な言葉だったりします。誤解を招きやすいのは難ですが。


空燃比の話なんて書いたのは……

唐突に空燃比の話題をあげたのは、ふたつのことが気になったからであります。

ひとつは、この時期になると目立ってくるマフラー出口からの水蒸気を、マフラー内に溜まった水分“だけ”と思っている人がいるらしいってこと。
ガソリンにしろ軽油にしろ基本は炭化水素だから水素を含んでいるわけで、燃焼(酸化)するということは二酸化炭素と「水」を排出するのは不思議な話ではないですから。

もうひとつが、先日の光化学スモッグ・シンポジウムにて「日本国内でいえば窒素酸化物については固定排出源(大工場など)と移動排出源(自動車)が同じくらい」という話を聞いたこと。
固定排出源については、かなり規制を厳しくしたことで窒素酸化物の排出量が減ったが、自動車はまだまだ厳しさが足りないらしいのです。それは、いわゆるポスト新長期規制でもまだまだという意味。そんなわけで、これからクリーンディーゼルと呼ばれるクルマが続々と出るのかも知れませんが、リーンバーンである限りは窒素酸化物の排出から逃れられないわけで、考えるところがあったから。

しかし、こうして改めて整理するとアタマがすっきりするものです。

理論空燃比でNOxは発生しない

taikiosen_smog_pm25


ところで、空燃比という言葉は多くの場合ガソリンエンジンでしか使われない気がします。基本がリーンバーンのディーゼルでは空気過剰率を使うことが多いようです。

そんなわけで、ここからはガソリンエンジンにおける空燃比についてだけ計算してみましょう。

前のエントリで質量についてはガソリン=84、空気≒29としましたが、理論空燃比の14.6になっている状態の元素数を見てみると以下のようになります。

空気量÷燃料=理論空燃比
(29×X)÷84=14.6

X≒42.3で、これでガソリン1ユニットに対する空気のユニット数がわかりました。


前エントリで書いたようにガソリンに含まれる炭素は6個、水素は12個としています。そして空気中の酸素比率は21%。

つまり 42.3×0.21≒9 で、理論空燃比の混合気においてはガソリン1ユニットに対して酸素分子9個(原子でいえば18個)が割り振れるわけです。

この数を元にガソリンを酸化させててみると

6CO2 と 6H2Oが生まれることになります。
それぞれの元素数をかぞえると、炭素6個、水素12個、酸素18個となっています。

理論空燃比でのガソリンと酸素の分子量を改めて確認すれば、C6H12と9O2ですから、ちょうど全部を使い切っているわけで、まさに完全燃焼。

だから理論空燃比というのであり、この状態が空気過剰率1(余りもしないし、足りなくもない)なのです。

たとえば排ガスに含まれる有害物質の代表である窒素酸化物(NOx)は、空気中の窒素(N2)と酸素(O2)が燃焼時の高温により反応して生まれるわけですが、理論空燃比の条件下であれば窒素と反応する酸素が余りませんから、理屈上は窒素酸化物が生まれません。

だからリーンバーンでない一般的なガソリンエンジンでは理論上はNOxをゼロにすることが可能なわけ。もちろん理論空燃比から燃料を濃く(リッチ)すれば、空気中の酸素を使いきってしまいますからNOxは発生しません。

一方、ディーゼルなど空気過剰率が1より大きなゾーンで燃焼させると、燃料が薄い(リーン)状態になりますから、どうしても酸素が余ります。すると窒素と反応して窒素酸化物になってしまいます。だからガソリン・リーンバーンや現状のディーゼルはエンジンから排出される窒素酸化物をゼロにすることが不可能で、NOx吸着触媒などの後処理で排出量を減らすか、EGR(排気再循環)によって燃焼温度を下げてNOxの生成を減らすしかないわけです。

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