クルマのミライNEWS

自動車コラムニスト 山本晋也がクルマのミライに関するニュースをお伝えします
二輪・四輪にかかわらずパーソナルモビリティが、どのように変わっていくかを考察します

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2006年12月

2006年試乗車、最大排気量は?

大晦日の朝、いよいよ2006年も終わりです。
今年乗ったクルマをつらつらと思い返しています。
そんなにたくさんのクルマに乗ったわけじゃありませんが、まぁ10車種以上の新型車には乗っているでしょう。なぜか今年は外車に乗る機会はほとんどありませんでしたけどね。

そんな試乗したクルマの中でもっとも高価だと思われるのがコレ「ホンダFCX」です。一台1億円以上といわれる燃料電池車ですから高価なのは当然です。試乗中もかなり緊張しましたね。やっぱり何かあったときに弁償のしようがないクルマですから。もちろんクルマを借りて乗っているときには常に緊張しているのですが、コイツの緊張度は過去最大だったかもしれません。

同じく高価と思われるクルマでは、三菱の先行開発車もありました。おそらく次期ランエボに搭載されるであろう4WDコントロールシステムを搭載したクルマで、路面ミューの低い雪上で試乗させてもらったのですが、フロントが勝手に動く感じが面白かった。実際にはブレーキを利用してヨーを生んでいるようですが実に新鮮な印象でしたね。

そのほかチューニングカーも含めていろいろなクルマに乗ることができました。
そんなクルマの中で最大パワーだったのは…………おそらくセントラル20がチューンしたZ33でしょうか。オーストラリアのメーカーと共同開発したというツインターボキットを装着したZ33の最高出力は432馬力! なんかZフリークにとっては意味深な数値なのも魅力? ともかくノーマルっぽさとチューンドらしさをあわせ持っていたのが好印象。もともとターボ仕様があって、それをブーストアップしたようなフィーリングに仕上がっていましたね。


で、試乗したクルマの最小排気量は、もちろん数々の軽自動車。先日もココで書きましたが2006年はとにかくたくさんの軽自動車がデビューしました。まだミラには乗っていませんが評判がいいので早く乗ってみたいものです。

そして、2006年に試乗したクルマで、最大排気量だったのはコイツ。
三菱の新型パジェロであります。実質的に国内ではパジェロ専用となったV6エンジン「6G75型」のボア×ストロークは95.0×90.0mmで排気量は3827cc。SOHCヘッドながら4バルブとされ、吸気側には可変バルブタイミング&リフト機構「MIVEC」も採用されています。ただパワフルかといえば意外に大人しくって。スペック的にも183kW(およそ249ps)で、2tを超えるボディとの組み合わせですから、排気量の大きさを感じさせるほどの爆発的なパワーを感じることはなかったのですけどね。それでも、こいつが2006年に乗ったクルマの中で最大排気量だったはず。仕事柄、ホントはレクサスLSに乗っておかなきゃいけないのでしょうが、なかなか機会がなく乗れずじまいで2007年を迎えそうです。



さて、来年はどんなクルマに触れることができるでしょうか。
何のあてもありませんが、楽しみです。


ともかく、今年一年ありがとうござしました。よいお年を!


プラグイン・ハイブリッド

エンジンとモーター、ふたつの動力源を持つハイブリッドカーの
近未来的進化形として注目を集めているのがプラグイン・ハイブリッド。

一部のハイブリッドカーには、電気(モーター)だけで動くモードがありますが、その電源はバッテリーで、バッテリーを充電するのには回生、もしくはエンジンを使った発電システムによるしかないのが現状です。

プラグイン・ハイブリッドとは、その充電について
プラグイン=コンセントにプラグをさすことによっても
行えるようにしようというもの。

つまり従来通りの回生充電とエンジンによる充電
そして、コンセントからの充電と、
みっつのチャージ方法を持つわけです。

これはハイブリッドカーを、より電気自動車に近づけたスタイルといえます。
まだ量産車では実用化されていませんが
すでに改造レベルでは存在しています。

そして近々に自動車メーカーから登場するともいわれています。

正直、欲しいです。
なにしろプラグイン・ハイブリッドカーは魅力たっぷり。

たとえば近距離メインであれば化石燃料に頼らずに走ることができますし、
充電を忘れたときにはエンジンを使って走らせることができます。
つまり長距離を走るときの電欠を心配しなくていい電気自動車という見方もできるクルマなのです。
それでいてコンセントからの充電で走る範囲であれば、その燃費(というか燃料コスト)は、おそらく化石燃料(ガソリン)の1/10くらいになるのではないかと予想されています。
もちろん電気で走っている分には二酸化炭素も窒素酸化物も排出しませんから、究極のクリーンビークルであるわけです。

なによりプラグイン・ハイブリッドが欲しいと思う最大の理由は
上で書いたように「電欠の心配がない電気自動車」だから。

そして、回生による充電をうまく使って
電気自動車としてどこまで走ることができるかにチャレンジしたいのです。

電気自動車や燃料電池車で、こうしたチャレンジをすると
最終的には動けなくなってしまいますが
プラグイン・ハイブリッドであれば、そんな心配は必要ありません。

燃料電池車の一般化がまだまだ未来の話ですから
次の段階のエコカー、エコ技術として
プラグイン・ハイブリッドに期待しているのです。

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スポーツマフラーの未来について

国土交通省のホームページで道路運送車両法施行規則等関係規則(自動車騒音関係)の一部改正に係るパブリックコメントを集めています。
リンク先に書かれていることには
 自動車の消音器(マフラー)を交換すること等により、大きな騒音や人が不快と感じる騒音をまき散らす自動車が後を絶たない状況にあり、大きな社会問題となっています。国土交通省では、これらの自動車による騒音問題改善のため、道路運送車両法施行規則等関係規則(自動車騒音関係)の一部改正を予定しています。
 つきましては、広く国民の皆様からご意見を賜るべく、本件に対するご意見を以下の要領で募集いたします。頂いたご意見につきましては、担当部局において取りまとめた上で、検討を行う際の資料とさせて頂きます。

ということです。つまりスポーツマフラーの規制を厳しくする予定で、それについての賛成・反対の意見がある人はコメントしてください、というわけです。
具体的には
装置型式指定の対象として「消音器」を新たに追加し、型式を取得する際に適用される騒音基準により消音器の装置型式指定を行います。

公布日:平成19年7月
適用時期:
平成20年1月以降に型式を取得する自動車及び原動機付自転車(輸入車を除く。)に適用
平成21年12月以降に製作される自動車及び原動機付自転車(輸入車を含む。)に適用
消音器についての装置型式指定は、平成20年1月から適用

と書かれていますから、もう年が明ければスグの話です。


別に関係者でなくともコメントはできますから、スポーツマフラーについて思うとことがある人は、コメントを出してみてはいかがでしょうか。〆切は1月31日となっています。

ダイハツの良心?

昨日はトヨタ・パッソがマイナーチェンジというニュースを見て、
「リッターカー」という言葉について日ごろ思っていることを書いてみたのですが、当たり前のようにダイハツ・ブーンもマイナーチェンジしました。
それほど大きなマイナーじゃないからなぁと思いつつ、いちおうダイハツのサイトで確認してみたら……「そういえばx4ってまだあるんだね」ということに気づきまして。936ccの4気筒16バルブDOHCインタークーラーターボエンジンの最高出力は98kW、最大トルクは133N.m。これぞ最強の「リッターカー」であります。車重が980kgを重いのは気になりますが(まぁ4WDなので仕方ないのではありますが)、重量税も1t未満で収まっていますし、リーズナブルなスポーツカーといえましょう。このカタチでスポーツカーというのはヘンと思われるかもしれませんが、基本的にモータースポーツ用として作られているクルマですから、本当の意味での“スポーツカー”だと思っているのです。

しかし、こうしたグレードを残しているのは、まさにダイハツの良心。実際に儲け度外視でしょうから、このご時勢にタイヘンなことだと思います。

そうそう、ダイハツの良心といえば、エッセもマイナーチェンジしています。
スポーティイメージのエッセカスタムが新設定されたのがニュースなのでしょうが、ラインナップを見ていると面白いことに気づかされます。

なんと、5MTグレードが増えているのです。

マイナー前は最廉価グレードのECOが実質的に5MT専用グレードとなっていましたが、今回のマイナーチェンジにより装備の充実したLグレードにも5MTが追加されています。さらにカスタムにも5MTはラインナップ。マニュアル回帰というべき現象です。

まさに21世紀のボーイズレーサー、といえそうなイキオイなのであります。
これまた、ダイハツの良心 なのかもしれません。

もっともエッセに5MTグレードが増えているのはマーケットからの要望なのではないかと思われます。といってもスポーティな走りを楽しみたいというユーザーではありません。実は年配の方を中心に「オートマは暴走しそうで恐い」というユーザー層が存在します。おそらく、ECOグレードによって、エッセはそうしたユーザーから支持された面もあるのでしょう。そして、MT派(というよりも嫌AT派)のリクエストで5MT搭載グレードが拡大したのではないでしょうか。

ま、なんにせよエッセのKF-VEエンジンは扱いやすくて面白いエンジンなのは間違いありません。税金などの維持費でのメリットを活かして遊びクルマとしても注目ではないでしょうか。週末のジムカーナなんて結構楽しめそうです。

さらに「せっかくエッセカスタムにも5MTをラインナップしたのだからNゼロ(ナンバーつき)レースでもやればいいのにねぇ」と思ってみたりして。

そうそう、カスタムにはタコメーターが装備されているのです。155/65R14というタイヤサイズも走りと快適性の絶妙なところを狙っているように思われます。
本体価格も100万円を切っていますし、FF車を振り回して楽しみたい人にとっては意外にイイ選択肢になるかもしれません。そんな予感がします。

リッターカー、とは?

いまだにコンパクトカーのことをリッターカーっていう人がいますけど、個人的には「リッターカー」という言葉はキライなんです。いや、仕事上で必要とあらば使いますけどね。

もともと「リッターカー」という言葉は排気量1000cc=1リッターのクルマを指すもので、その昔は排気量1リッターのエンジンって各メーカーに存在していて、リッターカーという言葉がマッチしていた時代もありました。この頃のクルマに使う「リッターカー」という言葉には違和感はありません。
ですが、いまじゃリッターカーと呼ばれるクルマの大半が1.3~1.5Lの排気量のエンジンとなっています。というか、純粋にリッターカーと呼べるのはトヨタ・ダイハツ系モデルで1KR-FEエンジンを搭載するパッソ・ブーン、ヴィッツ、ベルタくらいじゃないでしょうか。
スズキのK10Aエンジンも国内仕様には積まれていないようだし、日産も旧型マーチまでは1リッターエンジンを用意していましたが、いまでは消滅してしまいました。

で、なぜゆえに「リッターカー」という言葉がキライかといえば、上記のような状況によって排気量が1リッターのクルマ限定で使う言葉じゃなくなってしまったから。かつてリッターカーと呼ばれていた車名のコンパクトカーをそのまま「リッターカー」と呼んでいるような気がするのです。

たしかにクルマの出来を判断するのであれば排気量は無視してもいいのですが
もともと「リッターカー」という言葉には『1000cc未満の自動車税で済むクラス』という意味合いがあったはずで、その条件に引っかからない1.3L前後のエンジンを積むコンパクトカーをリッターカーと呼ぶのはイヤなんです。
だって、自動車税が安いわけじゃないんですもの。

かくいうワタクシも、かつて所有した某イタ車の排気量が1049ccだったことで、自動車税が想像よりもワンランク上だったことがありまして。勉強不足だったといえばそれまでなのですが、1リッターエンジンだと思っていたので少々ショックだったものです。

さらに個人的な見解でいえば、車重が1tを超えているクルマは「コンパクトカー」とは呼びたくないですね。だって重量税が高いじゃないですか。登録車の場合、重量税は0.5t単位でかけられます。ですから車重1000kgのクルマと1490kgのクルマは同じ重量税額となるのです。
仮に1.1Lエンジンで1010kgのクルマと1.5Lエンジンで1480kgのクルマがあったとすれば、この二台の自動車税と重量税の基本額は同じになるわけです。もちろん納税は義務ですから損得をいうものではないのですが、前者のようなクルマに乗っていると損している感覚がないとはいえないでしょう?

もっともスイフトもヴィッツも1tを超えている今、こんなことを言うのは時代錯誤なのかもしれません。とはいえヴィッツもベルタも1KR-FEエンジンを積んだグレードだけはカタログ値で車重1tを切っているのは重量税を意識しているのでしょう。さすがトヨタです。


結局、何で「リッターカー」という言葉に違和感があるかといえば税制とリンクしていないから、なんでしょうね。
極論めきますが、「リッターカー」という言葉を平気で使っていることが税金に関する意識が低いことを公言しているような気もするのです。

ということを
パッソがマイナーチェンジ、のニュースを見て思った次第。
ま、ここだけの話ということで。

クリスマスの朝

クリスマスの朝です。

やっぱりサンタは来てくれませんでした。

枕元には何もありません。というか寝てません。

寝ていない理由は……
サンタが来るのを見逃さないため
では、もちろんなくて

お仕事をしていた(原稿を書いている)わけで。

いま取り掛かっているのは連悍比【れんかんひ】に関する原稿。

いや、この用語はエンジン内部のある部品のスペックを示しているのですけど
その説明には三角比(sin、cos、tan)的な発想が必要なわけで。
それを、どうやって簡単に説明するかを考えていたら朝になってしまったのです。

だから正確にいうと「原稿を書いている」わけではありません。
「原稿を書こうとして」朝を迎えてしまったのです。

いやはや、参りました。とんだクリスマスです。

って考えてみれば、毎年こんな風に過ごしていますけどね。




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